
「キャッチコピーを考えなきゃいけないのに、何も浮かばない」
ホームページのトップページ、チラシの一番目立つ場所、SNSのプロフィール文。どこにでも必要なのに、いざ書こうとすると手が止まる。それがキャッチコピーです。
コピーライターに頼むと費用がかかる。自分で考えると時間がかかる。でも「なんとなく書いた」キャッチコピーでは、お客さんの目に留まらない。
この悩みに、生成AIが使えます。「キャッチコピーの候補を100案出して」という使い方が、AIがもっとも力を発揮するシーンのひとつです。この記事では、AIを使ったキャッチコピー作りの手順を紹介します。
なぜキャッチコピーは難しいのか
キャッチコピー作りが難しい理由は、主に2つあります。
ひとつは「短くまとめることの難しさ」です。伝えたいことはたくさんある。でも、キャッチコピーは15文字以内で伝えきらないといけない。何を削って、何を残すか。この判断がとても難しい。
もうひとつは「客観的に見えない」という問題です。自分のサービスや商品のことをよく知っているからこそ、「これは当たり前だ」と思ってしまう。外から見ると魅力的なことでも、自分では気づけない。だから「うちの一番の強み」を一言で表す言葉が出てこない。
この2つの壁を、AIは同時に攻略してくれます。
AIがキャッチコピー作りに向いている理由
AIがキャッチコピー作りに向いている理由は、「量を一気に出せる」ことです。
人間がキャッチコピーを考えると、1時間で10案出すのも大変です。でもAIは「50案出して」と頼めば1分もかからず50案を出してくれます。
そのなかから「これに近い」ものを見つけて、「この方向でさらに20案出して」と絞り込んでいく。この使い方が最も効果的です。
また、AIは「言い換えのバリエーション」が豊富です。同じ内容でも、語感・リズム・視点を変えた表現を次々と出してくれます。自分では思いつかなかったアプローチが見つかることも多いです。
実際の手順
AIでキャッチコピーを作る手順を紹介します。
ステップ1 必要な情報をまとめる
まず、AIに渡す情報を整理します。以下の5つを用意してください。
何のキャッチコピーか
ホームページのトップ、チラシ、Instagram投稿など。使う場所によってトーンが変わります。
誰に向けたものか
ターゲットを具体的に。「40代女性、肌トラブルに悩んでいる」「中小企業の経営者、集客に困っている」のように書けるほど、精度が上がります。
何を一番伝えたいか
サービスの特徴・強み・他との違いを箇条書きで。
使いたいトーン・イメージ
「頼もしい」「親しみやすい」「かっこいい」「シンプル」など。
NGワード・NGイメージ
「大げさすぎる表現は避けたい」「専門用語は使わないで」など。
ステップ2 AIに候補を出させる
情報が整ったら、こんな指示を出します。
以下の情報をもとに、キャッチコピーの候補を30案出してください。文字数は15文字以内でお願いします。
【使う場所】ホームページのトップページ
【ターゲット】集客に悩む大阪の中小企業経営者(40〜60代)
【伝えたいこと】20年・1,000社以上の支援実績がある。難しいことを噛み砕いて教えてくれる。一緒に考えてくれる伴走型のコンサル。
【トーン】信頼感・親しみやすさ
【NG】大げさな表現、カタカナが多い表現
AIがすぐに30案を出してくれます。最初から完璧なものが出なくてもOKです。
ステップ3 絞り込んで深掘りする
30案を眺めて、「この方向が近い」と感じるものを2〜3案選びます。
そのあとこんな指示を出します。
この3案の方向性が気に入っています。このトーンでさらに20案追加してください。
・(選んだ候補を貼り付ける)
さらに「この中で特にリズムが良いものを5案に絞って」「同じ内容をもっと短く言い換えて」「動詞から始まるバージョンで10案出して」など、追加指示を重ねていきます。
このキャッチボールを繰り返しながら、最終候補を絞っていきます。
ステップ4 複数人に見せて反応を確認する
最終候補が3〜5案に絞れたら、実際のターゲットに近い人に見せて反応を確認するのが理想です。
「このコピーを見てどんな印象を持ちますか」「どれが一番気になりますか」と聞いてみる。自分が「これだ」と思ったものと、第三者が選ぶものが違うことはよくあります。そのギャップが、修正のヒントになります。
具体的なプロンプト例
いくつかのシーンで使えるプロンプトを紹介します。そのままコピーして使ってください。
飲食店のキャッチコピー
