やってはいけないブログ集客:自分の商品・サービスを宣伝する・売り込む記事が逆効果な理由

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
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「ブログを一生懸命更新しているのに、全然問い合わせが来ない…」
「アクセス数はそこそこあるのに、なぜか読者がすぐに離れてしまう…」
「記事を書いても書いても、まったく売上につながらない…」

そんな悩みを抱えているあなた、一度冷静に自分のブログを見返してみてください。もしかすると、自分の商品やサービスの宣伝ばかりしていませんか?

こんにちは、つちやたけしです。今日は多くの企業が知らず知らずのうちに犯してしまう「宣伝しすぎののワナ」について詳しくお話しします。

自分の商品・サービスの宣伝ばかりするブログは、読者から完全に見放されてしまい、集客効果を根本的に落としてしまうリスクがあります。

目次

なぜ多くの企業が「宣伝記事ばかり」になってしまうのか?

まず、なぜこの問題が起こるのかを理解しましょう。私がコンサルティングで出会った企業の中には、以下のようなパターンが見られます。

理由1:「商品を知ってもらえば売れる」という勘違い

多くの経営者が「自分の商品・サービスの素晴らしさを伝えれば、お客さんは買ってくれるはず」と考えています。

確かに、商品の良さを伝えることは重要です。しかし、それだけでは現代の消費者は動きません。なぜなら、現代の消費者は、

• 情報過多で広告に慣れきっている
• 露骨な売り込みに対して強い拒否反応を示す
• 信頼関係が築けていない相手からは買いたがらない
• 自分の問題解決につながるかどうかを最重視する

つまり、商品の説明だけでは「だから何?私にどんなメリットがあるの?」という反応しか得られません。

理由2:「ブログ=商品宣伝」という古い発想

「ブログは商品宣伝の延長」という古い考え方を持っている経営者も多くいます。

しかし、これは完全に間違った認識です。ブログの目的は、PR、つまり商品宣伝ではありません。

ブログは、

• 読者の問題を解決するための情報提供ツール
• 専門家としての信頼を築くためのコミュニケーションツール
• 長期的な関係性を構築するためのメディア

会社案内のような一方的なビジネス情報の発信だけでは、現代の読者は見向きもしてくれません。

理由3:「何を書けば良いかわからない」という迷い

専門的な内容を書くのは難しいし、何を書けば良いかわからない。だったら自分の商品やサービスについて書くのが一番簡単だから、それについて書く。

これもよくある思考パターンです。しかし、これは「楽な道」を選んだ結果、最も効果の低い方法を選択してしまっています。

理由4:「売上を上げたい」という焦り

「ブログを書くからには、すぐに売上につなげたい」という焦りから、ついつい商品の宣伝に走ってしまう。

気持ちはよくわかりますが、これは「種を蒔いてすぐに収穫したい」と言っているようなものです。信頼関係の構築には時間が必要なのです。

読者が「宣伝ブログ」を嫌う心理的理由

まず理解してほしいのは、現代の消費者が広告や宣伝に対して敏感になっているかということです。

テレビCM、ネット広告、DM、営業電話など、私たちは日常的に大量の宣伝にさらされています。その結果、消費者は宣伝に対する「免疫」を身につけています。

ブログを読みに来る読者は、何を求めているのでしょうか。商品の宣伝を見るためでしょうか?

違います。彼らが求めているのは、

「役に立つ情報」
「問題の解決策」
「新しい知識」

です。つまり、自分の人生をより良くしてくれる「価値」を求めているわけです。

ところが、宣伝ばかりのブログを見た読者の心境はどうでしょうか。

「また売り込みか」
「時間を無駄にした」
「この会社は自分のことしか考えていない」

といった負の感情が湧いてきます。これは企業にとって最悪のブランディングになってしまいます。

宣伝ばかりのブログが引き起こす深刻な問題

では、自分の商品・サービスの宣伝ばかりするブログは、具体的にどのような問題を引き起こすのでしょうか?

