飲食店のInstagram集客方法|バズる投稿から地域密着戦略まで完全解説

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。

これまでWebマーケティングをサポートしてきた中で、最近特に相談が増えているのが「飲食店のInstagram集客」です。

実際に複数のインスタグラムやYouTubeチャンネルを運営している経験からも言えるのですが、飲食店のInstagram運用は「やり方次第で劇的に変わる」分野です。

理論ばかりの教科書的な話ではなく、実際にやってみて効果があった手法だけをお伝えしていきます。

目次

飲食店Instagram集客の現状と可能性

ここでは、飲食店のインスタグラム集客の現状とこれからの可能性について考えています。

なぜ今、飲食店にInstagramが必要なのか

総務省の「令和5年通信利用動向調査」によると、20代から40代のInstagram利用率は65%を超えています。

特に飲食店選びにおいて、Instagramで「美味しそうな料理の写真を見て来店を決める」消費者が急増しているのが現実です。

ある大阪の居酒屋さんでは、インスタグラム運用開始から3ヶ月で来店客数が1.5倍になった事例もあります。

ただし、これは闇雲に投稿したからではありません。戦略的にアプローチしたからこその結果です。

1. バズるコンテンツ戦略|ネタ・コント系投稿の威力

飲食店だからこそできるエンタメコンテンツ

最近の調査で分かったのは、純粋に「料理だけ」を投稿している飲食店よりも、エンタメ要素を取り入れた投稿をしている店舗の方が圧倒的にエンゲージメントが高いということです。

コント系投稿の効果

  • 「注文の多い客あるある」シリーズ → 平均いいね数3倍〜5倍
  • 「料理人の一日密着」コント風動画 → フォロワー増加率400%向上
  • 「スタッフの食レポ対決」企画 → 来店率アップ

ネタコンテンツの作り方

1. 店舗の「あるある」をコンテンツ化

例:「ラーメン店あるある」
・麺の硬さを聞かれて「普通で」と答える客の心理
・スープを最後まで飲み干すか迷う瞬間
・替え玉を注文するタイミングの駆け引き

2. スタッフの個性を活かしたキャラ設定

  • 無口な職人タイプの料理長
  • 明るいムードメーカーのホール担当
  • 新人スタッフの成長記録

3. 季節やイベントに合わせたネタ

  • バレンタインデー:「チョコレート料理への挑戦」
  • 夏祭り:「かき氷早食い対決」
  • 年末年始:「おせち料理を洋風にアレンジ」

2. スタッフ活用戦略|人の魅力で集客力アップ

なぜスタッフが主役のコンテンツが効果的なのか

SNSは、「顔の見える発信」の効果的です。料理だけでなく、そこで働く人の魅力が伝わることで、お客様との距離がグッと縮まります。

スタッフを活用した投稿戦略

1. 調理中の女性スタッフを撮影する効果

ある洋食店では、女性シェフの調理風景を定期的に投稿したところ、以下の効果が現れました。

  • 女性客の来店率が65%増加
  • 「あの素敵なシェフさんに会いたい」という来店動機が発生
  • 料理への安心感・信頼感が向上

撮影のポイント

  • 横顔や細かい作業にフォーカス
  • 真剣な表情と笑顔のバランス
  • 清潔感のあるユニフォーム着用

2. かわいいスタッフをメインにした投稿

ここで重要なのは「外見だけでなく、その人の人柄や専門性も一緒に伝える」ことです。

効果的な見せ方

  • メニューを説明している姿
  • お客様との自然な会話風景
  • 新メニュー開発に取り組む様子
  • 店舗の掃除や準備をしている姿

スタッフ投稿で注意すべき点

  • 本人の同意を必ず取る
  • プライバシーに配慮した撮影
  • 自然体の姿を心がける
  • 過度な演出は避ける

3. シズル感を出す撮影テクニック

シズル感とは何か

シズル感とは、料理の「美味しさが伝わる瞬間」を表現することです。ただ料理を撮影するのではなく、見た人が「食べたい!」と思わずにはいられないような魅力的な映像・写真を作ることが目標です。

