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見積もりの返事がない原因、催促の文面を変えても結果は変わりません

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。

見積もりを出したのに、返事が来ない。待っているうちに2週間が過ぎて、こちらから連絡するべきか迷う。小さい会社でよくある場面です。

調べると、催促メールの例文がたくさん出てきます。「その後のご検討状況はいかがでしょうか」「ご不明な点はございませんか」。失礼にならない書き方、送るタイミング、電話に切り替える目安。

文面は役に立ちます。ただ、文面を変えても返事の中身は変わりません。

返事が来ない理由は、送ったメールの書き方ではなく、見積もりを出す前の段階で決まっています。この記事は、その原因を3つに切り分ける話です。

目次

返事がないのは、たいてい答えが出ている状態です

先に厳しいことを書きます。

見積もりを出して2週間たっても何も来ない場合、相手の中では答えが出ていることが多いです。断る連絡をするのが気まずくて、止まっているだけという状態です。

「検討中かもしれない」と思って待つ時間が、一番もったいない。

もちろん例外はあります。社内の決裁が止まっている、担当者が別件で手が回らない、単純に忘れている。この3つは実際にあります。だから1回は確認します。

ただ確認して返事が来なかったら、そこで判断してください。2回目、3回目と送るのは、相手にとっても負担になります。

やるべきなのは、同じ相手を追い続けることではなく、なぜ選ばれなかったのかを知ることです。それが分かれば次の見積もりが変わります。

原因は3つに分かれます

選ばれなかった理由は、だいたい次の3つのどれかです。

価格で負けている

一番多いのがこれです。相見積もりを取られていて、他社のほうが安かった。

分かりやすい原因ですが、ここで値下げに走ると状況が悪くなります。安くして取った仕事は利益が薄く、次も同じ価格を期待されます。そして相手が同じことをすると終わりません。値下げでブランドと優良客を失う構造は高級店なのに安売りで売上を稼ごうとするに書きました。

価格で負けているときに確かめたいのは、金額そのものではなく中身の比べ方です。他社の金額に含まれていないものが自社に入っているなら、それは高いのではなく内容が違います。その場合は内訳を見積もりに書き足すほうが先です。

他社の差別優位性で負けている

自社が一番安かったのに返事が来ない。このときは価格の話ではありません。

他社が、お客さんの求めているものに合った強みを持っているということです。対応の速さ、実績の近さ、担当者との相性、保証の内容。何かが刺さっています。

ここで注意が1つあります。強みを足せば勝てる、という話ではありません。その強みが相手の状況に関係なければ、見積もりには効きません。たとえば「全国どこでも対応します」と書いたとして、相手が市内でしか頼む気がないなら、判断には入りません。

人の判断には慣れや思い込みも働くので、必ず安いほうに行くわけではありません。それでも一番強く効くのは値段です。安いのに負けたということは、相手が値段以外の何かを明確に優先したということになります。そこを特定する価値があります。

商談の質が低かった

3つめは、見積もりを出す前の段階に原因があるケースです。

話した相手が決める人ではなかった。相手の困り方が浅くて、今やる必要がなかった。相見積もりの数を揃えるために声をかけられただけだった。

この場合、見積もりの金額も中身も関係ありません。そもそも決まらない商談に見積もりを出していた、ということになります。

見分け方があります。商談の場で次の3つが出ていたかどうかです。

いつまでに決めたいという期限。相手から期限の話が出ていない商談は、決まらないことが多いです。急いでいないか、そもそも本気で検討していないかのどちらかになります。

予算の話。金額の目安がまったく出ていない場合、見積もりを出した瞬間に「思っていたより高い」となって止まります。

決める人が誰かという話。担当者が「上に相談します」と言ったまま、その上の人の名前も立場も出てこない場合、話は進みにくくなります。

この3つが揃っていない状態で見積もりを作ると、返事が来ないまま終わる確率が上がります。原因は見積もりではなく、その前の会話です。

聞くことを変えると、答えが取れます

催促の文面で悩む人は多いのですが、聞く内容を変えるほうが効きます。

「ご検討状況はいかがでしょうか」と聞くと、「検討中です」と返ってきて終わります。これでは何も分かりません。

代わりに聞くのは、どこに決めたかです。

「今後の参考にしたいので、どちらに決められたか教えていただけますか」という形にします。断られた理由を聞くのではなく、決めた先を聞く。理由は本人も言葉にできないことが多いのですが、決めた先は答えてくれます。

決めた先が分かれば、その会社のサイトを見られます。金額が近いなら価格以外で負けています。明らかに安いなら価格で負けています。これだけで原因が1つに絞れます。

聞くときのコツが2つあります。断られた直後ではなく、少し時間を置いてから聞くこと。そして「なぜうちを選ばなかったか」とは聞かないこと。責められていると感じると、答えが返ってきません。

送る文面はこれで足ります。

「先日お見積りをお送りした件、その後いかがでしたでしょうか。すでに他社さんでお進めでしたら、それで構いません。今後の参考にさせていただきたいので、どちらに決められたかだけ教えていただけると助かります」

短くしてあるのは、相手が返信しやすくするためです。長い文面を送ると、丁寧に返さなければと思わせて、かえって返信が止まります。そして「それで構いません」と先に書いておくと、断る側の気まずさが消えます。

