
「LPを作ったのに全然成果が出ない…」
ランディングページ(LP)というものが広まったことで、
こういうご相談が多くなりました。
ご相談を受けるたびに、
私がチェックする項目の一つが、
「専門用語の使用頻度」です。
20年間で1,000社以上のWebマーケティングをサポートしてきた中で、
専門用語だらけの集客ツールほど
集客効果が低いことを痛感しています。
これは、ランディングページ(LP)も同じです。集客効果が非常に低くなります。
なぜ集客効果が低くなるのか?
今回は、
これを理論的に解説したいと思います。(あくまで私の仮説です^^;)
そして、
専門用語を使ったLPが
なぜ「やってはいけない集客方法」なのか、
また、劇的に改善する方法をお伝えします。
専門用語LPが失敗する根本的な理由
ここでは、専門用語ばかり出てくるLPのことを「専門用語LP」と名付けます。そのままです笑
イノベーター理論から見る「専門用語の罠」
イノベーター理論をご存知でしょうか?
新しい商品やサービスを受け入れる人々を5つのグループに分類した理論です。
イノベーター(革新者):2.5%
アーリーアダプター(早期採用者):13.5%
アーリーマジョリティ(前期追随者):34%
レイトマジョリティ(後期追随者):34%
ラガード(遅滞者):16%
上の理論は、ネット検索すればすぐに出てきます。しかしこの理論を実務で使おうとすると、5つもあるので、非常にややこしいです。そこで少し簡略化したものを使って考えたいと思います。
シストラット森氏の改良版イノベーター理論から見る「専門用語の罠」
マーケティングの専門家、書籍を数冊出されてる著名人、
シストラット森さんが改良したイノベーター理論を説明しましょう。
従来のイノベーター理論では顧客を5つのグループに分類していましたが、
森さんは実用的な観点から3つのグループに再分類しました。
イノベーター(10%):一般的な心を持ったマニア
アーリーアダプター(20〜30%):ベネフィットで動く人たち
フォロワー(60〜70%):一般大衆
これを使って専門用語LPを解釈すると、
専門用語LPの致命的な問題が出てきます。
専門用語を理解できるのは「イノベーター」だけ
私の実体験から言うと、
専門用語を完全に理解できるのは、主にイノベーター層(全体の2.5%〜10%)です。
しかも、森さんの改良イノベーター理論にプロダクトコーン理論を当てはめたフレームワークで考えてみると、
イノベーターはおもに「規格」で商品を判断し、
スペックや技術的な特徴を重視するそうです。
つまり、専門用語だらけのLPは97.5%〜90%の人には伝わらないということです。
これでは集客効果が薄くなるのは当然ですよね。
実際にあった専門用語LPの失敗事例
事例1:漢方薬局の不妊治療サポートLP
堺の漢方薬局の不妊治療専門のサポートサイトに下のような言葉で説明文をLPに掲載していました。
失敗パターン
「弁証論治に基づき当帰芍薬散や桂枝茯苓丸を中心とした漢方」
「腎虚や血瘀による不妊症」
「気血水のバランスを整えることでAMH値の改善を目指します」
結果
月間1,000アクセスで問い合わせ0件
直帰率85%(平均滞在時間10秒)
成約率0.00%
分析
このLPだと、イノベーター層(10%)にしか伝わらないLPになってました。しかし、イノベーター層はあまり多くないし、リスティング広告を見て時間をかけてLPを熟読してくれる人はイノベーターの中にも多くありません。彼らは自分で探せるので、リスティング広告はあまり見ない傾向があります。
事例2:中小企業専門のマーケティングコンサルティング会社のLP
中小企業専門のマーケティングコンサルタント会社が作ったLPに、下のような言葉を使っていました。
失敗パターン
下のような言葉をLPで使っていました。
「STP戦略に基づくマーケットセグメンテーションを実施」
「MAとCRM連携によるリードナーチャリングを最適化」
「シナジー効果創出のためのアライアンス戦略」
結果
「何をしてくれる会社かわからない」という声が多数
- 問い合わせがない
- 知り合いにメールしてみても成約まで至らず
- なぜ専門用語を使ってしまったのか
「専門性をアピールしたい」という心理
多くの企業さんが「専門用語を使えば、専門性が高く見える」と思い込んでいます。
しかし、実際は逆効果。
お客様は「わからない=不安」と感じてしまいます。
業界内の「当たり前」を一般化してしまう
私たちが普段使っている業界用語は、
お客様にとっては「外国語」と同じです。
習ってない外国語をいきなり聞かされても
興味わかないですよね笑
Hablo Espanol. ←スペイン語です。やっぱり興味わきません。
例
「SEO対策」→「検索で上位表示される対策」
「CRM導入」→「お客様情報を一元管理するシステム」
「DX推進」→「デジタル技術で業務を効率化」
「賢く見せたい」という見栄
難しい言葉を使えば「すごい人」に見えると思ってしまいますよね。でも、実際は「わかりにくい人」になってるだけです。。
これは私もやってるんじゃないかと思ってます。
専門用語を使わないLPの劇的な効果
実際の改善事例:中古買取事業
改善前のLP(専門用語だらけ)
「弊社は、独自開発した多次元コンディション評価システムにより、お客様の商材に対する最適化査定を実現いたします。市場流通性指数と相場変動係数を統合的に解析し、リアルタイムでの適正価値算定を行っております。」
改善後のLP(専門用語なし)
「捨てるのもったいない」と思っているあなたへ 使わなくなったブランド品、驚きの値段で買い取ります。買い取り事例はこちら。
このようなもの、お家に眠っていませんか?即日、現金化できます。
昔買ったブランドバッグ
使わなくなった時計
もう着ない洋服
古いカメラやゲーム機
読まなくなった本
結果
問い合わせ数:月0件 → 月30件(30倍増)
成約率:0% → 65%
平均滞在時間:45秒 → 3分20秒
なぜこれほど効果が出たのか?