実践的なシズル感を出す撮影テクニック

1. 音を活用したシズル表現

  • ステーキを焼く「ジュー」という音
  • 炭酸が弾ける「シュワシュワ」音
  • 麺をすする「ズルズル」音
  • 衣がサクッと割れる音

2. 湯気や煙を効果的に使う

撮影テクニック:
・熱々の料理は提供直後に撮影
・バックライトで湯気を強調
・扇風機で湯気の動きをコントロール
・スモークマシンで演出効果アップ

3. 食材の瞬間を捉える

  • チーズがとろけて伸びる瞬間
  • ソースがかかる瞬間
  • 断面が現れる瞬間

スマートフォンでできるシズル撮影

照明のコツ

  • 自然光を最大限活用
  • 逆光で透明感を演出
  • アプリのフィルターを活用する

アングルの基本

  • 真上から(俯瞰):全体の美しさを表現
  • 斜め45度:立体感と奥行きを演出
  • 真横から:断面や高さを強調

4. CapCutとCanvaを使った効率的な編集術

なぜこの2つのツールなのか

飲食店の皆さんもよく使っておられるのがこの2つです。理由は「無料で高品質」「操作が簡単」「テンプレートが豊富」だからだと思います。

CapCutを活用した動画編集

1. 基本的な編集の流れ

Step1: 素材の準備
・料理の撮影動画(3-5本)
・BGM選択(著作権フリー音源)
・テキスト用のフォント決定

Step2: 編集作業
・不要部分のカット
・BGM追加とボリューム調整
・字幕・テキスト挿入
・フィルター適用

Step3: 仕上げ
・カラーグレーディング
・最終確認とエクスポート

2. 飲食店向けCapCutテンプレート活用法

CapCutには飲食店向けのテンプレートが豊富にあります。

Canvaでの画像制作

1. Instagram投稿用画像の作成

  • ストーリーズ用テンプレート(1080×1920px)
  • フィード投稿用正方形(1080×1080px)→最近は縦長サイズになっています。
  • リール用縦長(1080×1920px)

2. 効果的なデザインのコツ

  • 店舗のブランドカラーを統一
  • 読みやすいフォント選択
  • 余白を適切に活用
  • Call to Action(来店を促す文言)を明確に

5. 地域密着戦略|長期的な集客の基盤作り

なぜ地域密着が重要なのか

地域密着は、地域に根ざしたコンテンツなんで、継続的なファンを作りやすいです。一時的なバズよりも、長期的な来店につながる土台作りができます。

地域密着Instagram戦略の具体例

1. 地域イベントとの連携

  • 地元祭りでの出店投稿
  • 商店街イベントへの参加報告
  • 季節の地域行事との関連投稿
  • 近隣店舗とのコラボ企画

2. 地域の食材・生産者との連携

成功事例:
大阪の海鮮居酒屋
・大阪湾で獲れた魚の紹介
・漁師さんとの交流投稿
・朝市での仕入れ風景
→ 地域住民からの支持率85%向上

3. ローカルハッシュタグの活用

  • #大阪グルメ
  • #[地域名]ランチ
  • #[駅名]周辺
  • #地元応援

地域コミュニティとの関わり方

1. 地域の課題解決への参加

  • 高齢者向けメニューの開発
  • 子育て世代への配慮
  • 地域清掃活動への参加
  • 地元学校との食育活動

2. 地域住民との交流促進

  • 常連客の紹介投稿(許可を得て)
  • 地域住民の誕生日お祝い企画
  • 地元チームの応援投稿
  • 地域ニュースへのコメント

6. 投稿タイミングと頻度の最適化

データに基づく投稿戦略

Instagram Insightsのデータ分析から導き出した、飲食店の最適投稿タイミングとして、

平日の場合

  • 朝食関連:7:00-8:30
  • ランチ関連:11:30-12:30
  • ディナー関連:17:00-19:00

休日の場合

  • ブランチ関連:9:00-11:00
  • ランチ関連:12:00-14:00
  • ディナー関連:18:00-20:00

継続可能な投稿計画

週間投稿スケジュール例

月曜:新メニュー紹介
火曜:スタッフ紹介・調理風景
水曜:お客様の声・レビュー紹介
木曜:食材・産地紹介
金曜:週末限定メニュー予告
土曜:賑わう店内風景
日曜:来週の予告・スタッフの休日

