
ホームページで集客できない原因は、実は非常にシンプルで、適切な順序で分析・改善すれば解決できます。
しかし、多くの企業が間違った方向に行ってしまって、時間とお金を無駄にしているのも事実です。
この記事では、私が実際に使っている「集客できないホームページの診断手法」と「確実に効果が出る改善策」を、具体的な数値とともに詳しくお伝えします。
なぜホームページで集客できないのか?
多くの場合、下のような原因から解決策を考えます。
❌ 「デザインが古いから集客できない」
❌ 「SEO対策をしていないから上位表示されない」
❌ 「広告を出していないから認知度が低い」
❌ 「コンテンツが少ないからGoogleに評価されない」
これらは、本当の原因ではありません。根本原因は、他のところにあります。
まず最初に、「集客できない」の正体を分析する
根本原因を見極める
集客できないと感じている多くの場合、根本原因を把握してないことがあります。
ここでは、私が最初に行う分析手法をお教えします。
Googleアナリティクスで現状把握
まず、ホームページのアナリティクスを開いて、以下を確認してください。
- 月間セッション数:どれくらいの人が訪問しているか?
- 問い合わせ数:実際にコンバージョンした数は?
- コンバージョン率:セッション数に対する問い合わせの割合は?
これらが分からない場合、月にどれくらい訪問してきているか?と実際、問い合わせしてきた人数はどれくらいか?この2つを調べてみましょう。
具体的な判断基準
私の経験からですが、下が一般的な基準値です。
- 自然検索からのコンバージョン率:0.01%〜0.1%
- リスティング広告:1%〜3%
- SNS流入:0.05%〜0.2%(だいぶ幅があります)
例:月間2,000セッションある場合
- 自然検索経由なら約2件の問い合わせが来ると予想
- 実際の問い合わせが0件なら、明らかにコンバージョンに問題あり
【診断フローチャート】あなたのホームページが集客できない本当の原因を特定する
ホームページの本当の原因を特定するパターンを3つご紹介します。
パターン1:アクセス数がほとんどない場合(月間500セッション以下)
症状の分析
- Google検索で会社名を入れても10位以内に出てこない
- 「地域名 + 業種」で検索しても圏外
- SNSからの流入も月10セッション以下
- リスティング広告も出稿していない
根本原因
そもそも誰にも見つけてもらえてない状態
この段階では、ホームページの中身を改善する前に、まずは認知度向上が最優先です。
具体的な解決策(優先度順)
【最優先】基本的なSEO対策(1週間で実施)
- 基本的なSEO内部対策
- トップのタイトルタグに「地域名 + 主要サービス名 + 会社名」を含める
- メタディスクリプションの最適化
- 見出しタグ(H1、H2)の適切な使用
- 画像のaltタグ設定
- 最低限のコンテンツ整備
- 会社概要・代表者挨拶
- サービス詳細(料金目安含む)
- 実績やお客様の声
- よくある質問(FAQ)
【次の段階】コンテンツSEO(3ヶ月〜6ヶ月で効果出ます)
- 地域密着キーワードでのブログ記事作成
- 「市区町村名 + サービス名 + 〇〇」
- 月4本程度の継続投稿
- 1記事3,000文字以上を目安
【短期的】即効性のある施策
- リスティング広告の少額出稿
- 月予算1〜5万円程度から開始
- 「地域名 + サービス名」の確実なキーワードに絞る
- ランディングページの最適化も同時実施
パターン2:アクセス数はあるが問い合わせがゼロの場合(最も多いパターン)
症状の詳細分析
- 月間1,000セッション以上あるのに問い合わせが0件
- 滞在時間が30秒以下
原因の詳細診断手順
サーチコンソールでキーワード品質をチェック
Google Search Consoleの「検索パフォーマンス」「クエリ」で、どんなキーワードで流入しているかを詳細に分析します。
問題のあるキーワード例
❌ 会社名・代表者名のみ(既に知っている人だけ)
❌ 問い合わせに関連の低いキーワード
例:「〇〇とは」「〇〇 意味」
❌ 地域外からの流入
❌ 競合他社名での検索
❌ 求人関連のキーワード(採用目的でない場合)
理想的なキーワード例
