
「2時間・少人数制・スライド資料付き・質疑応答あり」
「施術時間60分・完全個室・駐車場完備・女性スタッフのみ」
「月額30,000円・週2回・マンツーマン指導・食事指導つき」
ホームページやチラシでこういった情報だけを並べていませんか?
これは、「スペック(仕様や規格)を書いている」だけで、「セールスライティング」にはなっていません。
スペック(仕様や規格)を読んだお客さんの頭の中には、「ふーん」や「うーん」が残ります。「申し込もう」という気持ちは、スペック(仕様や規格)だけでは生まれにくいです。
1,000社以上の集客をサポートしてきた中で、「なぜかうちのホームページから問い合わせが来ない」という相談をいただくとき、原因の一つにスペック(規格や仕様)しか書いてないということがあります。
書いてあることは正確なのに、読んだ人の心が動かない。
今回は、スペック(仕様や規格)だけを書くことがなぜダメなのか、どう書き直せばいいのかをお伝えします。
スペックとベネフィットは別物
セールスライティングには「ベネフィット」という考え方があります。
スペック(仕様や規格)とは、「特徴」と言い換えることができます。つまり、商品・サービスそのものの情報です。
「やさしいマッサージ」「60分の施術」「少人数制」「マンツーマン」がこれにあたります。
ベネフィット(便益や未来を見せる)とは、そのスペックによって「お客さんの生活や気持ちがどう変わるか?」です。
人はスペック(仕様や規格)だけにお金を払うのではありません。「自分が将来どうなれるか?」にお金を払います。
スペックとベネフィットの違いを具体例で見てみましょう。
| 業種 | スペック(NG) | ベネフィット(OK) |
|---|---|---|
| 整骨院 | 施術時間60分・完全個室・国家資格保有スタッフ | 「また明日も痛いのかな」と寝る前に不安にならなくていい状態を目指します |
| パーソナルジム | 週2回・マンツーマン・食事指導つき・月額30,000円 | 3ヶ月後、去年のジーンズが履けるようになっている自分を想像してみてください |
| セミナー | 2時間・少人数制・スライド資料付き・質疑応答あり | 「集客できるかな」という不安を抱えたまま毎月を過ごさなくてよくなります |
| 美容室 | カラー+カット+トリートメント・所要時間2.5時間 | 久しぶりに会う友人に「髪どうしたの、雰囲気変わったね」と言われる仕上がりを目指します |
| 税理士 | 記帳代行・決算申告・月次面談・クラウド会計対応 | 税金のことが気になって本業に集中できない、という状態から解放されます |
右側の「ベネフィット」の文章は、読んだ人の頭の中に「自分ごと」として映像が浮かびます。「自分が将来どうなれるのか?」が見えると、人は初めて「申し込みたい」という気持ちになります。
なぜスペックだけ書いてしまうのか
スペックを書きたくなるのは、実は自然なことです。理由が2つあります。
1つ目は、自分が一番よく知っているのがスペックだからです。
施術時間、料金、設備、資格……これらは数字や事実なので、間違えようがありません。だから書きやすい。
2つ目は、「詳しく説明しなければ」という思い込みがあるからです。「ちゃんと伝えなければ申し込んでもらえない」という気持ちから、スペックを細かく書き連ねてしまいます。
しかし、お客さんの立場で考えると、スペックは「興味がある人が検討・確認するもの」です。興味をもつために必要なのは「これは自分に必要か?」という判断材料、つまりベネフィットです。
スペックを読んでもらう前に、まずベネフィットで「これは自分のことだ」「これは興味ある」と思ってもらう必要があります。
ベネフィットの書き方、「つまり、どうなる?」と自問する
スペックをベネフィットに変換するのは、それほど難しくありません。スペックを書いたあとに「つまり、お客さんはどうなる?」と自問するだけです。
変換の手順
1、スペックを書く:「マンツーマン指導」
2、「つまり、どうなる?」と問いかける:「他の人の目を気にせず、自分のペースで進められる」
3、「それで、お客さんの気持ちはどう変わる?」とさらに問いかける。「恥ずかしくて人に聞けなかったことも、遠慮なく質問できるから、理解が深まって結果が出やすくなる」
3まで掘り下げたものが、本当のベネフィットです。
「つまり、どうなる?」という問いを2〜3回繰り返すと、スペックがベネフィットに変わっていきます。
スペックが必要ない、というわけではない
誤解してほしくないのですが、スペック(仕様や規格や機能)を書くなということではありません。
スペックは「信頼を裏付けるもの」としても必要です。
「国家資格保有スタッフ」「創業20年」「累計1,000社」といった情報は、ベネフィットで「気になる」と思ってもらったあとに、「やっぱり大丈夫そう」という安心感を与える役割も持っています。
順番が大事です。
正しい順番
1、ベネフィット(読んだ人の心を動かす)
2、スペック(「やっぱり申し込んでいいんだ」という安心感を与える)
3、行動喚起(「では、申し込もう」という後押し)
多くの方がやってしまっているのは、2から始めて1をすっ飛ばしているパターンです。
自分のサービスのベネフィットが分からないときは
「うちのサービスのベネフィットって何だろう?」と悩む方もいます。そういうときは、過去のお客さんを思い浮かべてください。
そのお客さんは、あなたのサービスを使う前にどんな状態でしたか?使った後、何が変わりましたか?「〇〇さん、最近どうですか?」と聞いたとき、どんな言葉が返ってきましたか?
お客さんの「ビフォーアフター」の変化がそのままベネフィットです。自分の言葉でそれを書くだけでいいのです。
難しく考える必要はありません。
「うちのお客さんは、来る前はこういう状態で、来たあとはこうなりましたよ」という話を文章にするだけで、立派なセールスライティングになります。
スペックは「事実」、ベネフィットは「動機」
人が行動するのは、「動機」があるからです。スペックは動機を生みません。ベネフィットが動機を生みます。
ホームページ、チラシ、SNSの投稿文……どれを見直すにしても、まず「これを読んだ人はどうなれるのか」が伝わっているかを確認してみてください。
スペックだらけの文章を、ベネフィットを軸にした文章に書き直すだけで、問い合わせの数は変わります。
これは理屈ではなく、1,000社以上を見てきた中での実感です。
