
飲食店を経営していると、
「お客さんが思うように来店してくれない」
「何をやっても集客効果が実感できない」
と悩むことはありませんか。
実は、多くの飲食店が集客で失敗する理由は、新規客とリピート客を同じように扱ってしまうからです。
地域密着型で長期的にお店を経営するなら、まずはリピート客対策から始めるのが鉄則。しかし、新規客への対策も売上拡大には欠かせません。
この記事では、本当に効果のある集客アイデアだけを厳選してお伝えします。
飲食店集客の基本戦略:新規客とリピート客を分けて考える理由
ここでは、新規客とリピート客を分けて考える理由を深く考えてみます。
なぜ新規客とリピート客を分けるべきなのか?
多くの飲食店オーナーが犯している最大の間違いは、新規客もリピート客も同じ方法で集客しようとすることです。
- 新規客:まだお店を知らない、信頼関係がゼロの状態
- リピート客:すでにお店を知っており、ある程度の信頼関係がある状態
この2つの客層は全く違うニーズと心理状況にあります。地域密着型でお店を長期的に経営するなら、安定した売上基盤を作るリピート客対策が最優先です。
地域密着型は、リピート対策がより有効な理由
地域密着型の飲食店では、下の理由でリピート客対策が特に重要になります。
- 商圏が限定される:近隣住民や近隣会社員がメインターゲット
- 口コミ効果が高い:地域内での評判が直接売上に影響
- 継続性がある:一度ファンになってもらえれば長期的な来店が期待できる
- コストパフォーマンスが良い:新規獲得より数倍低コスト
リピート客獲得の具体的アイデア
ここでは、リピート客(常連客などを含む)を獲得するための具体的なアイデアをご紹介します。
1. LINE公式アカウントの活用術
なぜLINEが良いのか?
- 開封率が他のツールより圧倒的に高い
- プッシュ通知で確実にお客様の目に触れる
- 双方向コミュニケーションが可能
実践方法
- 店内にQRコードを設置
- お友だち登録してくれたら、一杯サービスなどの割引
- 割引キャンペーンの定期配信
- 誕生日特典の自動配信
- 限定メニューの先行案内
- 雨の日限定クーポンなどタイムリーな配信
2. 王将式会員制度の導入
餃子の王将のような段階的特典システムを参考にした会員制度は、リピート促進に効果があります。
具体的な仕組み
- 来店回数に応じた特典のランクアップ
- 月間利用金額に応じたボーナスポイント
- 会員限定メニューの提供
- 誕生月の特別優待
3. サブスクプランの導入
サブスクは安定した月次売上を確保できる上、お客様の来店頻度も自然に上がります。
成功例
- 月額3,000円でランチ月10回まで500円引き
- 月額5,000円でドリンク飲み放題
- 月額8,000円で特定メニューセット回数券
4. デジタルのスタンプカード
紙のスタンプカードより紛失リスクが少なく、データ分析も可能。LINE公式アカウントのスタンプカード機能や、アプリなどを活用すれば、より効果的です。
店内・メニュー改善による集客力アップ
ここでは、店内やメニュー改善による集客力アップ方法をご紹介します。
目玉メニュー・推しメニューの戦略的配置
効果的な目玉メニューの作り方
インスタ映えする見た目
- 高さのある盛り付け
- カラフルな食材の使用
- ユニークな器やプレゼンテーション
話題性のある料理名
- 「小悪魔風○○」
- 「白雪姫の××」
- 「こぼれる△△」
- 「溢れる□□」
- 「溺れ◇◇」
これらのネーミングはSNSでの拡散も狙った戦略です。お客様が思わず写真を撮ってSNSに投稿したくなる仕掛けを作ることで、無料の宣伝効果が得られます。
メニュー写真の重要性
代表的なメニューに写真を付ける理由
- 注文時の迷いを減らす(注文スピード向上)
- 期待値と実際の商品のギャップを減らす(満足度向上)
- 視覚的な訴求力でより高単価商品を選んでもらいやすくなる
松竹梅戦略の効果的な使い方
メニューに価格帯の異なる3つの選択肢を用意することで、中間価格の商品(竹)が最も選ばれやすくなる心理効果を活用します。
注意点
あまりに高単価の商品ばかりだと選択時にストレスを与えてしまうため、注文数が減ってしまうことがあります。お店によっては、100円ショップやサイゼリヤのように価格を気にせず色々注文できる構成も一つの戦略です。
店舗運営の基本要素
ここでは、店舗運営の基本要素をまとめてみます。
接客・オペレーションの基本
下は飲食店として最低限クリアしたほうがいい基本要素となります。
- スタッフの愛想の良さ:笑顔での接客、適度な距離感
- 提供スピード:注文から15分以内の料理提供
- 清潔感:トイレ、店内、食器の清潔さ
- 居心地の良さ:適度な音量、快適な温度設定
これらができていないと、どんな集客施策を打ってもリピートに繋がりません。
店前の看板・メニュー表示の重要性
店前での集客は、Webマーケティングより低コストで高効果を期待できる施策です。
重要な要素
- 写真付きメニューの屋外設置(高価格帯店舗以外)
- どんな飲食店かわかる看板
- 必要ならインバウンド対応:英語・中国語・韓国語メニュー
- 必要なら価格帯の明示:お客様の入店ハードルを下げる
スタッフによるおすすめメニューの口頭案内
接客時のひと工夫
- 「本日のおすすめは○○です」
- 「店長イチオシの××はいかがですか?」
- 「初めてのお客様には△△が人気です」
このようなスタッフからの直接的な提案は、客単価向上とお客様満足度の両方に効果的です。
新規客獲得のWebマーケティング戦略