✅ 「地域名 + サービス名」
例:「新宿 税理士」「渋谷 美容室」
✅ 「悩み + 解決策」
例:「確定申告 相談」「薄毛 治療」
✅ 「商品名 + 購入・申込み関連」
例:「〇〇 料金」「〇〇 予約」
✅ 「比較検討系」
例:「〇〇 おすすめ」「〇〇 選び方」
ページ別アクセス解析で導線を確認
アナリティクスの「ページ」や「ランディングページ」で確認する
トップページに80%以上集中している場合: → トップページのコンバージョン設計を最優先で改善
ブログ記事に分散している場合: → 各記事からトップページやサービスページへの導線を確認 → 記事とサービス内容の関連性をチェックする。
滞在時間による問題の分析
平均滞在時間が30秒以下の場合
- ファーストビューで「何の会社か」が伝わっていない
- ページ表示速度が遅い(3秒以上)
- スマホ対応が不十分
- デザインが古くて信頼感がない
平均滞在時間1分以上の場合
- 内容は読まれているがアクションに繋がらない
- 問い合わせフォーム・電話番号が見つけにくい
- キーワードとコンバージョンまでのハードルが高すぎる
- 競合のほうが強い(差別化が必要)
パターン3:問い合わせはあるが質の悪い問い合わせばかりの場合
症状の詳細分析
- 月3〜5件問い合わせはあるが、成約率が5%以下
- 価格だけの問い合わせが多い
- 対応エリア外からの問い合わせが多い
根本原因
ターゲット設定とメッセージのミスマッチ
この場合は、アクセス数やコンバージョン率の問題ではなく、集客するターゲット層と提供するサービスの間に問題があります。
具体的な解決策
【即効性】ホームページでのターゲット明示
- 対応可能な条件を明確に記載
- サービス提供エリア
- 料金の目安(最低価格・平均価格)
- 対応可能な案件規模
- 受付不可能な案件例
- 理想的な顧客像の提示
- 「こんな方におすすめ」セクションの追加
- 具体的な事例の紹介
- ターゲット層に響く言葉選び
【中長期】コンテンツでの教育・スクリーニング
- ブログでターゲット教育
- 適正価格の説明記事
- サービス選定のポイント解説
- よくある誤解の解消
ホームページで集客できない場合の具体的な改善策
ここでは、各部分ごとの改善策を具体的にご紹介します。上の分析結果からどのあたりに問題があるか?分かったら、下の情報を参考に改善していきましょう。
改善策1:トップページの改善策
トップページの改善策をここではご紹介します。
ファーストビュー改善のチェック項目
【3秒ルール】一目でわかるサービス内容
ユーザーは最初の3秒でそのサイトに留まるかを判断します。
何の会社かが瞬時にわかるか
- 会社名だけでなく、業種・専門分野も併記
- 「〇〇専門の△△会社」のような表現も良い
どんな悩みを解決するかが明確か
- 「〇〇でお困りではありませんか?」
- 「△△の問題を解決します」
地域性が必要なビジネスの場合、対応エリアが明確か
- 「新宿・渋谷・池袋エリア対応」
- 「東京都23区内出張可能」
【視覚的インパクト】信頼感の演出要素
代表者・スタッフの顔写真
- 笑顔で親しみやすい表情
- プロフェッショナル感のある服装
- 背景は清潔で明るい環境
具体的な実績数字
- 「創業〇年」「お客様満足度〇%」
- 「年間対応件数〇件」「リピート率〇%」
権威性を示す要素
- 資格・免許の明示
- メディア掲載実績
- 業界団体への加盟状況
コンバージョンへの導線設計
複数の連絡手段の用意
- 電話番号(営業時間明記)
- 問い合わせフォーム
- LINE公式アカウント(気軽な相談用)
緊急性に応じた使い分けの提案
- 「お急ぎの方はお電話を」
- 「詳しい相談はフォームから」
- 「まずは気軽にLINEで」
改善策2:コンバージョン要素の改善
コンバージョン要素とは、おもに問い合わせページです。これらを中心とした改善策をまとめました。
問い合わせハードルを段階的に下げる施策
多くの企業は「お問い合わせ」という1つの選択肢しか用意していませんが、これは大きな機会損失です。ユーザーの心理状態に応じて、複数の接点を用意することが重要です。
【段階別】コンバージョンの考え方
Level 1:情報収集段階
- 資料ダウンロード
- メルマガ登録
