やってはいけないSEO:全ページ『会社名だけ』のタイトル

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。

「ホームページ作ったんですが、全然アクセスが増えないです。」

そう言われてサイトを確認すると、全ページのタイトルが「株式会社◯◯」だけ。これは、誰が悪いという話ではありませんが、よく起こる失敗パターンの一つです。

これまで1,000社以上をサポートしてきた中で、この「全ページが会社名だけ」は、昔からよく見かけました。最近はさすがに減ってきましたが、それでも時々遭遇します。

今日は、なぜこの問題が起こるのか、どうすれば防げるのか、お話しします。

目次

なぜ「会社名だけ」のタイトルになってしまうのか?

ここでは、会社名だけになってしまう理由についてまとめてみます。

理由1:SEOの優先度が共有されていない

よくあるケース

  • クライアント:「とりあえずホームページを作りたい」
  • 制作会社:「デザインと機能を重視して納品」
  • 結果:SEO対策は後回しに

予算や納期の都合で「まずは見た目を整えて公開」という判断も、経営判断としては間違ってないことがあります。

理由2:CMSによって全ページタイトル同じ

WordPressなどのCMS: 初期設定では「サイト名」がすべてのページのタイトルになる設定が多いです。普通は、詳細ページは、各ページのタイトルが記載されるのですが、制作過程でそれが効いていない状態になってしまうケースがあります。

理由3:予算の制約

実際によくある会話: 制作会社:「SEO設定も含めると追加で20万円かかります」 クライアント:「予算オーバーなので、追加なしで、とりあえず基本だけで」

これも経営判断です。限られた予算の中で優先順位をつけることもあります。そのままSEOチェックしないで納品。

理由4:知識や意識のすれ違い

制作会社側: 「タイトル設定は基本だから、当然クライアントも知ってるだろう」

クライアント側: 「プロに頼んでるんだから、当然全部やってくれるだろう」

お互いの「当然」が違う場合があります。

なぜ「会社名だけ」がダメなのか?

1. Googleが内容を理解しない(できない)

検索エンジンは、タイトルを見て「このページは何について書かれているか」を判断します。

全ページ「株式会社◯◯」だけだと

  • 会社概要なのか
  • サービス紹介なのか
  • 採用情報なのか

理解しない場合があります(できない場合があります)。

2. 検索結果でクリックされない

検索結果に表示されても、タイトルが「株式会社◯◯」だけだと、

  • 何の会社か分からない
  • どんなサービスか分からない
  • クリックする理由がない

悪い例:

株式会社大阪製作所
株式会社大阪製作所
株式会社大阪製作所

良い例:

精密金属加工|株式会社大阪製作所
会社概要|株式会社大阪製作所
採用情報|株式会社大阪製作所

3. SEO評価が曖昧になる

各ページが異なる内容なのに、タイトルが同じだと、検索エンジンが各ページの役割を理解できません。

この問題を防ぐには?(発注側・受注側双方の視点)

クライアント(発注側)がすべきこと

1. 納品時にチェックする項目を決める

  • 各ページのタイトルタグが設定されているか
  • h1タグが各ページでユニークか
  • meta descriptionは設定されているか

2. わからないことは遠慮なく聞く 「タイトルタグって何ですか?」 これ、恥ずかしい質問じゃありません。むしろ聞くべき質問です。

3. 予算にSEO基本設定を含める 最初から「SEO基本設定込み」で見積もりを取る。後から追加より安く済むことが多いです。

制作会社(受注側)がすべきこと

1. 事前に説明する 「タイトルタグの設定は追加費用で◯万円かかります」 「基本プランには含まれていませんが、SEO効果には重要です」

明確に伝えることで、クライアントが判断できます。

2. 最低限の設定は標準で 追加費用をもらえなくても、各ページのタイトルに「ページ名|会社名」くらいは標準で設定しておく。これだけでも大きく変わります。

3. 納品後のサポート体制 「公開後に気づいたら、追加で対応します」という姿勢を示す。

双方が協力すべきこと

1. 期待値のすり合わせ

  • どこまでが基本料金に含まれるか
  • SEOのレベルをどこまで求めるか
  • 納品後の運用サポートはどうするか

2. チェックリストの共有 納品時にお互いが確認すべき項目を事前に共有。

3. 段階的な対応

  • 第1段階:最低限の設定で公開
  • 第2段階:運用しながらSEO強化
  • 第3段階:本格的なSEO

予算に応じて段階的に進めるのも一つの方法です。

今すぐできる!タイトルの確認方法

1. ブラウザで確認

各ページのタブに表示される文字を見る。全部同じなら要注意。

2. Google Search Consoleで確認

「エクスペリエンス」→「ページ」→「重複するタイトルタグ」をチェック。

3. 検索結果で確認

「site:あなたのドメイン」で検索。表示されるタイトルが全部同じなら問題あり。

正しいタイトルの付け方

基本ルール

1. 各ページの内容を具体的に表現する

  • トップページ:事業内容や強みを表現
  • サービスページ:具体的なサービス名
  • 会社概要:「会社概要」と明記
  • 採用情報:「採用情報」「求人」と明記

2. 重要なキーワードを前に置く

悪い例:「株式会社◯◯|大阪の税理士」

良い例:「大阪の相続税専門税理士|株式会社◯◯」

3. 20文字前後を目安に 長すぎると検索結果で切れます。

同じタイトルなら、今すぐ改善しよう

タイトルタグの設定は、SEOの中で最も基本的で、最も重要な要素の一つです。でも、この基本が抜け落ちることは、よくあります。

大切なのは、「どう改善するか」を考えること。

もしあなたのサイトが「会社名だけ」のタイトルになっていたら、今から直しましょう。それだけで、アクセス数が大きく変わります。

制作会社に依頼した方は、遠慮なく相談してみてください。良心的な制作会社なら、一緒に改善策を考えてくれます。自社で運用している方は、今日から少しずつ修正していきましょう。

タイトルを変えるだけで、結果が変わります。

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
目次