
「今日、話せてよかった」
「自分でも気づかなかった気持ちに気づけた」。
そんな言葉をもらえることが、何よりのやりがいだと言う、フリーライター・コマツマヨさん。
ウェブサイトやパンフレットのライティング、広報誌の編集など、企業の言葉を丁寧に整える仕事を手がける一方で、彼女の真骨頂は「聞く」ことにあります。
今回は、インタビュアーとしての姿勢やモチベーションの保ち方、そして今後取り組みたい「インナーブランディング」への想いについて、語っていただきました。
インタビューの裏側にある葛藤や工夫、そして仕事観がにじむ対話を、ぜひ最後までご覧ください。
インタビューの仕事とは

つちや:コマツさんの仕事って、インタビューがメインですよね?それ以外にはどんなことをされてるんですか?
コマツ:もともとはWebサイトやパンフレットなどのライティングが中心で、その中でインタビューをたくさん経験してきたんです。だから得意というのもありますけど、インタビューに限らず、企画から関わったり、広報誌の編集や企画にも携わっています。広報誌はもう3年ほど続けてますね。
つちや:いろいろやってるんですね。ジャンル的には、どの仕事に一番やりがいを感じます?
コマツ:やっぱりインタビューですね、特に「聞く」方。
というのも、書いた後の反応ってなかなか返ってこないことが多くて・・・。でもインタビューは、その場で「話しやすかった」「緊張してたけど話せた」「自分のことを初めて言語化できた」って言ってもらえる。その瞬間にやってよかったと思えるんです。
つちや:そういうリアクションがあると、嬉しいですよね。ちなみに、オンラインよりリアルの方がやっぱり好きですか?
コマツ:絶対リアル派です(笑)。オンラインもやりますけど、できれば対面がいい。やっぱり表情とか空気感は、実際に会わないと分からない部分が大きいんですよ。
インタビュアーとしてのスタンス

つちや:今後、どんな人にインタビューしてみたいとかありますか?
コマツ:実は・・・特にないんです。私は記者じゃないので、「この人に聞きたいから会いに行く」ってことはしてないんですよ。むしろ「こんな人も聞けますか?」って依頼されるのが好きなんです。
つちや:なるほど。じゃあ、モチベーションはどう保ってるんですか?
コマツ:頼まれたら頑張ろう、っていう感じですね。自分から「誰に聞こうかな」って考えるのは苦手なんです。インタビューサイトを作るって言われても、誰を選ぶかが全然思い浮かばなくて・・・。
つちや:でも、そうやって受け身でやってきた中でも続けられてるってすごいことですね。
コマツ:ありがたいことに、「コマツさんに来てほしい」と言ってもらえるのがまずモチベーションになりますし、今ってAIで文字起こしできる時代じゃないですか?それでも私に頼むってことは、やっぱり「人にしかできない部分」を求めてくださってると思うんです。
つちや:たしかに。インタビューされる側って、慣れてない人がほとんどですもんね。
コマツ:そうなんです。だから、「聞かれてよかった」って思ってもらえるように、リラックスしてもらう工夫を一番大事にしてます。インタビューって、内容よりも「その場の空気」が大事だったりするので。
インナーブランディングへの想い

つちや:今後、こういう仕事がしたいっていうのはありますか?
コマツ:はい、広報誌の立ち上げがやりたいんです。いわゆる「インナーブランディング」に関わる仕事ですね。
つちや:インナーブランディングというのは?
コマツ:社員インタビューとか採用サイトって、求職者向けに見せる「外向けの顔」なんですけど、それって同時に、社内の人にとっても「自分の会社を知る機会」になるんです。だから採用サイトを充実させることは、実はインナーブランディングにもなるんですよね。
つちや:なるほど、採用情報と現実がズレると、逆効果にもなりますもんね。
コマツ:そう。だから最近は「内面を見せて人を集める」から、「内面を見せて入った人を定着させる」方向に変わってきてると思います。
つちやへの印象
つちや:最後に・・・僕への印象を聞いてもいいですか?
コマツ:うーん、そうですね(笑) いろんなことを幅広くご存知なので、何でも質問できる安心感がある人。ダメなジャンルがほぼないというか。
つちや:ダメなジャンル?デザイン?
コマツ:いやいや、デザインが何たるかもご存じじゃないですか?自分でやらなくても。例えばこのジャンルのことがしたいんだと言ったら、「このデザイナーさんを知ってるよ」とか、ちゃんと繋げられるじゃないですか。世の中のことを私よりもすごくご存知だから、それってすごい信頼できることだと思います。
つちや:何でも聞いてください(笑)悪い点は?
コマツ:遠慮しすぎ、気遣いすぎです。
つちや: そこまで気使ってないけど・・・(笑)
「聞く力」をもっと活かしていきたい

つちや:じゃあ今後、自分の強みってどこにあると思いますか?
コマツ:「聞く力」かな。あと、相手の言葉を丁寧に扱って、それを文章に整えるところ。表に出すというより、「誰かの想いを整える」仕事が向いてると思います。
つちや:めちゃくちゃ武器になる力やと思う。
コマツ:ありがとうございます。だからこれからも、聞くこと・言葉にすることに、ちゃんと向き合っていきたいですね。
コマツマヨ プロフィール

奈良県桜井市出身、滋賀県在住のフリーライター・インタビュアー。2012年からフリーランスとして活動を開始し、13年のキャリアを持つ。チーズタルト『PABLO』の元広報主任を経て、多彩なジャンルで執筆活動を展開中。
Webサイトやパンフレット制作のライティングを中心に、企業の広報誌編集や企画にも携わる。特にインタビューを得意とし、「相手の言葉をありのまま引き出す」ことにこだわりを持つ。徹底的な下調べをあえてせず、先入観なく対象者の言葉に耳を傾ける独自のインタビュースタイルが評価されている。
「聞かれてよかった」と思ってもらえる対話を大切にし、リラックスした空間づくりを第一に考える聞き手として、多くの企業から信頼を寄せられている。物流・医療・教育など多様な業界のプロジェクトに対応できる「丸投げできるライター」として、どんな現場でも形にする実行力が持ち味。
ライティングとインタビューに困ったらコマツマヨへご連絡ください→コマツマヨのサイト