- 無料診断・チェックシート
- よくある質問の充実
Level 2:比較検討段階
- 無料相談・カウンセリング
- 見積もり依頼
- サンプル・試用版の提供
- 施設見学・体験予約
Level 3:決定段階
- 無料相談
- 正式な申し込み
- ご予約・ご依頼
このように「問い合わせ」以外にもさまざまなコンバージョンを作ることはできます。さまざま状況のお客様にアプローチするために、さまざまなコンバージョンを用意しておきましょう。
問い合わせフォームの最適化テクニック
【項目数の最適化】
問い合わせフォームの項目数と問い合わせ率には明確な相関があります。
問い合わせ項目が少なければ少ないほど、問い合わせ率も上昇します。
推奨する最小構成
- お名前(必須)
- 連絡先(電話番号またはメールアドレス、必須)
- お問い合わせ内容(必須)
任意項目で詳細情報を収集
- 会社名・団体名
- ご住所
- 希望連絡時間
- 予算感
- その他ご要望
【心理的ハードルを下げる文言】
問い合わせフォーム周辺に以下のような安心感を与える文言を配置します。
「どんな些細なことでもお気軽にご相談ください」
「営業電話は一切いたしません」
「24時間以内にご返信いたします」
「相談は無料です」
「まずは話だけ聞いてみたいという方も歓迎です」
【入力支援機能の実装】
- 郵便番号からの住所自動入力
- 電話番号の自動ハイフン挿入
- リアルタイム入力チェック
- 送信前の確認画面
電話問い合わせを増やすテクニック
【電話番号の見せ方】
- フォントサイズを大きく(最低18px以上)
- 目立つ色を使用(緑・赤・オレンジなど)
- 「今すぐお電話」のようなアクションワードを併記
- スマホでは電話番号をタップ可能にリンク化
改善策3:お客様の声の活用
多くの企業が「お客様の声」ページを作っていらっしゃいますが、これだけではもったいないです。より効果的な活用方法をご紹介します。
配置場所を考える
【トップページ】
- 最も印象的で代表的な声を3〜5件
- 写真付きで信憑性を高める
- 年齢・職業・居住地域も記載
【各サービスページ】
- そのサービス特有の成果や満足点
- Before/Afterが分かる具体的な内容
- 数値的な改善結果があれば必ず記載
【ブログ記事内】
- 関連するテーマの記事に自然に挿入
- 「実際にお客様からこんな声をいただきました」
改善策4:料金表示の心理学的な改善方法
料金について、多くの企業が「安く見せたい」「高く見られたくない」という理由があって、掲載しないことも多いです。
ここでは、心理学的に考えた、料金表示方法をお伝えします。
競合比較に基づく料金戦略
【競合より安い場合の戦略】
トップページの目立つ位置に料金を表示し、価格訴求を全面に掲載します。
「業界最安値に挑戦!月額〇〇円から」
「他社より高い場合は差額を返金」
料金比較表を設置
「なぜこの価格が可能なのか」の理由説明
【競合より高い場合の戦略】
価値を十分伝えてから料金を案内します。
✅ サービスの詳細・品質・実績を先に説明
✅ 「投資対効果」の観点から料金を説明
✅ 「安かろう悪かろう」のリスクを説明
✅ アフターサポートなど付加価値を強調
【料金が複雑な場合の対応】
具体的なケースを提示して理解しやすく説明します。
【料金例1】
一般的な中小企業(従業員20名程度)の場合
月額基本料金:50,000円
オプション料金:10,000円程度
合計:60,000円程度
【料金例2】
個人事業主・フリーランスの場合
月額基本料金:15,000円
オプション料金:5,000円程度
合計:20,000円程度
アクセス数を増やすSEOの手法 | ロングテールSEO戦略
ここでは、ホームページへの訪問者数を増やすためのSEO手法をご紹介します。
大手企業が狙わない「ロングテールキーワード」を戦略的に攻略することで、確実にアクセス数を増やすことができます。
小さな企業でもできる効果的なキーワード戦略
【地域密着型ビジネス】(美容室、整骨院、税理士等)
主要キーワード:
- 「市区町村名 + サービス名」
- 「駅名 + サービス名」
- 「地域名 + サービス名 + おすすめ」
- 「地域名 + 悩み + 解決」
記事例:
- 「新宿で薄毛治療するなら?クリニック選びの5つのポイント」
