中小企業の「粗利」を劇的に上げる5つの方法

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。

中小企業で「利益が残らない…」という悩み、よく聞きます。

これは、売上の問題ではなくて
「粗利率」が低すぎる ことが原因だったりします。

今回は、売上を上げるよりも早くて効果的な
「粗利を劇的に上げる方法」についてお話します。

目次

そもそも粗利とは?

まず、ざっくり定義をおさらいします。

  • 粗利(売上総利益)= 売上 - 原価

要は、モノやサービスを売ったときに「どれだけ利益が残るか」です。

飲食店なら、料理を出していくら儲かるか。
整体院なら、施術をしていくら残るか。

この「粗利」が低いと、どれだけ売れても、人件費や家賃で全部消えるわけです。

【方法1】値上げできる商品を作る

中小企業は、「売れる商品」よりも「儲かる商品」を持ってるかが超重要です。

儲かってない企業は、「売れてるけど全然利益が出ない商品」が主力になっているケースが多いです。

そこで、

値上げしても喜ばれる商品
手間がかからず利益率が高い商品

をセットで考えるようにしています。

たとえば、

  • 原価1,000円 → 売値2,000円(粗利50%)の商品より
  • 原価500円 → 売値1,800円(粗利72%)のほうが、儲かりますよね。

【方法2】原価をちゃんと把握する

意外と「原価を正確に把握してない」社長さん、多いです。「なんとなくこのくらいかな〜」ってやってると、粗利計算がぐちゃぐちゃになります。

細かい仕入れや人件費、外注費、広告費・・・
ひとつひとつ丁寧に見直すだけで、「あれ、めちゃくちゃ無駄があるぞ?」って気づけます。


【方法3】セット商品・定額サービスにする

バラ売りよりも、セット販売・定額制・サブスクにするだけで粗利は上がります

たとえば、
1回1,000円の商品をバラで売るよりも
月3,000円で「使い放題」にしたほうが、お客さんの利用単価は上がります。

これは、ホームページ制作も同じです。

1ページ1万円より、
「10万円で、LP+SNS+SEOを全部やります」のほうが、お客さんにとっても分かりやすく、提案も通りやすいですよね。

結果的に、利益率も上がります。


【方法4】「人を減らさず、無駄を減らす」

粗利改善といえば「人件費削減」って言われがちですが、
人を減らす前に、無駄な作業を減らすのが鉄則です。

  • 2回やってることを1回にまとめる
  • お客さんとのやりとりをテンプレート化する
  • AIで、初回案内・説明・文書づくりを自動化する

これだけで、スタッフの時間が空いて、少人数で回せる体制が作れます。

実際、AIを使いはじめると、
「外注しないとムリ」と思ってた仕事が、ほとんど自分で回せるようになる人がほとんどです。


【方法5】「全部自分でやらない」選択肢を持つ

粗利の改善を本気で考えるなら、「やらない勇気」も必要です。

  • 利益率が低いけど、忙しい仕事
  • 頼まれて断れずやってる仕事
  • 安すぎて人に任せられない仕事

これらは、ぜんぶ「時間と体力のムダ食い」です。

「やらない」「誰かに任せる」「もっと粗利が出ることに集中する」
という選択肢を持ちましょう。

これは、精神的にもラクになります。

粗利アップを阻む「思い込み」3選

粗利を改善しようとすると、必ずぶつかる「壁」があります。

それが——
経営者や現場の中にある「思い込み」です。

意外にも、この思い込みがブレーキになって、
利益アップのチャンスを自ら潰してしまってるケースは、めちゃくちゃ多いです。

今回は、特に多い3つの思い込みを取り上げて、
「どう考えたらいいか?」「どう対策すればいいか?」を解説していきます。

思い込み1

「値上げしたら顧客が離れる」

これ、一番よく聞きます。ある意味、事実だからです。

たとえば、5,000円のサービスを7,000円にしたら、

「今までの顧客が離れるんじゃないか」
「新規が来なくなるんじゃないか」

と不安になりますよね。

▼でも実際はどうか?

多くの顧客は、値段よりも納得感や信頼感で選んでいます。

実際、わたしの回りでも、
料金を1割〜2割上げたにも関わらず、売上は全く下がらなかった例はたくさんあります。

なぜかというと、
値上げした分、サービスの質や対応を良くしてからですね。

【対策】値上げの前に「伝え方」を工夫しよう

  • なぜ値上げするのか(原価上昇、品質維持のためなど)
  • どういう価値が上がるのか(対応、品質、アフターサポートなど)
  • いつから、どのくらいの価格になるか

こうしたことを、事前にきちんと伝えるだけで、納得してくれるお客様は多いです。また常連客さんには、必ず価値を上げることをやっていきましょう。

思い込み2

「原価を削ると、品質が落ちる」

これも、根強い思い込みの一つです。

「安く仕入れたら、品質が悪くなるんじゃないか」
「経費を削ったら、サービスのレベルが下がるんじゃないか」

っていうやつですね。

▼でも実際はどうか?

粗利を上げている会社ほど、「ムダな原価を見直す努力」をしています。
それは決して「安物を仕入れろ」って意味ではなく、

  • 無駄な梱包資材を減らす
  • 在庫を抱えすぎないようにする
  • 一部作業をAIやツールに切り替える
  • 高すぎる外注先を見直す

など、品質に影響しない部分から改善していきます。

【対策】こだわりコストとムダコストを分けて考える

まずムダはないか見ていきます。

  • 品質や満足度に直結するコスト → できるだけ残す
  • お客さんが気づかない余計なコスト → 真っ先に削る

この整理をすると、「あ、ここいらなかった」というコストが結構出てきます。


思い込み3

「競合が安いから、ウチは価格を上げられない」

「隣の会社が3,000円だから、うちは2,800円じゃないと…」と考える経営者さん、めっちゃ多いです。

▼現実は?

安さで選ばれる商品は、結局どんどん価格が下がっていきます。

その中で戦うのは、体力のある大手だけです。

個人事業や中小企業は、
価格以外の魅力で勝負すべきです。

たとえば、

  • 親身な対応(「あなただからお願いしたい」と言われる)
  • アフターフォローが手厚い(問い合わせ対応、サポートが安心)
  • 地元密着で安心感がある(遠方に依頼するより安心)
  • 自社だけのノウハウ・強みがある

など、価格以外の価値を伝えられると「高くても選ばれる」ようになります。

【対策】「値段」じゃなく「価値」を伝えよう

  • 他社より高い理由を、しっかり言語化する
  • お客さんの声(口コミ、事例)を前面に出す
  • ストーリーや背景(こだわり、創業の想い)を丁寧に伝える

これだけでも、「ここにお願いしたい」という指名につながります。

粗利の改善は「継続的な取り組み」が成功の鍵

粗利の改善は一度やって終わりではありません。市場環境の変化に応じて、継続的に見直していく必要があります。

成功するための3つのポイント

  1. 数字に基づいた判断:感覚ではなく、データで施策を決定
  2. 段階的な実行:いきなり大きく変えず、小さくテストしながら拡大
  3. 全社一丸の取り組み:営業・製造・管理部門の連携が不可欠

まずは自社の現状把握から始めて、できることから一つずつ実行していきましょう。小さな改善の積み重ねが、必ず大きな成果につながります。

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
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