問題1:読者からの強烈な拒否反応

現代の消費者は、露骨な宣伝に対して非常に敏感です。宣伝記事ばかりのブログを見た読者の心境は以下のようなものです。

読者の本音

• 「また宣伝か…うんざりする」
• 「この人は自分のことしか考えていない」
• 「私の悩みを解決してくれる気がない」
• 「信用できないな」
• 「他のサイトを探そう」

問題2:検索エンジンからの評価低下

Googleは「ユーザーにとって価値のあるコンテンツ」を高く評価します。宣伝ばかりの記事は、以下の理由でSEO的にもマイナス評価を受けます。

• ユーザー体験の悪化:直帰率が高く、滞在時間が短い
• E-E-A-Tの欠如:Experience(経験)やExpertise(専門性)が感じられない
• 検索意図とのミスマッチ:読者が求める情報と宣伝内容がズレている
• コンテンツの薄さ:独自性や専門性に欠ける

結果として、検索順位が上がらず、オーガニック検索からの流入も期待できなくなります。

問題3:専門家としての信頼性失墜

宣伝ばかりのブログは、あなたの専門家としての信頼性を大きく損なってしまいます。

信頼性を損なう理由

• 読者の利益よりも自分の利益を優先していると思われる
• 専門知識を活かして価値提供する意図が感じられない
• 「売ることしか考えていない人」というイメージがつく

特に士業(税理士、行政書士、司法書士など)の先生や医療関係者にとって、この信頼性の失墜は致命的です。

問題4:口コミ・紹介の機会損失

宣伝ばかりのブログは、読者に「誰かに紹介したい」「SNSでシェアしたい」という気持ちを起こさせません。

口コミが起こらない理由

• 読者にとってメリットのある情報がない
• 感動や共感を生むコンテンツがない
• 「この人は信頼できる」という印象を与えられない
• シェアしても友人に価値を提供できない

口コミや紹介は、最も質の高い集客手段です。この機会を失うことは、長期的に大きな損失となります。

問題5:競合他社との差別化ができない

商品・サービスの宣伝ばかりだと、競合他社との違いが全く伝わりません。

どの会社も似たようなことを言っているため、読者は「どこも同じようなものか」と感じてしまい、最終的に価格だけで判断されてしまいます。

これは、あなたの専門性や独自性を全く活かせていない状態です。

読者の心理と行動パターンを理解する

宣伝記事ばかりのブログがなぜ失敗するのかを理解するために、読者の心理と行動パターンを詳しく見てみましょう。

読者の情報収集行動

現代の消費者は、以下のような段階を経て購入を決定します。

情報収集段階

  1. 問題認識:「こんな問題で困っている」
  2. 情報収集:「解決方法を調べよう」
  3. 解決策の理解:「こういう方法があるんだ」
  4. 専門家探し:「信頼できる専門家はいないかな」
  5. 比較検討:「どの専門家が良いだろう」
  6. 決定:「この人にお願いしよう」

重要なのは、この段階の1〜3で、読者は「商品の宣伝」ではなく「問題解決の情報」を求めているということです。

宣伝記事に対する読者の反応

宣伝記事ばかりのブログを見た読者の典型的な反応は以下の通りです。

【第一印象(3秒以内)】

• 「あ、また宣伝か…」
• 「私の求めている情報はなさそう
• 「戻るボタンを押そう」

【少し読んでみた場合(30秒以内)】

• 「自分のことばかり書いてある」
• 「私の悩みには答えてくれなさそう」
• 「他のサイトを探そう」

【最後まで読んだ場合(稀)】

• 「結局何が言いたかったの?」
• 「私にとってのメリットがわからない」
• 「この人に相談したいとは思わない」

このように、どの段階でも否定的な反応しか得られないのです。

信頼される専門家の情報発信パターン

一方、読者から信頼される専門家の情報発信パターンは以下のようなものです。

【読者の反応(第一印象)】

• 「おっ、私の求めている情報がありそう」
• 「この人は詳しそうだな」
• 「もう少し読んでみよう」

【読み進めた場合】

• 「なるほど、勉強になる」
• 「この人は私の立場で考えてくれている」
• 「専門的だけどわかりやすい」

【最後まで読んだ場合】

• 「この人なら信頼できそう」
• 「相談してみたいな」
• 「友人にも教えてあげよう」

この違いを生むのが、「価値提供ファースト」のコンテンツ戦略です。

正しいコンテンツバランス

では、どのようなバランスでコンテンツを作成すれば良いのでしょうか?