ここでは、新規客を獲得するためのWebマーケティング戦略をまとめてみます。
Instagram運営の基本戦略
新規客獲得において、Instagramは飲食店にとって最も重要なプラットフォームです。
必須の運営方法
- フィード投稿でキャンペーン告知
- 投稿を作成後、必ずトップに固定
- 毎月内容を更新
- 試食キャンペーン、モニターキャンペーン、来店イベントなど
- ストーリーズでの定期告知
- フォロワーがある程度増えてから実施
- キャンペーン情報の拡散
- 限定情報の配信
フォロワー獲得のためのリール戦略
効果的なリール投稿パターン
- 店主・スタッフのトーク系
- 料理への想い
- おすすめメニューの紹介
- お客様への感謝メッセージ
- 調理動画系
- カット割りを活用したスピーディな編集
- シズル感(美味しそうな音や見た目)を重視
- 完成までのプロセスを短時間で表現
- 料理のビジュアル系
- 湯気の立つ熱々料理
- とろけるチーズ
- ジューシーな断面
どのパターンを選ぶかは、お店の強みと運営者のスキルによって決めましょう。
その他のSNSプラットフォーム活用法
Twitter(X)の活用
- リアルタイム情報の発信
- 限定情報の告知
- お客様とのコミュニケーション
Facebook活用
- 年齢層高めのターゲットに効果的
- イベント機能での集客
- 詳細な店舗情報の発信
YouTubeについて
1店舗での運営は時間とコストがかかりすぎるため、最初はInstagramとX、Facebookに注力することをおすすめします。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の重要性
必須の対応
- アカウント登録・認証
- 正確な店舗情報の入力
- 定期的な投稿
- お客様レビューへの返信
Googleビジネスプロフィールは無料で始められる最も効果的な集客ツールの一つです。
ホームページは本当に必要?
結論:飲食店にホームページは不要です。
理由
- SEOのライバルである食べログなどに勝つには、莫大な時間と費用が必要
- その予算があるなら看板やSNSに投資した方が、個人店は効果的
- 限られた資本を分散させるより集中投資の方が成果が出やすい
代わりに注力すべきもの
- Instagram・SNSの充実
- 店前看板への投資
- Googleビジネスプロフィールの最適化
失敗しない集客戦略の進め方
ステップ1:店舗コンセプトの明確化
まずは下を言語化しましょう。
- どんなお客様に来てほしいか
- 他店との差別化ポイントは何か
- 店舗の強みは何か(立地、料理、接客、価格など)
ステップ2:現状分析
数値化して把握すべき項目
- 新規客とリピート客の比率
- 曜日・時間帯別の来客数
- 人気メニューと不人気メニュー
- 平均客単価と客席回転率
ステップ3:施策の優先順位付け
実施順序の例
- 基本的なオペレーション改善(清潔感、接客、料理クオリティ)
- 店前看板・メニュー表示の改善
- Instagram開設・運用開始
- LINE公式アカウント開設
- リピート促進施策の実施
ステップ4:効果測定と改善
- 各施策実施前後の数値比較
- お客様アンケートの実施
- SNSのインサイト分析
- 月次での施策見直し
集客で絶対にやってはいけないNGパターン
1. 割引に依存しすぎる
問題点
- 通常価格での集客が困難になる
- 利益率の悪化
- ブランド価値の毀損
対策: 割引以外の付加価値(限定メニュー、特別サービスなど)で差別化を図る
2. ターゲットを絞らない
よくある失敗: 「老若男女すべてに来てほしい」というコンセプト
なぜダメか
- メッセージが薄くなる
- 誰にも響かない宣伝になる
- 競合との差別化ができない
3. 一貫性のない情報発信
避けるべき例
- SNSの投稿頻度がバラバラ
- 投稿内容に統一感がない
- ブランドイメージが定まらない
2025年の飲食店の集客トレンド
1. ショート動画の重要性が増加
Instagram リールやTikTokなどのショート動画コンテンツがさらに重要になります。60秒以内で店舗の魅力を伝える技術が必須になるでしょう。
2. パーソナライゼーション強化
LINE公式アカウントやアプリを使った個人の嗜好に合わせた情報配信が標準となります。
3. サステナブル・地産地消への関心
環境に配慮した取り組みや地元食材の活用をアピールすることで、意識の高い顧客層を獲得できます。
4. インバウンド需要の回復
外国人観光客の増加に伴い、多言語対応や文化に配慮したメニュー開発が重要になります。
継続的な集客成功のために
飲食店の集客成功は一朝一夕では実現できません。しかし、ポイントを押さえて継続的に取り組めば、必ず結果はついてきます。
最重要ポイント
- 新規客とリピート客を明確に分けて戦略を立てる
- 地域密着型はリピート対策を最優先にする
- 基本的なオペレーション(清潔感・接客・料理)を疎かにしない
- 店前の看板・メニュー表示に投資する
- Instagram運営でフォロワー獲得に注力する
成功への道筋
- まずは魅力的なメニュー開発と店舗コンセプトの確立
- 次に基本オペレーションの徹底
- そして効果的なマーケティング施策の実行
最も大切なのは「やってみてよかったもの」だけを継続することです。流行に惑わされず、自店の特徴と顧客層に合った施策を選択し、着実に実行していけば、必ず集客は改善されます。
地域で愛される飲食店になるために、今日から一歩ずつ取り組んでいきましょう!