理由1:アーリーアダプター層やフォロワー層も理解できる
改善後のLPは、アーリーアダプター(20〜30%)やフォロワー(60〜70%)にも理解できる内容になりました。対象が2.5%から100%に拡大したわけです。
理由2:感情に訴える表現
「こんなものが売れる」「現金化できる」という感情的なメリットが伝わるようになりました。
理由3:具体的な数字
「10万円で売れました」という具体的な効果を示すことで、信頼性が向上しました。
専門用語を使わないLP作成の実践法
ステップ1:「中学生でもわかる」を基準にする
- 作成したLPを中学生になったつもりで確認する
- 理解できない部分を全て書き出す
- 簡単な言葉に置き換える
ステップ2:専門用語を「体験」に変換する
買取業界の専門用語を体験ベースの表現にします。
↓↓↓
古物商許可 → 「中古品を売買するための国の許可証」
相場変動係数 → 「昨日と今日で値段が変わるので、一番高く売れるタイミングを見つけます」
市場流通性指数 → 「その商品が今どのくらい人気があるか、売れやすさを調べます」
真贋鑑定 → 「本物かどうかを専門家がしっかり見分けます」
リユース市場 → 「中古品を売り買いする市場」
ステップ3:「なぜ」を5回繰り返す
例:中古買取サービス
1回目:なぜ査定が無料なのか? → お客様に気軽に相談してもらいたいから
2回目:なぜ気軽に相談してもらいたいのか? → 「売れるかどうかわからない」という不安を取り除きたいから
3回目:なぜ不安を取り除きたいのか? → 家に眠っている価値ある商品を発見してもらいたいから
4回目:なぜ価値ある商品を発見してもらいたいのか? → お客様に「思わぬ臨時収入」を得てもらいたいから
5回目:なぜ臨時収入を得てもらいたいのか? → お客様に喜んでもらい、信頼関係を築きたいから
最終的な表現: 「『こんなもの値段つくの?』という驚きと喜びを体験してください。査定は完全無料です。」
ステップ4:「イノベーター」向けの専門情報は別ページで
構成例
メインLP:一般の方向け(専門用語なし)
タイトル:「家に眠っているもの、実はお宝かも?」
- 簡単3ステップで現金化
- 驚きの買取価格事例
- お客様の安心・喜びの声
- 今すぐLINE査定!
詳細ページ:業界関係者・転売事業者向け(専門用語OK)
タイトル:「プロフェッショナル買取サービス」
- 査定システムの技術仕様
- 市場分析データ
- 相場変動アルゴリズム
- 古物商許可証情報
- 業界ネットワーク
事例ページ:具体的な買取事例
タイトル:「実際の買取事例をご紹介」
YouTubeクリエイターとしての実体験
私が運営する「つちやたけし / ネットの疑問を解説」チャンネルでも、この原則を実践しています。
専門用語を使った動画
平均再生回数:50回
コメント:なし
専門用語を使わない動画
平均再生回数:1,000回
高評価率:80%
コメント:「わかりやすい」「助かりました」
結果: 専門用語を使わない動画から、問い合わせが増えました。
専門用語を使わないLP改善チェックリスト
【基本チェック】
中学生が読んでも理解できる
専門用語を日常語に置き換えている
具体的な数字やメリットを示している
「なぜそれが必要なのか」を説明している
【感情チェック】
読み手の悩みに共感している
解決後の明るい未来を描いている
不安や疑問を解消している
「自分のことだ」と思ってもらえる
【行動チェック】
次に何をすべきか明確
連絡方法が簡単
不安なく行動できる
今すぐ行動したくなる
専門用語LPは、今すぐやめるべき集客方法
専門用語だらけのLPが「やってはいけない集客方法」である理由
対象者が全体の10%しかいない
90%の人には伝わらない
不安や疑問を生む
行動を妨げる
専門用語LPの改善ポイント
中学生でもわかる表現にする
専門用語を体験に変換する
アーリーアダプター層とフォロワー層を狙う
感情に訴える表現を使う
今日から実践してほしいこと
あなたのLPを見直して、専門用語を一つずつ「普通の言葉」に置き換えてみてください。きっと、驚くほど集客効果が変わるはずです。
最後に
専門用語を使わないことは「レベルを下げる」ことではありません。「より多くの人に価値を届ける」ことです。
本当に優秀な専門家ほど、難しいことを簡単に説明できるものです。
「自分のLPに専門用語があるのか分からない」という場合は、無料で診断いたします。
20年の実践経験から、具体的な改善点をアドバイスします。