
「会社概要ページを作りたいから、FTPで page-about.php を作って、そこにHTMLを直接書こう」
「WordPressの管理画面にある『外観』→『テーマファイルエディター』で、新しいテンプレートファイルを作成して、1ページずつコーディングしている」
もしあなたがこのように、WordPressの「固定ページ機能」を使わず、「外観のテンプレートファイル(PHPファイル)」を直接編集して個別のページを作っているとしたら、それは非常に効率の悪い、危険な運用方法です。
WordPress(ワードプレス)には、誰でも簡単にページを作成・更新できる「ブロックエディター(Gutenberg)」が標準搭載されています。
わざわざテンプレートファイルを作るということは、この便利な機能を自ら捨てて、修正困難な「コードの塊」を作っているのと同じです。
プロのエンジニアであっても、個別のページコンテンツ(会社概要やサービス紹介の中身)をテンプレートファイルに直接書くことは避けます。
更新や管理の手間が膨大になるからです。
この記事では、なぜテンプレートファイルで個別ページを作ってはいけないのか、その致命的なデメリットと、本来あるべき「固定ページ」の正しい作り方について解説します。
外観のテンプレートでページを作る、という落とし穴
HTMLやPHPの知識が少しある方が陥りやすいのが、「全部コードで書いた方が自由度が高い」という誤解です。
確かに page-about.php や page-contact.php といったファイルを自作すれば、好きなようにHTMLを書くことができます。
しかし、これはWordPress(ワードプレス)の「CMS(コンテンツ管理システム)」としてのメリットを完全に殺しています。
テンプレートファイルは本来、ページ全体の「デザインの枠組み(ヘッダー、フッター、レイアウト)」を決めるためのものであり、個別の「文章や画像」を書く場所ではありません。
ここに直接テキストを書いてしまうと、文字を一文字直すだけでもファイルを編集し、FTPでアップロードするか、テーマエディターを触らなければなりません。
「ノーコード」で直感的に操作できるブロックエディターが使えないため、画像の位置調整やカラム分けも、すべて複雑なCSSコードを書く必要が出てきます。
テンプレートでページを作ると損する理由
テンプレートファイルで個別ページを作成し続けると、具体的にどのような損をするのか、5つの理由で解説します。
1、ブロックエディター(ノーコード機能)が使えない
テンプレートファイルはPHPとHTMLの世界です。
WordPressの最大の武器である「ブロックエディター」は使えません。
見出し、段落、画像、ボタン、カラム(列)、テーブル(表)などをドラッグ&ドロップで配置する機能が一切使えず、すべて手打ちのコードで再現しなければなりません。
HTMLが分からない担当者には、更新が不可能になります。
2、テキストがコードに埋もれて編集しにくい
テンプレートファイルの中身は、<div> や <?php ... ?> といったコードで溢れています。
その中から「修正したい文章」を探し出すのは、砂漠で針を探すような作業です。
うっかりタグを一つ消してしまっただけで、ページ全体のレイアウトが崩れたり、真っ白になったりするリスクがあります。
3、更新作業が極めて困難(エラーのリスク)
固定ページなら「編集」ボタンを押して文字を直し、「更新」を押すだけで完了します。所要時間は1分です。
しかしテンプレートファイルの場合、管理画面の奥深くにある「テーマファイルエディター」を開くか、FTPソフトを使う必要があります。
PHPの構文エラー(セミコロン忘れなど)があれば、サイト全体がエラーで停止することさえあります。
4、リビジョン(履歴)機能がない
WordPressの固定ページには「リビジョン」機能があり、間違えても「1時間前の状態に戻す」ことがワンクリックで可能です。
しかし、テンプレートファイルには履歴機能がありません。
一度上書き保存してしまったら、元の状態には戻せません。バックアップを取っていなければ、消えたデータは永遠に失われます。
5、プロでも管理しきれない手間
もし10ページのサイトを作るとして、10個のPHPファイル(page-1.php, page-2.php…)を作っていたら、管理は地獄です。
ヘッダーのデザインを少し変えたい時、すべてのファイルを確認しなければならないかもしれません。
プロの制作現場でも、テンプレートファイルは「共通のデザイン型」を作るために使い、中身のコンテンツは必ず固定ページのエディターで管理します。
比較表:正しい作成方法 vs 間違った作成方法
「外観のテンプレート」で作る場合と、「固定ページ」で作る場合で、作業効率とリスクがどれだけ違うか比較してみましょう。
| 項目 | NG(外観テンプレートで作成) | OK(固定ページで作成) |
|---|---|---|
| 作成方法 | テーマファイルエディターでpage-about.php等のPHPファイルを新規作成 | 管理画面「固定ページ」→「新規追加」でタイトルを入力して作成 |
| 編集環境 | HTML/PHPコードの中にテキストを埋め込む | ブロックエディター(Gutenberg)で見たまま編集 |
