LPよくある失敗例:キャッチコピーを考えないケース

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
女性セールス

ランディングページ(LP)を作成する際、デザインやレイアウトには時間をかけるのに、キャッチコピーはなんとなく適当に決めてしまう・・・そんな経験はありませんか?実はこれは、LP制作における最も致命的な失敗の一つなんです。

「商品は良いのに、なぜかコンバージョンが取れない」

というお悩みを抱えている企業の多くが、このキャッチコピーを軽視しています。今回は、なぜキャッチコピーがそれほど重要なのか解説していきます。

目次

キャッチコピーがないと、どうなるのか?

結論から言うと、どれだけ素晴らしい商品・サービスでも、キャッチコピーがないと見てもらえる人は減ってしまいます。

3秒ルールの恐怖

ユーザーがLPを訪問してから離脱を判断するまでの時間、ご存知ですか?わずか3秒です。この「3秒ルール」と呼ばれる現象は、Web業界では常識となっています。

ユーザーはその3秒間で「このサイトには自分の求めている情報があるか?」を瞬時に判断します。そして、その判断材料として最も重視されるのが、ファーストビュー(最初に表示される画面)に配置されたキャッチコピーなのです。

離脱を防ぐ最大の武器の一つがキャッチコピーです。

なぜキャッチコピーを軽視してしまうのか?

多くの企業がキャッチコピーを軽視してしまう理由は、次のようなものがあります。

  • 「商品の良さは説明文で伝えればいい」と考えている
  • キャッチコピーの作り方がわからない
  • 社内で誰も責任を持って考える人がいない
  • デザイン会社任せにしていて、マーケティング視点が欠けている
  • そもそもキャッチコピーの重要性を理解していない

しかし、どれだけ下部の説明文が充実していても、ファーストビューで離脱されてしまえば誰も読んでくれません。つまり、キャッチコピーは「読んでもらうための入口」であり、LPの成否を決める最重要な要素なのです。

キャッチコピーがもたらす具体的な効果

実際のLP運用において、キャッチコピーの変更だけでコンバージョン率や離脱率が劇的に変化した事例は数多く存在します。

良いキャッチコピーの条件

効果的なキャッチコピーには、以下の要素が必要です。

1. 自分ごと化できる表現

「あ、これ自分のことだ」と思わせる表現が重要です。ターゲットを明確にし、その人が抱えている悩みや欲求を的確に言語化することで、ユーザーは「このページは自分のためのものだ」と感じます。

2. 具体的なベネフィットの提示

抽象的な表現ではなく、「何が得られるのか」を具体的に示すことが必要です。「将来を見せる」とも言います。数字や結果を含めることで、説得力が格段に上がります。

3. 適切な文字数

キャッチコピーの理想的な文字数は約13文字〜20文字とされています。長すぎると一瞬で理解できず、短すぎると情報が不足します。視認性と情報量のバランスが重要です。

4. 意外性・新規性

ユーザーが「え?」と思うような意外な切り口や、新しい視点を提示することで、興味を引きつけることができます。

よくあるNG表現パターン

キャッチコピーを考えたはいいものの、効果が出ない…そんな時は、以下のNG表現に陥っていないかチェックしてください。

NG1:自己中心的な表現

❌「当社は創業50年の老舗企業です」
❌「業界No.1のシェアを誇ります」

これらは企業側の功績であって、ユーザーにとってのメリットが見えません。ユーザーが知りたいのは「自分にとって何が良いのか」です。→これらは社会的証明につながるので、LPに必要な要素ではありますが、これだけではキャッチコピーの要素とはなりません。

これらの要素をキャッチコピーに使うなら、下のように変換する必要があります。

✅「50年の実績が支える、確実な成果保証」
✅「業界No.1だからできる、最短3日での納品」

企業の強みを「ユーザーのベネフィット」に変換することが重要です。

NG2:抽象的すぎる表現

❌「最高品質のサービスをお届けします」
❌「お客様に寄り添った対応」
❌「安心・安全・信頼」

これらは具体性に欠け、競合他社との差別化もできません。誰でも言えるような表現は、誰の心にも刺さりません。誰でも言える表現で説得力をもたせるには、そう言える根拠や理由、社会的証明などが必要です。また下のような方法もあります。

✅「返品率0.3%が証明する品質管理体制」
✅「24時間365日、専属担当者が対応」

数字や具体的な仕組みを示すことで、説得力が生まれます。

NG3:難易度が不明確

ユーザーは「自分にもできるのか?」を常に気にしています。

❌「誰でも簡単に始められます」(どのくらい簡単?)

