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やってはいけないSNS投稿、自分の伝えたいことばかり書いてもダメな理由

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。

「当社の新商品が完成しました!自信作です!」
「創業30周年を迎えました。これからも頑張ります!」
「最新の設備を導入しました。機能性が向上しています!」

企業のSNSアカウントを見ていると、このような「報告」であふれています。発信している側からすれば、どれも重要なニュースであり、誇らしい実績でしょう。

しかし、はっきり言います。読者は、あなたの会社や商品そのものには、あなたが思うほど興味がありません。

SNS運用で最もやってはいけないことの一つ、それは「自分の伝えたいこと(発信者視点)」ばかりを一方的に投稿し続けることです。

読者が興味を持っているのは「自分の悩み」と「自分へのメリット」だけです。この視点のズレを修正しない限り、どれだけ投稿を続けてもエンゲージメントは上がらず、集客にはつながりません。

この記事では、なぜ「伝えたいこと」ばかり書いてはいけないのか、そしてどうすれば「読者が知りたいこと」に変換して、反応が得られる投稿を作れるのかを解説します。

目次

「当社の商品は素晴らしい!」という投稿の落とし穴

多くの企業アカウントが陥るのが、「自社の強み」や「商品の特徴(スペック)」を語りすぎてしまうことです。

「この美容液には〇〇成分が配合されています」
「当社の強みは迅速な対応です」
「業界最安値です」

……これらはすべて、売り手側の言葉です。

もちろん、商品の良さを伝えることは大切です。しかし、読者が知りたいのは「その商品が素晴らしいかどうか」ではありません。「その商品を使えば、私の今の悩みが解決するのか?」「私にとってどんな良い未来(ベネフィット)があるのか?」です。

「当社は素晴らしい」という主語が「自社」になっている投稿は、読者にとって他人事です。

主語を「読者(あなた)」に変えない限り、スクロールする指は止まりません。

なぜ「自分の伝えたいこと」ばかり書くとダメなのか(5つの理由)

発信者視点(自分語り)の投稿がSNSで失敗する理由は、心理的要因とアルゴリズム的要因の両面にあります。

1、読者の興味と合致しない

ユーザーはSNSを、暇つぶしか、有益な情報を得るために見ています。知らない会社の「社内行事の様子」や「社長の理念」を見せられても、「へー、よかったね」で終わりです。

自分に関係のない情報は、脳が自動的にフィルタリングしてしまいます。

2、エンゲージメントが生まれない

一方的な宣伝や報告に対して、「いいね」や「コメント」をしようと思う人は稀です。共感もできず、学びもなく、感動もない投稿には、アクションを起こす動機がありません。

3、「宣伝ばかり」と思われ、フォローを外される

毎回「買ってください」「利用してください」「こんなにすごいです」という投稿ばかりだと、読者は「売り込まれている」と感じてストレスになります。結果、ミュートやフォロー解除の対象になります。

4、SNSアルゴリズムに嫌われる(拡散されない)

ここが致命的です。InstagramやX(旧Twitter)のアルゴリズムは、滞在時間やエンゲージメント率を重視します。

読者が興味を持たずスルーする投稿は「価値が低い」と判定され、フォロワーのタイムラインにすら表示されなくなります。

5、競合と差別化できない(みんな同じことを言っている)

「高品質」「安心安全」「迅速対応」といった自社の強みは、競合も同じように主張しています。

スペックや特徴だけで戦おうとすると、結局は「どこも同じ」に見えてしまい、価格競争に巻き込まれます。

「自分の伝えたいこと」ばかり書く典型例

以下は、企業アカウントでよく見かける「発信者視点」の投稿例です。読者が心の中でどう思っているか(ツッコミ)を見てみましょう。

発信者視点の投稿(NG)読者の心理
「当社の新サービスをリリースしました!ぜひご利用ください!」「ふーん。で、そのサービスを使うと私にんないいことがあるの? メリットが分からないからスルー。」
「創業30周年を迎えました!これからもよろしくお願いします!」「おめでとう。でも、私には関係ない話だな。30周年だからって何かお得なことがあるわけでもないし。」
「当社の強みは、独自の生産管理システムです!」「生産管理? 専門的なことはよく分からないし、興味ないな。」
「最新の3Dスキャナー設備を導入しました!」「へー、すごい機械だね。でも、私が家を建てる時にそれがどう役立つの? 安くなるの? 早くなるの?」

「読者が知りたいこと」に変換する5つのステップ

「伝えたいこと」を捨てる必要はありません。伝え方を変えるのです。以下のステップで変換すれば、同じ内容でも読者に刺さる投稿になります。

【読者視点への変換ステップ】

  1. ペルソナ(たった一人の読者)を想像する
    誰の悩みを解決する商品なのかを明確にします。
  2. 「So What?(だから何?)」を3回繰り返す
    特徴に対して「だから、読者にどんないいことがあるの?」と自問自答し、深掘りします。
  3. 特徴をメリット(ベネフィット)に変換する
    「機能」ではなく「得られる未来」を語ります。
  4. ビフォーアフターを見せる
    利用前と利用後の変化を可視化します。
  5. 主語を「あなた」にする
    「当社は~できます」ではなく、「あなたは~になれます」と言い換えます。

ビフォーアフター比較(発信者視点 vs 読者視点)