7. エンゲージメント向上のコミュニケーション術

コメント返信の重要性

私がサポートした店舗で、コメント返信率100%を目指した結果、

  • 来店率が40%向上
  • リピート客が35%増加
  • 口コミ評価が平均4.2から4.7に向上

効果的なコメント返信例

お褒めのコメントへの返信: 「○○様、ありがとうございます😊 スタッフ一同とても嬉しいです!次回も心を込めてお作りいたします。またのご来店をお待ちしております✨」

質問への返信: 「ご質問ありがとうございます!アレルギー対応メニューもご用意しております。詳しくはDMまたはお電話でお気軽にお問い合わせください📞」

ストーリーズを活用したリアルタイム交流

  • 「今日の限定メニュー」アンケート
  • 「どちらが食べたい?」二択クイズ
  • 「質問BOX」での直接的な交流
  • 「舞台裏」の日常風景公開

8. よくある失敗パターンと対策

失敗パターン1:料理写真だけの投稿

問題点

  • 差別化ができない
  • ストーリー性がない
  • 人的魅力が伝わらない

対策

  • 調理過程の動画追加
  • スタッフのコメント挿入
  • お客様の反応も含めた投稿

失敗パターン2:投稿頻度にムラがある

問題点

  • フォロワーの関心が薄れる
  • アルゴリズムで不利になる
  • ブランド認知が定着しない

対策

  • 投稿カレンダーの作成
  • ストック投稿の準備
  • チーム体制での運用

失敗パターン3:一方的な発信のみ

問題点

  • コミュニティ感が生まれない
  • リピーターが増えない
  • 口コミが拡散されない

対策

  • 積極的なコメント返信
  • ユーザー生成コンテンツの活用
  • 双方向コミュニケーションの促進

9. 効果測定と改善方法

重要な指標(KPI)の設定

エンゲージメント指標

  • いいね数の推移
  • コメント数・返信率
  • シェア・保存数
  • ストーリーズ完了率

ビジネス指標

  • 来店客数の変化
  • 新規客・リピート客比率
  • 平均客単価の変動
  • 予約数の増減

データの活用方法

月次レポートの作成

1. 投稿パフォーマンス分析
2. フォロワー属性の変化
3. 来店との相関関係
4. 次月の戦略立案

改善サイクルの構築

  1. データ収集・分析
  2. 仮説立案
  3. 施策実行
  4. 効果検証
  5. 次の改善案検討

飲食店Instagram集客の成功への道筋

Instagram集客は「継続的な改善」が全てだと思います。

今すぐ始められるアクションプラン

第1週:基盤作り

  1. アカウントの最適化(プロフィール、ハイライト)
  2. 投稿計画の策定
  3. 撮影環境の整備

第2-4週:コンテンツ作成

  1. バズコンテンツの企画・投稿
  2. スタッフ紹介シリーズ開始
  3. シズル感撮影の実践

第2ヶ月:地域密着強化

  1. 地域イベントへの参加
  2. 近隣店舗との連携
  3. ローカルハッシュタグ戦略

第3ヶ月以降:最適化と拡大

  1. データ分析に基づく改善
  2. 成功パターンの横展開
  3. 新たな企画の実験

最後に

Instagram集客は「一発逆転」を狙うものではありません。地道な積み重ねの先に、確実な成果があります。

そして何より大切なのは、あなたの店舗の魅力を心から信じて発信することです。その想いは必ずお客様に届きます。

頑張って取り組んでいけば、必ず結果はついてきます。応援しています!

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
目次