【現実を語る】飲食店のホームページ集客方法が「効果薄い」理由と、本当にやるべき集客戦略

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。

弊社はホームページ制作などを提案しているのですが、飲食店において、ホームページでSEOをねらった集客方法は、あまり良くないおすすめできない戦略です。

「えっ、そんなことないでしょ?」と思ったら、できれば、このページは最後まで目を通してください。私がこれまでやってみて失敗から得た教訓と、本当に効果的な集客方法をお伝えします。

目次

なぜ飲食店のホームページでSEOは厳しいのか?

個人の飲食店のホームページでは、ライバルが強すぎて、SEOで勝つには至難の業だからです。

1. 食べログ・ホットペッパーという巨大なプラットフォーム

飲食店関連のキーワードで検索してみてください。上位はほぼ間違いなく、

  • 食べログ
  • ホットペッパーグルメ
  • ぐるなび

これらのプラットフォームが占めています。

なぜ個人店のホームページが勝てないのか?

  • ドメインオーソリティが圧倒的に高い
  • 毎日数万件の新規コンテンツが投稿される
  • 何百万という被リンクを獲得している
  • 莫大な予算でSEOを実施している

例えば「大阪 ラーメン」で検索すると、1位〜10位まで全て大手プラットフォームもしくは大手のWebサービスです。個人店のホームページが入る余地はありません。

2. 費用対効果(コスパ)の現実的な計算

仮に月商300万円の飲食店がSEO対策をした場合

【SEO費用】
・ホームページ制作:50万円
・月額SEO費用:10万円×12ヶ月 = 120万円
・保守費用:月1万円×12ヶ月 = 12万円
・合計:182万円/年

【現実的な成果】
・上位表示:ほぼ不可能(10位にもなれない)
・新規来店:検索エンジン経由からではほぼ0人
・年間売上増:検索エンジン経由からは、ほとんど増えない

費用対効果:赤字確定

これが飲食店SEOの現実です。検索結果で大手に勝つことは、年間100万円くらいでは難しいからです。

いかにキーワードが激戦となっているか?

私が調査した結果、飲食店の関連キーワードの競合状況は

  • 「地域名 + ランチ」
  • 「地域名 + ディナー」
  • 「地域名 + 料理ジャンル」

ほとんどのキーワードの上位を取っているのは、食べログやホットペッパーです。もしくは大手プラットフォームや大手Webサービスです。

可能性があるキーワード

店名の関連キーワードなら上位表示される可能性はあります。また珍しい料理名と地域名なら上位表示される可能性はあります。下が例です。

  • 「超ニッチな料理名 + 地域名」
  • 「店名 + 予約」

これらだけではホームページにお金をかけて新規の集客を狙う戦略は、コスパが悪いです。

飲食店が本当にやるべき集客戦略

SEOを強化してホームページで集客する戦略よりも、もっと効果的な集客方法が飲食店さんにはあります。それが、下のようなものです。

【戦略1】SNSを使う

Instagram戦略

投稿頻度:1日1〜2回
内容:
・料理の美味しそうな写真
・調理過程の動画
・スタッフの人柄が伝わる投稿
・お客様の笑顔
・限定メニューの告知

ハッシュタグ戦略:
・地域系:#大阪ランチ #梅田グルメ
・料理系:#手作りパスタ #本格イタリアン
・ニッチ系:#隠れ家レストラン #デートスポット

TikTokや、Instagramのリール戦略

コンテンツ案:
・シズル感のある調理動画(15秒)
・「このお店知ってる?」系の紹介動画
・スタッフの個性を活かした動画
・お客様の反応を撮った動画
・「映える」メニューの紹介

実際やってみると、

  • フォロワー:1ヶ月で100人→200人
  • 来店者の30%が「SNS見て来ました」
  • 月商:200万円→280万円(40%アップ)
  • 費用:ほぼゼロ(スタッフの人件費のみ)

ほかにもホームページに年間100万円もしくは、制作費に30万円かけるくらいなら、下のようなアナログ戦略のほうがコスパは良いです。

【戦略2】アナログで集客する

デジタル化が進む今だからこそ、アナログが効く!

効果的なアナログ集客

看板・のぼり旗の戦略的配置

  • A型看板:「本日のおすすめ」を手書きで
  • のぼり旗:「ランチ営業中」「テイクアウトOK」
  • 黒板メニュー:温かみのある手書き感
  • チラシ・ポスティング
  • 地域コミュニティ参加
  • 商店街のイベント参加
  • 地域の祭りでの出店

どの方法が効くか?は、立地や業態や客層によって違いますが、ホームページに30万円以上かけるよりも、ほとんどの場合、効果的です。

※東京都内で人があまり歩いていない地域でフレンチやイタリアンなどのお店の集客の場合は、インスタグラムなどのSNSを活用するほうが上のようなアナログツールを使った集客方法よりも、上手くいく場合があります。

【戦略3】Googleビジネスプロフィール(MEO)の活用

これだけは絶対やるべき基本設定

【基本情報の充実】
・営業時間:正確に、例外日も記載
・電話番号:携帯番号も併記
・住所:番地まで正確に
・カテゴリ:メイン+サブ3つまで設定
・写真:料理・内観・外観・スタッフ写真