具体的に「発信者視点」の文章を「読者視点」に書き換えてみましょう。これだけで、投稿の魅力が劇的に変わります。

ビフォー(NG・発信者視点)
主語:当社、商品
・アフター(OK・読者視点)
主語:あなた(読者)
当社は創業50年の老舗工務店です。
確かな技術力があります。
「初めての家づくりで失敗したくない」あなたへ。
50年間で3,200件の施工実績から、ご家族のライフスタイルに最適なプランをご提案します。
最新のAI見積もりシステムを導入しました。
効率化を実現しています。
見積もり待ちのイライラを解消。
従来3時間かかっていた作成が、AIにより15分に短縮。「急ぎで概算を知りたい」という方も、当日中に正確な金額が分かります。
スタッフ全員が国家資格保有者です。
プロフェッショナル集団です。
「素人に任せて後悔したくない」という不安に応えます。
全員が国家資格を持っているので、法的手続きから施工管理まで、トラブルのない確実な工事をお約束します。
新メニューのチーズケーキが登場。
北海道産クリームチーズを100%使用。
今週頑張った自分へのご褒美に。
一口食べた瞬間に広がる濃厚なミルク感。北海道産クリームチーズを贅沢に使った、仕事帰りの疲れを癒やす「至福のチーズケーキ」です。
モンドセレクション金賞を受賞しました。
世界が認めた品質です。
「品質に妥協したくない」方へ。
世界的な審査機関が認めた品質で、毎日のお肌のケアを格上げしませんか? 使うたびに自信が持てる肌へ導きます。
当社の経営理念は「誠実」です。
嘘のない商売を心がけています。
無理な売り込みは一切いたしません。
「誠実」を掲げる当社では、お客様にとって不要な工事は「必要ない」とはっきりお伝えします。安心してご相談ください。
高性能な脱毛マシンを導入。
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忙しいママさん必見。
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在庫を豊富に取り揃えています。
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「明日使いたい!」に間に合わせます。
豊富な在庫体制により、14時までのご注文は即日発送。急なプレゼントや消耗品の補充も、もう焦る必要はありません。

業種別の読者視点の投稿例

業種ごとの具体的な「読者視点への変換例」を見てみましょう。

業種NG(発信者視点)→ OK(読者視点)
美容室NG:「当店は髪質改善トリートメントに力を入れています!独自の薬剤を使用。」

OK:「『毎朝のセットに30分かかる…』というお悩み、髪質改善で解決しませんか? 施術後は寝グセがつきにくくなり、朝5分でまとまる髪に。忙しい朝にコーヒーを飲む余裕が生まれます。」
飲食店NG:「旬のサンマが入荷しました。脂が乗っています。ぜひお越しください。」

OK:「秋の味覚で一杯やりませんか? 脂の乗った旬のサンマを、炭火で皮パリパリ、身はふっくらに焼き上げました。冷えた日本酒との相性は抜群。今夜は仕事の疲れを忘れて最高の一杯を。」
工務店NG:「高気密・高断熱の住宅ならお任せください。UA値0.46を実現。」

OK:「『冬の朝、布団から出るのが辛い…』そんな寒さとはサヨナラ。真冬でもエアコン1台で家中ポカポカ。光熱費も月平均5,000円ダウンし、家計にも体にも優しい暮らしを実現します。」
コンサルタントNG:「私のノウハウを詰め込んだセミナーを開催します。参加者募集中。」

OK:「『集客が安定しない』と夜も眠れない経営者様へ。3ヶ月で問い合わせを2倍にした具体策を公開。精神論ではなく、明日から使えるテンプレートをお渡しするので、持ち帰ってすぐに実践できます。」
EC通販
(アパレル)
NG:「新作のコートが入荷。ウール90%で暖かいです。」

OK:「着膨れしたくないけど、寒がりなあなたへ。ウール90%なのに驚くほど軽い。シュッとしたシルエットで、真冬のデートや通勤でも『寒くないのにおしゃれ』を叶えます。」

読者視点型、投稿の7つのチェックリスト

投稿を作成したら、公開する前に以下のリストでチェックしてください。これらをクリアしていれば、それは「読者のための投稿」になっています。

  • 読者の悩み・課題に触れているか:(「〇〇でお困りの方へ」など)
  • 「だから何?」に答えているか:(スペックの羅列になっていないか)
  • 「あなたも〇〇できる」という未来が見えるか:(ベネフィットがあるか)
  • 自社の自慢・宣伝だけになっていないか:(主語が「当社」ばかりでないか)
  • Before/Afterの変化が分かるか:(どんな良い変化があるか)
  • 具体的な数字・エピソードがあるか:(信頼性があるか)
  • 「いいね」「保存」「シェア」したくなるか:(読者に役立つ情報か)

「伝えたいこと」ではなく「知りたいこと」を発信する

SNSは、テレビCMのような「一方的な広報ツール」ではありません。画面の向こうにいる読者との「対話ツール」です。

読者は、あなたの会社の商品そのものに興味があるわけではありません。「自分の悩みを解決してくれるもの」「自分の生活を良くしてくれるもの」にしか興味がないのです。

「伝えたいこと」をそのまま投稿するのは、相手の事情を考えずに自分の話ばかりする人と同じです。それでは嫌われてしまいます。

逆に、「読者は何を知りたいだろう?」「どう言えば読者のメリットになるだろう?」と考えることは、相手への思いやりです。その思いやり(読者視点)が投稿に乗ったとき、初めてエンゲージメントが生まれ、アルゴリズムが味方し、集客という成果につながります。

今日から投稿を作る時は、まず自問してください。

「これは、私が言いたいことか? それとも、読者が知りたいことか?」

この視点の転換こそが、SNS集客成功への最大の鍵です。

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
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