- 「渋谷駅近くの美容室おすすめ10選【2025年最新】」
- 「港区の税理士に依頼する前に知っておきたい3つのこと」
【BtoBサービス】(システム開発、コンサルティング等)
主要キーワード:
- 「業界名 + 課題 + 解決策」
- 「ツール名 + 使い方 + 比較」
- 「職種名 + 悩み + 改善方法」
記事例:
- 「製造業のDX推進で失敗しない5つのポイント」
- 「Salesforce vs HubSpot徹底比較【2025年版】」
- 「人事担当者が知っておくべき労務管理システムの選び方」
【専門サービス】(法律事務所、会計事務所等)
主要キーワード:
- 「法的問題 + 解決方法」
- 「手続き名 + やり方 + 費用」
- 「トラブル + 対処法」
記事例:
- 「離婚調停で有利になる準備と必要書類一覧」
- 「会社設立の手順と費用を税理士が詳しく解説」
- 「労働問題でお困りの方へ:弁護士が教える正しい対処法」
よくある間違いとその対策
ここでは、ホームページ改善のよくある間違いとその対策をまとめてみます。
間違い1:デザインリニューアルで解決しようとする
よくある勘違い
「ホームページが古臭いから集客できない」
「デザインが悪いから信頼してもらえない」
実際の優先度
- コンテンツの充実
- 使いやすさの改善
- 見た目のデザイン
具体的な対策
- デザイン変更前にGoogleアナリティクスで現状分析
- 滞在時間・直帰率の数値から問題を特定
- コンテンツ改善を優先し、デザインはのちほど調整
【成功事例】
不動産会社F社は、見た目は古いままでもコンテンツを充実させることで、3ヶ月で問い合わせが2倍に増加。デザインリニューアルは数年後に予定している。
間違い2:更新を軽視する
よくある勘違い
「一度作れば放置で大丈夫」
「忙しくて更新する時間がない」
具体的な対策
【月1回・2時間で完了する更新スケジュール】
1週目:お客様の声追加(30分)
2週目:よくある質問追加(30分)
3週目:ブログ記事投稿(60分)
4週目:サービス実績更新(30分)
間違い3:アクセス解析を感覚的に行う
よくある間違い
- 「なんとなくアクセスが少ない気がする」
- 「前月と比べて増えた・減った」程度の分析
- 問い合わせ数だけを見て一喜一憂
比較すべき指標
- 前年同月比(季節要因を除外)
- 流入元の分析
- ページごとの滞在時間
- 流入元のキーワード
ホームページは「育てるもの」
企業が「ホームページは作って終わり」と考えていることがあります。
実際には、ホームページは植物のように継続的に手をかけて育てるものです。
- 毎月新しいコンテンツを追加する
- お客様の声を継続的に収集する
- アクセス解析で問題点を見つけて改善する
- 時代に合わせてサービス内容をアップデートする
これらを続けることで、最初は良いサイトになっていなかったものが、どんどん良いサイトになっていって、アクセス数が増え、コンバージョンが増えていくようになります。
失敗パターンから学ぶ教訓
私がこれまで見てきた失敗企業の共通パターンの代表例は下のとおりです。
【失敗パターン1】一度に全部変えようとする → 全部変えてしまうと、リスクが高くなるし、費用や時間もかかる。
【失敗パターン2】感覚的に改善する → 分析をせずにムダな改善内容をおこなうことで、時間と予算を浪費してしまう。
【失敗パターン3】短期的な結果を求めすぎる → 良いサイトにするには時間がかかる、長期的な視点も大事。
今すぐ始めるべき最初の一歩
この記事を読み終えたら、今すぐ行うべきことは下の3つです。
- スマホで自社ホームページをチェック
- Googleアナリティクスで月のアクセス数を確認
- 月間の問い合わせ数を数える
これらを確認するだけでも、あなたのホームページの問題点が見えてくるはずです。
継続こそが成功へのポイント
ホームページでの集客は、一朝一夕に成果が出るものではありません。しかし、正しい方向性で継続的に改善を続けることで、必ず結果は出ます。
私がサポートしてきた企業の中で、最も成功している企業は「毎月少しずつでも改善を続けている企業」です。完璧を求める必要はありません。今できることから一歩ずつ始めていきましょう。