【投稿機能の活用】
・頻度:週2〜3回(SNS投稿と同じタイミング)
・内容:新メニュー、イベント、営業情報
・写真:必ず高品質な画像を添付

【口コミ対応】
・全ての口コミに48時間以内に返信
・ネガティブな口コミも丁寧に対応
・口コミ投稿を促すPOPを店内設置

【戦略4】リピーターの強化

新規の客を1人集客するコストは、既存客維持の5倍と言われています。

効果的なリピーター施策

  1. スタンプカード・ポイントシステム
    • デジタル+アナログの両方対応
    • 10回来店で1回無料などの分かりやすい特典
  2. 記念日マーケティング
    • 誕生日特典
    • 結婚記念日サービス
    • 常連さん限定イベント
  3. スタッフによるパーソナル接客
    • お客様の好みを覚えて提案
    • 「いつものでよろしいですか?」の安心感
    • 季節の変わり目に新メニュー提案

毎日来てくれるお客さんを増やすには、一番はやはり接客と店内の清潔感ですね。

飲食店の「業態別」集客戦略

飲食店の業態ごとに変わる集客戦略をご紹介します。

【高級レストラン・特別感を重視するお店】

→ ホームページ必要度:★★★★☆

  • 信頼性・格式が重要
  • 一見さんよりも「特別な日」需要
  • 予約システム連携は必須(プラットフォームのものでもOK)
  • SEO狙いではなく「見つけた人に信頼してもらう」ツールとしてホームページを使います。

【ランチ重視の飲食店】

→ ホームページ必要度:★☆☆☆☆

  • SNS+Googleビジネスプロフィールで十分
  • スピード感のある情報発信が重要
  • ビジュアル重視のInstagram が最強
  • 口コミ掲載できるプラットフォームなどを強化する
  • アナログの販促ツールを効果的に使う(A型看板を使った写真付きメニュー・看板・店内の清掃)

【デリバリー・テイクアウト中心店】

→ ホームページ必要度:★★☆☆☆

  • Uber Eats・出前館などプラットフォーム中心
  • SNSでメニュー紹介
  • 電話注文の仕組み整備

【地域密着・常連客が中心の飲食店】

→ ホームページ必要度:★☆☆☆☆

  • アナログ集客+口コミが最強
  • SNSは「常連さんとのコミュニケーション」ツール
  • 地域イベント参加が効果的

上のケースとは関係なく、あらゆる事情からホームページを作りたくなった場合、どのようなホームページを作ればいいのでしょうか。

それでもホームページが必要になった場合の正しい作り方

ホームページが必要になった場合の正しい作り方をご紹介します。

ホームページの役割を正しく理解する

間違った期待

  • SEOで新規のお客さんがやってくる
  • ホームページだけで集客は完璧
  • 作れば自動的に集客できる

正しい期待

  • ホームページは、SNSで興味を持った人が見るためのツール
  • 信頼性とブランディングのためのツール
  • 営業時間や場所などの確認のためのツール
  • スタッフ募集などの情報発信ツール

最小コストの構成

【必要最小限のページ構成】
1. トップページ(店舗紹介・アクセス)
2. メニュー・料金
3. 店舗情報・アクセス
4. 予約・お問い合わせ
5. スタッフブログ(可能であれば)

【制作予算の目安】
・簡易版:1〜3万円
・しっかり版:5〜10万円
・高級店仕様:30〜100万円

【絶対に避けるべき高額オプション】
・SEO対策パック(効果薄い)
・高機能予約システム(開発しない、食べログなどの簡易ツールを使う)
・複雑なデザイン(費用が高くなる)

飲食店の集客トレンド予測

ここでは、飲食店で効果出る集客方法のトレンドを予測してみます。

1. ショート動画がさらに重要に

  • TikTokやInstagramのリールなどの影響力拡大
  • 「バズる」コンテンツ作りがカギ
  • スタッフの個性を活かした発信

ショート動画といえば、インスタのリールです。インスタグラムを使った集客方法を一から説明した講座を大阪でやっています。マンツーマンで時間も自由です。まずは使い方から知っていきましょう。

2. AI活用の接客・マーケティング

  • チャットボットによる予約対応
  • 顧客データ分析による個別提案
  • 自動化できる部分は自動化(SNS運用など)

これからAI活用の時代が来ます。少しずつAIに慣れてもらうために、弊社では大阪でChatGPTの使い方を一から説明するマンツーマンの講座を開催しています。

3. SDGsや地産地消をアピール

  • 環境に配慮した取り組み発信
  • 地域食材の活用アピール
  • SDGsを意識した店舗運営

4. コミュニティ形成の重要性

  • 地域密着、常連客同士がつながる仕組み
  • イベント・ワークショップ開催
  • 「第三の場所」としての店舗価値

飲食店さんが今すぐやったほうがいいこと

最後に飲食店さんが今すぐ始められたらいいなぁということをまとめてみます。

今すぐ始めたほうがいいこと

  • Googleビジネスプロフィールへの登録と自社で運用
  • Instagram アカウント開設・運用の開始
  • リピーター強化のための施策
  • スタッフの接客力向上
  • アナログ集客ツールの強化

↑↑↑
すでにやっておられたら大丈夫です^^;

ホームページを作成することは、できるだけ経費をおさえて作りましょう。新規を集客するには、看板やA型看板、グーグル・マップ、インスタグラムなどのほうが効果的です。

「ホームページを作らなきゃ」という思い込みを捨てて、本当に効果的な集客にエネルギーを注いでください。お店の集客が良くなることを願っております!

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
目次