
飲食店の経営において、集客は生命線とも言える重要な要素です。
しかし、多くの経営者が「良かれと思って」実践している集客方法の中には、実は費用対効果(コスパ)が悪く、時間とお金の無駄になってしまうものが数多く存在します。
とくに新規オープンの店舗では、何の特徴も打ち出せていない状態で闇雲に集客活動を行っても、期待した効果を得ることは困難です。
今回は、飲食店が避けるべき集客方法と、その代わりに実践すべき効果的な手法について詳しく解説いたします。
やってはいけない集客方法5選
ここでは飲食店が、やってはいけない集客方法の5選をご紹介します。
1. 特徴のない状態でのリスティング広告
店舗の特徴や差別化ポイントが明確でない状態でリスティング広告を出稿しても、競合他社との違いが伝わらず、クリック率や来店率が著しく低くなります。
結果として広告費だけが嵩み、費用対効果が悪化します。
Google AdWordsやYahoo!プロモーション広告などのリスティング広告は、確かに即効性のある集客手法です。
しかし、自店の独自性や魅力を明確に打ち出せていない段階での出稿は避けるべきです。
ユーザーは数多くの選択肢があるので、明確な理由がなければ、あなたの店を選びません。
2. 差別化できていないSNS広告
インスタグラム広告やフェイスブック広告も、リスティング広告同様、店舗の特色が不明確な状態では効果を発揮しません。
特に飲食店の場合、似たような料理写真や店内画像では、ユーザーの印象に残りにくく、広告費の無駄遣いに終わります。
SNS広告は視覚的なインパクトが重要ですが、単に料理の写真を載せただけでは他店との差別化は困難です。
まずは自店の強みや特徴を明確にしてから広告展開を検討しましょう。
3. ターゲットが不明確なチラシ配布
現代において、折込みチラシの開封率・配布率は著しく低下しています。
とくにターゲットが無差別な配布では、ターゲット層に届く確率が低く、印刷費や配布費用に見合う効果を得ることは困難です。
チラシの手配りは、一見手軽な集客方法に思えます。しかし、実際にはターゲットが不明確では費用対効果が悪い手法です。
女性専用サロンでは女性に手配りすることはもちろんのこと、来て欲しい年代の価値観のぴったりハマる女性へ配るように心がけましょう。
4. 店前での無計画な声かけ・呼び込み
スタッフの時給に見合う効果が得られないケースが多く、さらに通行人に不快感を与えてしまうリスクもあります。
ブランドイメージの毀損につながる可能性も考慮すべきです。
店頭での声かけは、一部の業態では効果を発揮する場合もあります。
しかし、多くの飲食店では時間とコストの無駄に終わることが多いのが現実です。特に戦略なく行う呼び込みは逆効果になる場合もあります。
5. 戦略のないブログ毎日更新
飲食店の場合、検索エンジン経由での集客は極めて困難です。
日記のような内容の毎日更新は、SEO効果も低く、時間の投資に見合うリターンを得ることができません。
「毎日ブログを書けば集客できる」という思い込みは、SNS全盛の時代には危険です。
飲食店の場合、検索需要の多くは「地域名+料理ジャンル」であり、個人の日記的な内容では検索上位に表示されることは困難です。
効果的な代替案として実際にやるべき集客方法
ここでは、効果的な代替案として実際にやったほうがいい集客方法をご紹介します。
1.店舗外観とメニュー展示の最適化
飲食店の集客において、店舗の外観と入りやすさは極めて重要です。通行人が「入ってみたい」と思える工夫を施しましょう。
具体的な改善ポイント
- 店舗外観の改善:清潔感のある外観、分かりやすい看板設置
- メニュー展示:(必要なら)写真付きメニューの店頭設置、(必要なら)価格の明記
- 入店しやすい雰囲気作り:照明の工夫、入口周辺の整理整頓
2.Googleビジネスプロフィールの活用
グーグルマップへの登録(グーグルビジネスプロフィール)は、飲食店にとって最も重要な集客施策の一つです。
地域検索での上位表示により、近隣の潜在顧客にアプローチできます。
グーグルビジネスプロフィールでは以下を徹底しましょう:
- 正確な営業時間と定休日の設定
- 魅力的な店舗写真の投稿
- メニュー写真の充実
- 顧客レビューへの丁寧な返信
- 最新情報の定期的な更新
グーグルマップへの登録方法について、分かりやすく解説したビデオ講座があります。
↓
グーグルマップ(グーグルビジネスプロフィール)登録の分かりやすいビデオ講座
3.SNSの正しい活用法
インスタグラム、フェイスブックなどを活用し、料理の魅力を視覚的に伝える投稿を心がけましょう。
特に「シズル感」のある料理写真や、スタッフの人柄が伝わるコンテンツが効果的です。
SNSを効果的に活用するためには、以下のポイントを意識しましょう:
- ランチメニューの日替わり紹介
- 調理過程の動画投稿
- 店長やスタッフの人柄を伝える投稿
- 季節感のあるメニューの紹介
- お客様の笑顔や反応の共有(許可を得て)
飲食店集客の本質的な考え方
飲食店の最大の顧客層は、店舗周辺の通行人やビジネスマンです。これは他の業態と大きく異なる特徴であり、この点を理解した集客戦略を立てることが成功の鍵となります。
効果的な集客を実現するためには、以下の順序で取り組むことを推奨します:
- 自店の特徴・強みの明確化
- ターゲット顧客の具体化
- 店舗外観・メニュー展示の最適化
- Googleビジネスプロフィールの充実
- SNSでの継続的な情報発信
まとめ
飲食店の集客において重要なのは、「何をやるか」よりも「何をやらないか」を明確にすることです。限られた時間と予算の中で最大の効果を上げるためには、効果の低い施策を避け、確実に成果の出る手法に集中することが不可欠です。
特に新規オープンの店舗では、まず店舗の基本的な魅力(外観、メニュー、接客)を最大化し、その上でデジタル施策を展開することが成功への近道となります。
本記事で紹介した内容を参考に、自店に最適な集客戦略を構築し、持続可能な経営基盤を築いていただければと思います。飲食店経営の成功を心より願っております。