✅「スマホだけで3ステップ、5分で完了」(具体的で分かりやすい)

NG4:他社の模倣・ありきたり

競合他社と同じようなキャッチコピーでは、差別化できません。業界の常識に捉われず、独自の切り口を見つけることが重要です。

競合他社と同じようなキャッチコピーが有効な場合は、他社よりもシェアを取っていたり、他社がやってない市場で先行して自社がプロモーションかけてるときに、同じようなキャッチコピーは有効です。

また短期的なら、同じようなキャッチコピーでも有効です。

NG5:虚偽・誇大表現

「絶対に痩せる」「100%儲かる」などの断定表現は、薬機法や景品表示法違反のリスクがあります。また、ユーザーの信頼を失う原因にもなります。

業界別のキャッチコピー戦略

業界やターゲットによって、効果的なキャッチコピーのアプローチは異なります。ここではそれらを一部ご紹介します。

BtoC商品・サービス

ビジュアルとセットにした訴求や感情に訴えかけるコピーが効果的です。「理想の未来」や「悩みの解決」を具体的にイメージさせることが重要です。

コピー例

  • ダイエット:「3ヶ月で-12kgが目標、リバウンドなし。食事制限不要のメソッド」
  • 美容:「寝る前3分のケアで、翌朝別人。95%が実感した透明感」

※薬機法や景品表示法に注意しましょう。

BtoB商品・サービス

ROI(投資対効果)や業務効率化など、ビジネス上のメリットを明確に示すことが求められます。

コピー例

  • SaaS:「導入企業の89%が3ヶ月以内にコスト50%削減を達成」
  • コンサルティング:「平均CVR 2.3倍。1,000社が選んだLP改善メソッド」

高額商品・専門サービス

信頼性や実績を前面に出し、不安を払拭することが重要です。

コピー例

  • 不動産投資:「入居率98.7%、20年間の実績データを全公開」
  • 法律相談:「相談実績1,000件超。初回相談無料、明確な料金体系」

キャッチコピーを考えるための実践ステップ

では、実際にどうやって効果的なキャッチコピーを作ればいいのか?具体的なステップをご紹介します。

ステップ1:ターゲットを明確にする

「誰に」向けたメッセージなのかを徹底的に絞り込みます。年齢、性別、職業、悩み、欲求…ペルソナを具体的に設定しましょう。

ステップ2:ベネフィットを洗い出す

商品・サービスの「機能(feature)」ではなく、「得られる価値(benefit)」をリストアップします。「この商品を使うと、ユーザーの生活や仕事はどう変わるのか?」を考えます。

ステップ3:数字で具体化する

「早い」→「最短3日」
「多くのお客様」→「導入企業1,200社」
「効果が出る」→「平均CVR 3.2倍」

曖昧な表現を具体的な数字に置き換えることで、説得力が増します。

ステップ4:複数案を作成してテストする

一つのキャッチコピーに固執せず、最低でも5〜10パターンを作成します。その中から、以下の視点で絞り込みます。

  • ターゲットの「自分事化」ができているか
  • ベネフィットが明確か
  • 競合との差別化ができているか
  • 3秒で理解できるか
  • 意外性や新規性があるか

ステップ5:A/Bテストで検証する

最終的には、実際にLPを公開してA/Bテストで検証します。コンバージョン率や離脱率のデータを見ながら、継続的に改善していくことが重要です。

これはキャッチコピーだけでなく、LPのどの部分を改善しても、このABテストの手法は効果的です。

ファーストビューの最適化も忘れずに

キャッチコピーを考えたら、それを最大限活かすためのファーストビュー設計も重要です。

ファーストビューに配置すべき要素

  • メインキャッチコピー:最も目立つ位置に配置
  • サブキャッチコピー:メインを補足する情報
  • ビジュアル:キャッチコピーを視覚的に補強する画像・動画
  • CTA(行動喚起ボタン):「今すぐ申し込む」などの明確な導線

これらの要素が揃って初めて、3秒ルールをクリアし、ユーザーを次のアクションへ導くことができます。

キャッチコピーは投資対効果が高い改善ポイントの一つ

LPの改善というと、デザインのリニューアルや機能追加を考えがちですが、実はキャッチコピーの変更が最も費用対効果(コスパ)が高い改善施策の一つです。

なぜなら、

  • 制作コストがほとんどかからない場合が多い(文章を変えるだけ)
  • 即座に効果測定ができる
  • ファーストビューという最重要エリアに影響する
  • コンバージョン率に直結する

「広告費をかけてアクセスは増えたのに、なぜか成果が出ない」という企業は、まずキャッチコピーを見直してください。そこに大きな改善の余地が隠れているはずです。

3秒で勝負が決まる世界だからこそ、その3秒に全力を注ぐ。それが、成果の出るLP制作の第一歩です。

さあ、今日からあなたのLPのキャッチコピーを見直してみませんか?ユーザーが思わず「これだ!」と感じる一文を作り上げることが、ビジネスの成功への最短ルートです。

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
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