
「ブログを頑張って更新しているのに、全然問い合わせが来ない…」
「アクセス数はそこそこあるのに、なぜか売上につながらない…」
そんな悩みを抱えているあなた、一度冷静に自分のブログを見返してみてください。もしかすると、本業とは全く関係のない記事ばかり書いていませんか?
こんにちは、つちやたけしです。今日は多くのブロガーが知らず知らずのうちに陥ってしまう「関連性のワナ」について詳しくお話しします。
仕事と関係のない記事を書き続けることは、あなたのブログの集客効果を根本から悪くしてしまう危険性があります。
なぜ多くの人が「本業と関係のない記事」を書いてしまうのか?
まず、なぜこの問題が起こるのかを理解しましょう。私がこれまで見てきた企業のブログの中には、下のようなパターンが非常に多く見られます。
• 税理士事務所なのに、昼食レポートが多く投稿されている
• Webデザイン会社なのに、代表のフィッシング記録が大半占めている
• 美容院なのに、休日のカフェでの過ごし方について綴られている
• 行政書士事務所なのに、子どものこととペットの写真ばかりがメインコンテンツになっている
意図的におこなっていたり、SNSやアメブロなどの外部ブログから発信する分には問題ないでしょう。しかし、企業ブログで心配です。なぜこんなことが起こってしまうのでしょうか。
理由1:「親しみやすさ」への誤解
多くの経営者はとうぜん「人間味を出せば、お客さんに親しみを持ってもらえる」と考えています。
確かに、適度な人間味は重要です。しかし、企業ブログでそれらをメインに発信してしまうと、それらが専門性を上回って、逆効果になります。
考えてみてください。あなたが深刻な税務問題で困っていて税理士を探している時、その税理士のブログで「今日は美味しいランチを食べました♪」という記事ばかり見つけたら、どう感じるでしょうか?
「この人を信頼するための税関連のコンテンツはどこにあるのだろうか」
そう疑問に思うのが自然な反応です。
理由2:「毎日更新」という強迫観念
「ブログは毎日更新しなければならない」という古い情報を信じて、ネタに困ったときについ身近な出来事を記事にしてしまう。これも非常によくあるパターンです。
しかし、これは完全に間違った考え方です。現在のSEOでは、更新頻度よりも記事の質と専門性の方がはるかに重要になっています。
理由3:「記事数を増やせば良い」という誤解
「とにかく記事数を増やせばGoogleに評価される」という古いSEO情報を信じている人も多くいます。
しかし、現在のGoogleアルゴリズムは「E-E-A-T」(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness)を重視しており、記事の数よりも質と専門性が重要です。
100記事の関係ない記事よりも、10記事の専門性の高い記事の方が、はるかに高い集客効果を発揮します。
関連性が薄い記事がもたらす深刻な問題
では、仕事と関係のない記事を書き続けることで、具体的にどのような問題が発生するのでしょうか?
問題1:仕事関連のキーワードで上位表示できなくなる
これは深刻で、かつ多くの人が気づいていない問題です。
Googleの検索エンジンは、「このサイトは何の専門サイトなのか?」を常に判断しようとしています。サイト全体のテーマ性や専門性を評価して、検索結果の順位を決定しているのです。
例えば、あなたが税理士で以下のような記事構成だったとします。
• 税務関連の記事:30記事(40%)
• 趣味のゴルフに関する記事:25記事(33%)
• 日常生活や雑談:20記事(27%)
この場合、Googleは以下のように混乱してしまいます。
「このサイトは税務の専門サイトなの?ゴルフサイトなの?それとも個人の日記サイト?」