それが、価値提供8割、宣伝2割の法則です。

私が1,000社以上をサポートしてきた経験から導き出した最適なバランスは「価値提供8割、宣伝2割」です。

価値提供8割の内容

【読者の問題解決に役立つ情報(60%)】

• 業界の専門知識をわかりやすく解説
• よくある問題とその解決方法
• 法改正や制度変更の影響と対策
• 失敗事例とその教訓
• 成功のためのポイントやコツ

【読者の疑問に答える情報(20%)】

• よくある質問への回答 • 業界の常識、非常識 • 選び方のポイント
• 注意すべき点
• 最新トレンドの解説

宣伝2割の内容

【間接的な専門性アピール(15%)】

• 実際の相談事例(個人情報に配慮)
• 業界での経験談
• 勉強会や研修での学び
• 同業者との情報交換から得た知見

【直接的な宣伝(5%)】

• サービス内容の紹介
• 料金体系の説明
• お客様の声
• 問い合わせ方法

この「8:2の法則」により、読者にとって価値のあるブログを作りながら、自然にあなたの専門性をアピールすることができます。

価値提供→信頼構築→自然な成約の流れ

正しいブログ運営は、以下のような流れで読者との関係を構築していきます。

ステップ1:価値提供による第一印象の改善

まず、読者の問題解決に役立つ情報を提供することで、良い第一印象を与えます。

【読者の心境変化】

• 「この情報、役に立つな」
• 「この人は詳しそうだ」
• 「私のことを考えてくれている」

ステップ2:継続的な価値提供による信頼構築

複数の記事を通じて、継続的に価値のある情報を提供し続けます。

【読者の心境変化】

• 「この人の記事はいつも勉強になる」
• 「専門知識が豊富で信頼できる」
• 「私の立場で考えてくれる専門家だ」

ステップ3:専門性の自然なアピール

価値提供の過程で、自然にあなたの専門性や経験をアピールします。

【読者の心境変化】

• 「この人は実務経験が豊富だ」
• 「同じような問題を解決してくれそう」
• 「相談してみたいな」

ステップ4:自然な問い合わせの発生

信頼関係が構築された結果、読者から自然に問い合わせが来るようになります。

【読者の心境変化】

• 「この人になら安心して相談できる」
• 「きっと良い解決策を提案してくれるはず」
• 「問い合わせしてみよう」

この流れにより、押し売り感なく、自然に成約につなげることができるのです。

今すぐできる具体的改善アクション

ここまで読んで「自分のブログも宣伝ばかりになっているかも…」と感じた方に、今すぐ実行できる具体的なアクションプランをお示しします。

アクション1:現状分析

過去6ヶ月間に投稿した記事を以下のカテゴリーに分類してください。

【分類基準】

• A:読者の問題解決に役立つ記事 例:「○○の方法」「○○の対策」「○○の選び方」
• B:専門知識の解説記事 例:「○○とは何か」「○○の仕組み」「○○の基礎知識」
• C:自社サービスの宣伝記事 例:「新サービス開始」「料金改定」「設備紹介」
• D:会社・個人の近況報告 例:「今日の出来事」「イベント参加報告」「スタッフ紹介」

【理想的な割合】

• A:50%
• B:30%
• C:15%
• D:5%

【問題のある割合(改善が必要)】

• C:30%以上
• D:20%以上

アクション2:宣伝記事の見直し

Cカテゴリー(宣伝記事)が30%を超えている場合は、以下の対応を行ってください。

【見直しの方針】

• 削除する記事:露骨な宣伝で価値提供がゼロの記事
• リライトする記事:少し修正すれば価値提供記事に変更できるもの
• 残す記事:適度な宣伝で、読者にとっても有益な情報を含むもの

【リライトの具体例】

改善前(ダメな例): 「当院では最新のCT設備を導入しました。高精度な診断が可能で、より安全な治療を提供できます。ぜひご利用ください。」

改善後(良い例): 「歯科治療での『見えない』リスクとCT検査の重要性について」 → CT検査の必要性、従来のレントゲンとの違い、患者さんのメリットを詳しく解説し、最後に「当院でも導入しています」と軽く触れる

アクション3:読者ニーズの調査

価値提供記事を書くために、読者が本当に知りたい情報を調査します。

【調査方法】

• 既存顧客への質問:「どんな情報があれば役立ちますか?」
• Yahoo!知恵袋の検索:あなたの業界関連の質問をチェック
• Googleの関連キーワード:「○○ 方法」「○○ やり方」で検索
• 競合サイトの分析:人気記事のテーマを参考にする

【業種別ニーズ例】

税理士の場合 

• 確定申告の具体的なやり方
• 節税の方法と注意点
• 税務調査への対応方法
• 開業時の手続き
• 経理の効率化方法

美容師の場合

• 髪質別のケア方法
• 自宅でできるスタイリング
• ダメージ修復の方法
• 季節ごとのヘアケア
• 年代別のヘアスタイル

歯科医の場合

• 正しい歯磨きの方法
• 虫歯予防の具体策
• 歯周病の初期症状と対策
• 子供の歯のケア方法
• 痛みが出た時の応急処置

アクション4:価値提供記事の作成計画

調査結果を基に、3ヶ月分の価値提供記事計画を立てます。

【記事作成の指針】

• 1記事2,000字以上
• 読者の具体的な問題を解決する内容
• あなたの専門知識を活かした独自性のある情報
• 宣伝は最小限(記事の5%以下)