大阪・天王寺の居酒屋のホームページに使うキャッチコピーを20案出してください。15文字以内で。ターゲットは30〜40代のサラリーマン・OL。落ち着いた雰囲気のお店で、常連が多い。派手な印象ではなく、「ほっとできる場所」「また来たくなる」という方向性でお願いします。
整体・治療院のキャッチコピー
整体院のチラシに使うキャッチコピーを20案出してください。ターゲットは50代の肩こり・腰痛に悩む女性。「病院で湿布しか出してもらえなかった」という方が来ることが多い。根本から改善できること、アットホームな雰囲気を伝えたい。15文字以内で。
コンサルタントのキャッチコピー
Webマーケティングコンサルタントのホームページに使うキャッチコピーを30案出してください。ターゲットは集客に悩む中小企業の経営者(40〜60代)。実績20年・1,000社以上の経験がある。難しいことをわかりやすく教える。一緒に並走するスタイル。20文字以内で、難しいカタカナ・専門用語は使わないで。
良いキャッチコピーの特徴
AIが出した候補を選ぶとき、何を基準にすればいいでしょうか。良いキャッチコピーには共通した特徴があります。
読んだ人の「自分ごと」になる
「これ、私のことだ」と感じてもらえる言葉は強いです。「疲れた体を、明日に向ける整体」のように、ターゲットが今感じていることに触れる表現は、読んだ瞬間に引き込まれます。
具体的なベネフィットがある
「安心の整体院」は漠然としています。「週1回通って、腰痛が気にならなくなった」は具体的です。どんな変化・結果が得られるかを言葉に含めると伝わりやすくなります。
声に出して読んでリズムが良い
キャッチコピーはリズムも大切です。声に出して読んでみて、引っかかりなく自然に読めるものが残りやすいです。
一読して意味がわかる
深読みしないとわからないキャッチコピーは、実際には使いにくいです。一読で「あ、そういうことね」とわかるシンプルさが重要です。
AIが出したコピーをそのまま使うのはNG
AIが出したキャッチコピーを「そのまま」使うのはおすすめしません。
理由は2つあります。ひとつは、他のサービスや会社でも似たような表現が使われている可能性があること。AIは汎用的な表現を出しやすいため、どこかで見たことがあるコピーになりがちです。
もうひとつは、「自分の言葉ではない」という感覚が残ることです。自分が心から「これだ」と思えない言葉は、使い続けるうちに迷いが生まれます。
AIが出した候補はあくまで「たたき台」です。気に入った案を選んで、一部の言葉を自分らしい表現に差し替える。このひと手間を加えることで、「AIが作ったのに自分の言葉みたい」という仕上がりになります。
よくある質問
Q: 良い案が出なかったらどうすればいいですか?
A: まずは指示に渡した情報を見直してみてください。「ターゲット」と「伝えたいこと」が曖昧だと、AIも曖昧な候補しか出せません。もう少し具体的に書き直して、再度試してみてください。それでも合わなければ「もっと〇〇な印象で」「〇〇という言葉は使わないで」など、否定の条件を追加すると変わります。
Q: 何案くらい出させればいいですか?
A: 最初は30〜50案が目安です。多ければ多いほど選択肢が広がります。最初から「ベスト3だけ出して」という指示は、範囲が狭くなるためおすすめしません。たくさん出してから絞る、という順番が効率的です。
Q: AIのキャッチコピーに著作権はありますか?
A: 現時点ではAIが生成した文章の著作権については法的に不明確な部分があります。ただし、「ありきたりな表現」「一般的なフレーズ」については著作権の対象になりにくいとされています。AIの候補をそのまま使うより、自分の言葉で少し手直しすることで、この点も含めてより安心して使えます。
Q: キャッチコピーは一度決めたら変えない方がいいですか?
A: 使いながら反応を見て、定期的に見直すのが理想です。同じコピーを何年も使い続けるより、半年〜1年で見直して「今の自分・サービスに合っているか」を確認するサイクルが効果的です。AIを使えば候補を出し直すのは簡単なので、気軽に見直せます。
まとめ
キャッチコピーは「ゼロから考えるもの」ではなく、「大量の候補から選ぶもの」です。
人間がゼロから考えると時間がかかるうえ、視野が狭くなります。AIに候補を大量に出させて、その中から「これが近い」を選んで絞り込んでいく。この使い方が、キャッチコピー作りでAIが最も力を発揮する場面です。
30案の中から1案を選ぶ作業は、直感でできます。その直感が、最終的に一番良いキャッチコピーを生む判断になります。
まず30案出してみてください。そこから始まります。