この一通で返事が来なければ、そこで閉じてください。

返事が来ない状態は、出す前に減らせます

出したあとに打てる手は、ここまで書いたとおり限られます。だから出す前に手を打ちます。4つあります。

次の連絡日をその場で決める

一番効きます。見積もりを渡すとき、「来週の水曜にこちらからご連絡します」と決めてしまう。

これだけで、連絡するかどうか迷う時間がなくなります。相手も「その日までに決めればいい」という目安ができるので、放置されにくくなります。

見積もりに有効期限を入れる

「この金額は〇月〇日までとさせていただきます」と書いておきます。

値上げのための仕掛けではなく、連絡する理由を作るためです。期限が近づいたら「期限が近いのでご連絡しました」と言えます。催促にならずに確認できます。

出す相手を選ぶ

決まらない商談に見積もりを作るのは、時間の損です。

見積もりを出す前に、3つ確認してください。決める人と話しているか。いつまでに決めたいという話が出ているか。予算の目安が合っているか。この3つが揃っていない相手には、簡易な概算を出すだけにして、詳しい見積もりは作らない。これで作業量がかなり減ります。

金額だけの紙にしない

見積書が金額の一覧だけになっていると、他社の紙と並べて比べられます。並べて比べられたら、安いほうが選ばれます。

内訳を書く。含まれているものと含まれていないものを分けて書く。それで何が変わるのかを一言添える。この3つを入れると、金額だけの比較になりにくくなります。

書き方の考え方は大阪の営業力アップセミナー講座で扱っています。

価格で負けていた場合の打ち手

3つの原因のうち、価格で負けていた場合だけ補足します。ここで判断を誤る人が多いので。

やってはいけないのは、次から見積もりを下げることです。一度下げた価格は上げにくく、利益だけが減ります。

やることは2つです。

1つは、見積もりの出し方を変えることです。金額の内訳と、含まれるものを明確にする。同じ100万円でも、何に使われているかが見えると比較の仕方が変わります。

もう1つは、相手を変えることです。価格で決める相手ばかりに見積もりを出している場合、出す先を変えないと同じことが続きます。そもそもサイトに金額をどう載せるかという話にもつながるので、ホームページに料金を載せるべきかも合わせて読んでください。相場より高いなら、見積もりを出す前の段階で予算が合う相手だけを残す形にできます。

返事が来なかった案件を数えておく

ここまでは1件ごとの話でした。最後に全体を見る方法を書きます。

1件返事が来なかっただけなら、その案件の事情です。何件も続いているなら、やり方のどこかに原因があります。この区別をつけるには数える必要があります。

数えるのは3つです。見積もりを出した件数。返事が来た件数。決まった件数。

月ごとにこの3つを並べると、どこで止まっているかが見えます。

見積もりを出した件数に対して返事が来る割合が低いなら、出す相手の選び方か、見積書そのものに原因があります。返事は来るけれど決まらないなら、金額か中身で負けています。どちらも直す場所が違います。

紙でもメモでも構いません。3つの数字を月ごとに書くだけで、感覚で判断していた状態から抜けられます。数えていないと「最近決まらない」という印象しか残らず、何を直せばいいか決められません。

よくある質問

見積もりの返事について実際に聞かれることをまとめます。

Q: 催促は何日後に送るのが適切ですか?

A: 相手が言った期限の翌日です。期限を聞いていない場合は1週間後を目安にしてください。そのうえで、次からは渡すときに連絡日を決めるようにすると、この悩みがなくなります。何日後が正解かという問題ではなく、決めていないことが問題です。

Q: 2回送っても返事がありません。3回目を送るべきですか?

A: 送らなくていいです。代わりに「今回はご縁がなかったものとして、こちらの案件はいったん閉じさせていただきます。またの機会がありましたらご連絡ください」と1通送ってください。これで終われます。閉じる連絡を送ると、まれにそこで返事が来ることもあります。

Q: どこに決めたかを聞くのは、しつこいと思われませんか?

A: 聞き方で変わります。断られた直後ではなく少し時間を置いて、「今後の参考にしたいので」と前置きしてください。相手を責める形にしなければ、たいてい答えてもらえます。答えが返ってこなくても、そこで区切りになります。

Q: 相見積もりの当て馬だったと分かりました。次からどう避けますか?

A: 見積もりを出す前に「他にも何社か検討されていますか」と聞いてください。嫌な質問ではありません。相手は普通に答えます。社数が多く、こちらが後から声をかけられた場合は、詳しい見積もりを作らず概算で出す判断ができます。

Q: 返事がないまま半年後に連絡が来ることもあります。待つべきでしょうか?

A: 待つ必要はありません。閉じる連絡を送ったうえで、相手のリストには残しておいてください。半年後に動く案件は、こちらが追わなくても動きます。追いかける時間を新しい見込み客に使うほうが、結果が出ます。

Q: 見積もりを出す件数自体が少ないのですが、選べる立場にありません。

A: その場合は選ばずに出して構いません。ただ、詳しい見積もりを作る時間は分けてください。決まりそうな相手には時間をかけ、そうでない相手には概算を出す。全部に同じ時間をかけていると、件数を増やせなくなります。件数が足りない状態は、見積もりの問題ではなく集客の問題です。

まとめ

見積もりの返事が来ないとき、多くの人が催促の文面を考えます。この記事はそこに答えを置いていません。

返事が来るかどうかは、出す前の段階でほぼ決まっています。だから手を打つ場所は2つです。

1つは、出したあとに原因を取ること。聞くのは「ご検討状況」ではなく「どちらに決められたか」です。決めた先が分かれば、価格で負けたのか、価格以外で負けたのか、そもそも決まらない商談だったのかが分かります。

もう1つは、次の見積もりから変えることです。渡すときに連絡日を決める。有効期限を入れる。出す相手を3つの条件で選ぶ。金額だけの紙にしない。どれも今日からできます。

最後に線を引いておきます。この記事は「催促の文面は結果を変えない」と書きましたが、「連絡しなくていい」とは書いていません。1回は確認してください。忘れられているだけ、という例外は実際にあります。やめるべきなのは、2回目以降を送り続けて答えが出ないまま待つことです。

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
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