結果として、どのカテゴリーでも中途半端な評価しか得られず、以下のようなキーワードで上位表示することが困難になります。
【税理士が上位表示したいキーワード例】
• 確定申告 方法
• 節税対策 個人事業主
• 法人税 計算
• 相続税 対策
• 税務調査 対応
問題2:ブログが読みにくくなり、直帰率が上昇する
内容が仕事以外の記事メインになると、あなたのサービスを必要としている潜在顧客にとって、非常に読みにくいブログになってしまいます。
具体的なユーザー行動を想像してみてください。
【悪い例:関係ない記事が多いブログの場合】
- ユーザーが「歯の痛み 治療方法」で検索
- あなたの歯科医院のブログにたどり着く
- トップページに並んでいるのは、
• 「今日のランチは美味しいパスタでした♪」
• 「愛犬と散歩に行ってきました」
• 「休日の映画鑑賞レビュー」
• 「スタッフの誕生日パーティー」 - ユーザーの心境:「本当に必要な情報はどこ?この先生大丈夫?」
- 結果:すぐに他のサイトに移動(直帰率上昇)
【良い例:専門性の高いブログの場合】
- ユーザーが「歯の痛み 治療方法」で検索
- あなたの歯科医院のブログにたどり着く
- トップページに並んでいるのは、
• 「歯の痛みの原因と応急処置方法
• 「虫歯治療の最新技術について」
• 「歯周病予防のための正しいブラッシング法」
• 「根管治療の流れと注意点」 - ユーザーの心境:「この先生は信頼できそう。詳しく見てみよう」
- 結果:複数ページを閲覧し、最終的に問い合わせ
この差は、直帰率やセッション時間といったSEOの重要指標にも大きく影響します。
問題3:専門性が薄れ、権威性が失われる
これは長期的に深刻な問題です。
現在のGoogleは「E-E-A-T」を非常に重視しています。
• Experience(経験):実際の体験に基づいた情報かどうか
• Expertise(専門性):その分野における専門知識の深さ
• Authoritativeness(権威性):その分野における権威として認められているか
• Trustworthiness(信頼性):情報の正確性や運営者の信頼性
関係のない記事ばかり書いていると、これらすべての要素が希薄化してしまいます。
専門性が薄れる具体例
行政書士の場合
• 本来なら「相続手続きの専門家」として認識されるはずが…
• 愛犬の記事が半分を占めることで「犬好きの人」という印象になってしまう
• 結果:「遺産相続 手続き」などのキーワードで上位表示されない
コンサルタントの場合
• 本来なら「経営改善の専門家」として認識されるはずが…
• 趣味の釣りの記事が多すぎて「釣り好きの人」という印象になってしまう
• 結果:「経営改善 方法」などのキーワードで上位表示されない
問題4:ターゲット顧客との関連性が完全に断たれる
あなたのサービスを本当に必要としている人は、明確な目的を持ってインターネットで情報を探しています。
【顧客が実際に検索するキーワード例】
税理士を探している人
• 確定申告 代行
• 節税 方法 個人事業主
• 税務調査 対策
• 相続税 計算
美容師を探している人
• 髪質改善 方法
• ヘアカラー ダメージ
• 縮毛矯正 失敗
• ヘアケア おすすめ
歯医者を探している人
• 歯の痛み 原因
• 虫歯治療 費用
• 歯周病 治療
• インプラント 相談
これらのキーワードで検索してくる人が、あなたのブログで「今日のランチ」や「ペットの写真」を見たいと思うでしょうか?
答えは明らかに「NO」ですよね。
問題5:コンバージョン率の大幅低下
仮に関係のない記事で多くのアクセスを集めたとしても、それらの訪問者があなたの顧客になる可能性は限りなくゼロに近いでしょう。
正しいブログ戦略:狭いカテゴリーから始める段階的拡張法
では、どのようにブログを運営すれば良いのでしょうか?