| 必要スキル | HTML/PHP・CSSの知識が必須 (初心者には不可能) | スキル不要 (Word感覚で誰でも可能) |
| レイアウト機能 | ノーコード機能なし すべてコードで記述 | カラム・ボタン・画像・見出し等をドラッグ&ドロップ |
| 更新のしやすさ | ファイルを開く→コードを探す→編集→保存(エラーリスク大) | 固定ページ一覧→編集→テキスト変更→更新(即反映) |
| リビジョン(履歴) | なし 間違えたら戻せない | あり 過去のバージョンにいつでも復元可能 |
| 保守性 | ページが増えるたびにファイルが増殖し、管理困難 | すべて「固定ページ一覧」で一元管理 |
テンプレートファイルの本来の用途
では、page.php などのテンプレートファイルは何のためにあるのでしょうか。
正解は、「ページのデザイン(枠組み)を定義するため」です。
- ヘッダー(ロゴやメニュー)を表示する
- フッター(コピーライトなど)を表示する
- サイドバーを表示する
- そして、「固定ページで入力された本文」を表示する位置を決める
これが正しい役割です。
デザイナーやエンジニアは、一度だけ page.php という枠組みを作ります。
そしてサイトオーナーは、「会社概要」「サービス」「お問い合わせ」などのページを、固定ページ機能を使って量産します。
すべての固定ページは、自動的に page.php のデザイン枠にはめ込まれて表示されます。
わざわざ page-about.php、page-service.php と個別にファイルを作る必要はないのです。
固定ページで作成する5つのメリット
WordPressの標準機能である「固定ページ」を使うことで得られるメリットは絶大です。
1、ブロックエディター(Gutenberg)が使える
見出し、画像、動画、ボタン、2カラムレイアウト、表組みなど、あらゆる要素をパーツ(ブロック)として配置できます。
HTMLを知らなくても、プロ並みのレイアウトが組めます。
2、更新が超簡単
「てにをは」を直すだけなら30秒で終わります。管理画面から直感的に修正でき、コードを壊す心配もありません。
3、リビジョン機能で過去に戻せる
「更新したらレイアウトが崩れてしまった!」という時でも、リビジョン機能を使えば、崩れる前の状態にワンクリックで戻せます。
これはテンプレートファイル編集では絶対にできない、強力な保険です。
4、一元管理で探しやすい
すべてのページが「固定ページ一覧」にリストアップされます。
タイトルで検索したり、公開日順に並べ替えたりできるので、目的のページがすぐに見つかります。
5、ノーコードでプロ級レイアウト
「再利用ブロック」や「パターン」機能を使えば、一度作ったデザインを他のページでも使い回せます。
コードをコピペする必要はありません。
テンプレートファイルを触るべき場面
「じゃあテンプレートファイルはいつ触るの?」という疑問にお答えします。
触るべき場合(プロ向け)
- サイト全体のヘッダーやフッターのデザインを変更する時
- 「LP(ランディングページ)用」など、ヘッダー・フッターがない特殊なデザイン枠を作りたい時
- 最新記事の一覧を自動で表示させるなど、PHPプログラムによる動的な機能を追加したい時
触らなくていい場合(ほとんどのケース)
- 「会社概要」や「サービス紹介」など、通常のページを作る時
- 文章や写真を変更・追加する時
- レイアウト(配置)を調整する時
結論
ホームページ運営において、95%以上の作業は「固定ページ」だけで完結します。
テンプレートファイルを触る必要があるのは、サイトの根本的な設計を変更する時だけです。
正しい固定ページの作成手順
今までテンプレートで作っていた方は、以下の手順で固定ページ作成に切り替えましょう。
ステップ1:固定ページ作成
- WordPress管理画面の左メニューから「固定ページ」→「新規追加」をクリックします。
- 一番上の欄に、ページのタイトル(例:「会社概要」)を入力します。
ステップ2:ブロックエディターでコンテンツ作成
- 画面内の「+」ボタンを押して、使いたいブロック(見出し、段落、画像など)を選びます。
- 文章を入力したり、画像をアップロードしたりします。
- ブロックの右側にある設定パネルで、色や文字サイズを調整できます。
- 「カラム」ブロックを使えば、横並びのレイアウトも簡単に作れます。
ステップ3:公開
- 右上の「公開」ボタンをクリックします。これでページが全世界に公開されます。
テンプレートは「枠」、コンテンツは「固定ページ」
WordPressにおいて、外観のテンプレートファイルはあくまで「デザインの枠組み」です。
個別のページの中身(コンテンツ)を書く場所ではありません。
- テンプレートファイルで個別ページを作ると、HTML/PHPの知識が必要になり、更新が困難になる。
- 固定ページ機能を使えば、ブロックエディターで誰でも簡単に、安全にページを作れる。
- 98%のページ作成は「固定ページ」で行うべき。
もし現在、page-about.php のようなファイルで運用しているページがあるなら、その中身(テキストや画像)をコピーして、プロに頼んで作り直すことを強くお勧めします。
そして、テンプレートファイルは削除するか、バックアップとして保管しておきましょう。
今後は必ず「固定ページ」機能を使って、スマートで安全なホームページ運用を行ってください。
