
「お客様に伝わらない言葉で書いていませんか?」
「自分の知識をひけらかすような文章になっていませんか?」
セールスライティングにおいて、専門用語や業界用語、難解なカタカナ語を多用するのは自殺行為です。
書き手であるあなたにとっては「当たり前の言葉」でも、読み手であるお客様にとっては「未知の言語」かもしれません。
「難しい言葉を使ったほうが、賢く見えるし、信頼されるだろう」
そう考えるのは大きな間違いです。賢く見せようとする文章ほど、お客様の心を閉ざし、売上を遠ざけます。
読まれない、理解されない、そして行動されない。
そんな悲劇を避けるために、今回は「分かりやすさ」という最強の武器について解説します。
難しい言葉ばかり使う、という落とし穴
なぜ、私たちはついつい難しい言葉を使ってしまうのでしょうか?
それは、私たちがその分野の専門家であり、「知識のプロ化」にかかっているからです。
毎日その仕事をしていると、業界用語が日常会話になります。すると、「お客様もこれくらい知っているだろう」と無意識に思い込んでしまうのです。
しかし、現実は違います。
「顧客の理解レベル は、 自分の理解レベル」です。
お客様はその道のプロではありません。初めてその商品に触れる人かもしれません。
「中学生でも分かるように書くなんて、お客様をバカにしているのでは?」と心配する人がいますが、それは誤解です。
難解な専門知識を、誰にでも分かる平易な言葉で説明できることこそが、真のプロフェッショナルの仕事です。
アインシュタインの言葉に「6歳の子供に説明できなければ、理解したとは言えない」とあるように、分かりやすさは知性の証明なのです。
専門用語を使いすぎると損する5つの理由
難しい言葉を使うことが、ビジネスにおいてどれほどの損失を生むのか、5つの理由で解説します。
1、読まれない(3秒で離脱される)
Webサイトやチラシを見た瞬間、知らない単語が並んでいると、脳は「これを読むのはカロリーを使う(疲れる)」と判断します。
現代人は忙しいため、理解に努力が必要な文章は読みません。最初の3秒で「難しそう」と思われたら、即座に離脱されます。
2、理解されない
「UI/UXを最適化し、CVRを向上させます」と言われても、意味が分からなければ終わります。
商品を買うという行動は、商品の価値を理解して初めて起こります。
3、信頼されない
専門用語を並べ立てられると、お客様は「ごまかされているのではないか?」「知識がないことにつけこまれるのではないか?」と不安になります。
逆に、専門的なことを平易な言葉で教えてくれる人には、「親切だ」「本当に詳しい人だ」という深い信頼を寄せます。
4、シェアされない
良い商品だと思っても、説明が難しければ友人に紹介できません。
「なんかすごいシステムなんだよ(詳しくは分からんけど)」では口コミは広がりません。「スマホで写真撮るだけで経費精算できるんだよ」なら広がります。
5、SEOでも不利
専門家は「腰椎椎間板ヘルニア」と書きますが、一般人は「腰が痛い」「腰痛」と検索します。
お客様が使わない言葉で記事を書いても、検索には引っかからず、見込み客と出会うチャンスを逃してしまいます。
よくあるNG専門用語の例
各業界で無意識に使われがちな「NGワード」と、顧客に伝わる「OKワード」の対比です。
| 業界 | NG専門用語 | OKの言い換え |
|---|---|---|
| IT | UIのUX最適化 | 画面の使いやすさを改善 |
| マーケ | CVR向上施策 | 購入率アップの対策 |
| 金融 | アセットアロケーション | 資産の配分バランス |
| 不動産 | 既存不適格物件 | 現在の法律に合わない建物 |
| 健康 | 抗酸化作用 | 老化を防ぐ働き(体のサビ取り) |
| コンサル | KGI/KPI設定 | 最終目標と中間目標の設定 |
| 建築 | RC造・S造 | 鉄筋コンクリート造・鉄骨造 |
| 法律 | 瑕疵担保責任 | 欠陥があった時の責任 |
分かりやすく書くための5つのルール
誰にでも伝わる文章を書くための、具体的な5つのテクニックです。
1、中学生でも分かる言葉で書く
ターゲットは「その分野の素人」です。新聞やニュースレベルの語彙ではなく、中学校の教科書レベルの言葉を選びましょう。
迷ったら「中学2年生の甥っ子に話して通じるか?」を基準にします。
2、専門用語の後に必ず「(=〇〇のこと)」と補足する
どうしても専門用語を使う必要がある場合は、直後に解説を入れます。
例:「コンバージョン(=購入や申し込みのこと)を増やします。」
3、比喩・たとえ話を使う
未知の概念を、既知の概念に例えることで理解を助けます。
例:「サーバーとは、ネット上の土地のようなものです。」「API連携とは、通訳を介して会話するようなものです。」
4、箇条書き・図解を活用する
長い文章は読む気を失わせます。特徴やメリットは箇条書きにし、複雑な仕組みは図やイラストで視覚的に伝えます。
5、「あなた」に語りかける
「弊社は〜を提供します」ではなく、「あなたは〜できるようになります」と主語を変えます。
顧客の生活の中でどう役立つかを、顧客の言葉で語ります。
分かりやすいセールスコピーの書き方
難解な文章を、伝わる文章に変えるための3ステップです。
Step 1:専門用語をリストアップ
自分の書いた文章を見直し、少しでも「硬い」「難しい」と感じる単語にマーカーを引きます。
「これは一般の主婦(または学生)が日常会話で使うか?」と自問してください。
Step 2:中学生に説明するつもりで言い換える
マーカーを引いた単語を、「つまり、〇〇ということです」という言葉を使って言い換えてみます。
「アセットアロケーション」→「つまり、卵を一つのカゴに盛らないこと」→「資産を分散して守ること」のように変換します。
Step 3:社外の人(家族・友人)に読んでもらう
これが最も確実なテストです。業界知識のない奥さんや旦那さん、友人に読んでもらいましょう。
「ここ、どういう意味?」と聞かれた箇所は、間違いなく書き直しが必要です。
分かりやすく書くことで得られる5つのメリット
- 読了率が2〜3倍に向上(スラスラ読めるので、最後までメッセージが届きます)
- 問い合わせ・成約率が大幅アップ(価値が伝わるので、欲しくなります)
- 顧客の不安が減る(「自分でも使えそうだ」という自信を与え、行動のハードルを下げます)
- 口コミ・紹介が増える(友人に説明しやすい商品は、広まりやすいです)
- SEOにも有利(お客様が実際に検索窓に打ち込むキーワードと一致します)
今日やること
専門用語は、あなた自身の知識を証明するためではなく、お客様の理解を拒む「壁」になり得ます。
本当の専門家は、難しいことを誰よりも優しく語れる人です。
お客様は専門家ではありません。小学生に語りかけるような優しさを持って、言葉を選んでください。
今日やるべきこと
- 自社のLPやWebサイトを開き、専門用語を5つ見つけてください。
- それぞれの言葉を、辞書を使わなくても分かる「中学生レベルの言葉」に書き換えてください。
- 書き換えた文章を、家族や業界外の友人に読んでもらい、「意味わかる?」とテストしてください。
言葉の壁を取り払えば、あなたの商品の価値はもっと多くの人に届きます。
今日から「脱・専門用語」を始め、お客様に寄り添うセールスライティングを実践しましょう。それが、売上アップへの一番の近道です。