答えは「最初は狭いカテゴリーに集中的に記事を書き、段階的に範囲を広げていく」ことです。
ステップ1:コアカテゴリーの選定
まず、あなたの事業の中で最も得意で、最も需要が高い分野を一つ選んでください。
業種別コアカテゴリー例
税理士の場合
• 個人事業主の確定申告の代行
• 法人の決算代行
• 相続税対策
• 税務調査対応
美容師の場合
• 梅田の美容室
• 損しないヘアカラー技術
• 自宅でできる髪質改善
• プロのヘアケア方法
歯科医の場合
• 虫歯にならない食べ物
• 自宅でできる歯周病予防
• 歯を大事にするコツ
行政書士の場合
• 相続手続き
• 建設業許可
• 会社設立
• 在留資格申請
この中から一つだけを選んで、最初の30記事は、そこに集中します。
ステップ2:コアカテゴリーでの記事作成(最初の30記事)
選んだコアカテゴリーについて、徹底的に記事を書きます。
記事作成の指針
• 月10記事以上のペース
• 1記事5,000字以上
• 読者の問題解決に焦点
• 実体験に基づいた内容
「個人事業主の確定申告」を選んだ税理士の記事例
• 個人事業主の確定申告の基本的な流れ
• 確定申告で見落としがちな経費10選
• 青色申告と白色申告の違いとメリット
• 確定申告書の書き方(項目別詳細解説)
• 確定申告の必要書類チェックリスト
• 確定申告でよくある間違いとその対策
• 電子申告(e-Tax)の使い方完全ガイド
• 確定申告後の修正申告の方法
• 個人事業主が知っておくべき税制改正のポイント
• 確定申告の相談先の選び方
このように、一つのテーマを様々な角度から深く掘り下げます。
ステップ3:段階的範囲拡張(30記事〜)
コアカテゴリーで30記事程度書いたあと、検索順位もすこし上がってきたら、関連する分野に範囲を広げます。
税理士の段階的拡張例
第1段階(最初の30記事): 個人事業主の確定申告のみ
第2段階(31〜60記事): 個人事業主の確定申告 + 個人事業主の節税対策
第3段階(61〜100記事): 個人事業主全般(確定申告・節税・経理・開業)
第4段階(101〜150記事): 個人事業主 + 小規模法人の税務
第5段階(151記事〜): 個人・法人・相続など総合的な税務サービス
美容師の段階的拡張例
第1段階(最初の30記事): ヘアカット技術のみ
第2段階(31〜60記事): ヘアカット技術 + 自宅でできるヘアスタイル提案
第3段階(61〜100記事): カット・スタイリング + ヘアカラー技術
第4段階(101〜150記事): カット・カラー + パーマ・縮毛矯正
第5段階(151記事〜): 総合的な美髪サービス + ヘアケア商品
ステップ4:関連性の管理
範囲を広げる際も、常に関連性を意識することが重要です。
【関連性の判断基準】
• あなたの専門知識で語れる内容か?
• ターゲット顧客が興味を持つ内容か?
• 既存の記事と論理的につながるか?
• 検索キーワードに関連性があるか?
【良い関連性の例(税理士の場合)】
確定申告 → 節税対策 → 経理方法 → 法人化検討 → 法人税務
【悪い関連性の例(税理士の場合)】
確定申告 → 今日のランチ → ペットの写真 → 映画レビュー
記事が書き溜まってきたら実施すべき戦略的拡張
60記事程度が蓄積され、検索順位も安定してきたら、以下の戦略で段階的に範囲を広げていきます。
戦略1:周辺キーワードへの拡張
コアカテゴリーの関連キーワードを調査し、需要の高いものから順に記事化していきます。
【キーワード調査ツール】
• Googleキーワードプランナー
• ラッコキーワード
• Ubersuggest
【「確定申告」から拡張する関連キーワード例】
• 青色申告
• 白色申告
• e-Tax
• 確定申告ソフト
• 医療費控除
• 住宅ローン控除
• ふるさと納税 確定申告
• 副業 確定申告
• 年末調整との違い
戦略2:顧客の購買ジャーニーに沿った拡張
顧客が認知から購入まで辿るプロセスに沿って、記事を用意します。
【税理士の場合の購買ジャーニー】
認知段階: • 「個人事業主 税金 仕組み」 • 「確定申告 必要 条件」
興味関心段階: • 「確定申告 自分でできる」 • 「税理士 相談 メリット」
比較検討段階: • 「税理士 選び方 ポイント」 • 「税理士費用 相場」
決定段階: • 「税理士 初回相談 準備」 • 「顧問契約 注意点」
戦略3:季節性を考慮した拡張