効果的な価値提供の記事の書き方

価値提供記事を書く際の具体的なテクニックをお伝えします。

構成のテンプレート

【導入部分(全体の10%)】 • 読者の悩みや問題を明確に提示 • 「この記事を読めば○○がわかります」という約束 • あなたの経験・実績を簡潔に紹介

【本文(全体の80%)】 • 問題の原因や背景の説明 • 具体的な解決方法を段階的に説明 • 実例や事例を交えてわかりやすく • 注意点や失敗パターンも併せて紹介

【まとめ(全体の10%)】 • 要点の簡潔なまとめ • 読者が取るべき次のアクション • 必要に応じて軽い相談誘導

価値提供を最大化する7つのポイント

  1. 具体性を重視する 抽象的な説明ではなく、具体的な手順や数字を示す
  2. 実体験を盛り込む あなたの実際の経験や、顧客の事例(匿名化)を紹介
  3. 図解や表を活用する 文字だけでなく、視覚的にわかりやすく説明
  4. よくある質問に答える 読者が疑問に思いそうなポイントを先回りして解説
  5. 最新情報を反映する 古い情報ではなく、常に最新の状況に基づいて執筆
  6. 読者の立場で考える 専門家の視点ではなく、読者の立場で必要な情報を提供
  7. アクションを促す 読んだ後に読者が具体的に何をすべきかを明示

長期的な関係構築のための継続戦略

価値提供による集客は、短期間で結果が出るものではありません。長期的な関係構築のための継続戦略をお伝えします。

継続戦略1:定期的な価値提供

週2〜3回のペースで、継続的に価値のある情報を提供し続けます。

【継続のコツ】

• 無理のないペースを設定する
• ネタ切れしないよう、常にアンテナを張っておく
• 読者からの質問やコメントをネタにする
• 業界の動向や法改正を記事にする

継続戦略2:読者とのコミュニケーション

一方的な情報発信ではなく、読者とのコミュニケーションを大切にします。

【コミュニケーション方法】 • コメント欄での質問に丁寧に回答 • 読者からのリクエストに応えた記事作成 • SNSでの交流 • メルマガやLINE@での個別対応

継続戦略3:専門性の継続的向上

常に最新の知識を身につけ、専門性を向上させ続けます。

【スキルアップ方法】

• 業界セミナーへの参加
• 専門書の定期的な読書
• 同業者との情報交換
• 資格取得や研修受講

価値提供ファーストが最強の集客戦略

今日お話ししたように、自分の商品・サービスの宣伝ばかりするブログは、読者から完全に見放されてしまい、集客効果を根本から破壊してしまいます。

しかし、逆に言えば、「価値提供ファースト」の戦略を正しく実行することで、競合他社を大きく引き離し、読者から圧倒的な信頼を獲得することができるということでもあります。

今すぐ始めるべき5つのアクション

  1. 現状分析:過去記事の分類(価値提供/宣伝の割合確認)
  2. 宣伝記事の見直し:露骨な宣伝記事の削除・リライト
  3. 読者ニーズ調査:本当に求められている情報の把握
  4. 価値提供記事計画:3ヶ月分の記事テーマ・スケジュール作成
  5. 継続体制構築:長期的な価値提供を続けるための仕組み作り

この改善により、あなたのブログは確実に変わります。そして、その変化は必ず以下の形で現れるでしょう。

• 読者の滞在時間大幅向上
• 自然な問い合わせの増加
• 専門家としての認知度向上
• 口コミ・紹介の自然発生
• 最終的な売上・収益の大幅増加

「でも、商品の宣伝をしないで本当に売れるの?」

そう不安に思う方もいるかもしれません。しかし、心配はいりません。価値提供により信頼関係を築けば、読者の方から「この人にお願いしたい」と言ってくれるようになります。

それが、押し売りではない、本当の意味での「選ばれる専門家」になる道です。

今日から、あなたのブログを「読者にとって本当に価値のある情報源」に変えていきましょう。

その第一歩は、「自分の宣伝をすることをやめて、読者の問題解決に集中する」ことから始まります。

価値提供ファーストのブログは、一度軌道に乗れば、24時間365日、あなたの代わりに信頼関係を築き続ける最強のマーケティングツールになってくれます。その価値は、時間が経つほど、そして提供する価値が積み重なるほど、指数関数的に大きくなっていきます。

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
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