業種によっては季節性の高いキーワードがあります。これらを戦略的に活用します。
【税理士の季節別キーワード例】 • 1-3月:確定申告関連 • 4-6月:新年度・開業関連 • 7-9月:中間申告・節税対策 • 10-12月:年末調整・来年準備
【美容師の季節別キーワード例】 • 春:新生活・イメチェン • 夏:紫外線ダメージ・汗対策 • 秋:乾燥対策・ツヤ髪 • 冬:静電気・乾燥対策
今すぐできる具体的改善アクション
ここまで読んで「自分のブログも改善したい」と思った方に、今すぐ実行できる具体的なアクションプランをお示しします。
アクション1:現状分析(今日中に実施)
過去1年間に投稿した記事を以下の3つのカテゴリーに分類してください。
• A:本業に直接関連する記事
例:税理士なら税務、美容師なら技術・ケア関連
• B:本業に間接的に関連する記事
例:税理士なら起業・経営、美容師なら美容業界動向
• C:本業とは無関係な記事
例:日記、趣味、食べ物、ペット、映画レビューなど
【理想的な割合】
• A:80%以上
• B:20%以下
• C:0%(完全に削除推奨)
【現実的な割合(改善必要な場合が多い)】
• A:30-50%
• B:20-30%
• C:20-50%
アクション2:不要記事の処理(今週中に実施)
分類が完了したら、以下の対応を行ってください。
【Cカテゴリー(無関係記事)の処理】
• 即座に削除または非公開化
• 検索流入がある場合はリダイレクト
• SNSでシェアしている場合は、リダイレクトまたは投稿を削除
【Bカテゴリー(間接関連記事)の処理】
• 本業との関連性を強化してリライト
• 関連性が薄すぎる場合は削除
• 良質な記事は残して活用
【Aカテゴリー(直接関連記事)の処理】
• 内容の充実化
• 最新情報への更新
• 内部リンクの最適化
アクション3:コアカテゴリーの決定(今週中に実施)
あなたの事業の中で、以下の条件を満たすカテゴリーを一つ選んでください。
【選定基準】
• 最も得意で専門知識が豊富
• 顧客からの相談が最も多い
• 検索ニーズが継続的にある
• 競合他社と差別化できる
各業種のコアカテゴリー候補
税理士
• 個人事業主の確定申告
• 法人の決算
• 税務
• 相続税対策
• 税務調査対応
美容師
• 髪質改善
• ヘアカラー技術
• ヘアケア方法
• スタイリング技術
歯科医
• 予防歯科
• 虫歯治療
• 歯周病治療
• 審美歯科
行政書士
• 相続手続き
• 建設業許可
• 会社設立
• 在留資格
専門性こそが最強の集客戦略
今日ご紹介したように、仕事と関係のない記事を書き続けることは、あなたのブログの集客効果を根本から破壊してしまいます。
しかし、逆に言えば、専門性に特化したブログ戦略を正しく実行することで、競合他社を大きく引き離し、圧倒的な集客効果を実現することができるということでもあります。
最も重要な教訓は、「専門性こそが差別化戦略」だということです。
今すぐ始めるべき5つのアクション
- 現状分析:過去記事の分類(本業関連/無関係)
- 不要記事削除:無関係記事の即座削除・非公開化
- コアカテゴリー選定:最も得意な分野に絞り込み
- 3ヶ月計画策定:専門記事の投稿スケジュール作成
- 効果測定体制構築:KPI設定と定期チェック体制
この改善により、あなたのブログは確実に変わります。そして、その変化は必ず以下の形で現れるでしょう。
• 検索順位の大幅向上
• 質の高い見込み客の増加
• 問い合わせ・相談の増加
• 専門家としての認知度向上
• 最終的な売上・収益の増加
「でも、専門的な記事を継続して書くのは大変そう…」
そう感じている方もいるかもしれません。しかし、心配は、いりません。あなたは既にその分野のプロフェッショナルなのですから、顧客が知りたい情報をたくさん持っているはずです。
重要なのは、その豊富な知識と経験を「読者の問題解決」という視点で整理し、わかりやすく、継続的に発信することです。
今日から、あなたのブログを「専門家としての信頼性と権威性を高める強力なマーケティングツール」に変えていきましょう。
その第一歩は、「仕事と関係のない記事を書くことをきっぱりとやめる」ことから始まります。
専門性の高いブログは、一度軌道に乗れば、24時間365日、あなたの代わりに働き続ける最強の営業マンになってくれます。その価値は、時間が経つほど大きくなっていくのです。