
「昨日まで5位だったのに、今日は8位に落ちました!どうしたらいいですか!?」
朝から連絡が入る。この社長さん、毎日10回以上は検索順位をチェックされています。1位上がるだけで血圧が上がる。これ、本当に体に悪いですよね。
「順位に一喜一憂しすぎて本業がおろそかになる」というのは、真面目で行動力のある経営者さんほど陥るケースがあります。特に一つのキーワードだけに執着すると、精神的に長続きしません。
今日は、なぜひとつのワードに一喜一憂するとダメなのか、どういう心構えでSEOと向き合うべきか、解説します。
一喜一憂する社長
一つのワードで一喜一憂されるパターンをまとめてみます。
パターン1:毎日10回以上チェックする社長
たとえば、下のような感じです。
1日のルーティン
- 朝6時:起きてすぐスマホで順位チェック
- 9時:出社してPCで順位チェック
- 12時:昼休みにスマホで順位チェック
- 15時:休憩時間に順位チェック
- 18時:退社前に順位チェック
- 21時:帰宅後に順位チェック
- 23時:寝る前に順位チェック
結果
- 順位が1つ上がると大喜び
- 順位が1つ下がると落ち込む
- 朝から晩まで順位のことばかり考える
- 本業の仕事に集中できない
- スタッフにも「今日は何位だった!」と毎日報告
パターン2:順位が下がるとあわてる
行動:
- 深夜1時にチャットが入る
- 翌朝8時に「緊急ミーティングしたい」
- 「Googleにペナルティを受けたんじゃないか」
- 「サイトを全部作り直すべきか」
確認したら
- ペナルティなし
- よくある一時的な変動
- 3日後には元に戻る
無駄に消費したもの
- 精神的ストレス:計り知れない
- 時間:2日間ほぼ順位のことだけ考える
- スタッフの時間:緊急ミーティングで4時間拘束
パターン3:ひとつの順位だけ見て全体の順位を見ない
現実
- 「梅田 美容室」:15位
- でも他のキーワードは好調:
- 「梅田 美容室 カット うまい」:3位
- 「梅田 美容室 白髪染め」:2位
- 「梅田 美容室 トリートメント」:4位
- 「梅田駅 美容室 安い」:5位
実際の成果
- 月間予約:30件
- 順調に増加中
- お客様の満足度も高い
なぜひとつのワードに一喜一憂してはいけないのか?
理由1:検索順位は毎日変動するのが普通
Googleのアルゴリズム
- 1日に何度も微調整が入る
- パーソナライズ検索で人によって順位が違う
- 地域によっても順位が違う
- デバイスによっても順位が違う
「絶対的な順位」なんて存在しないです。
実験してみてください
- あなたのスマホで検索
- PCで検索
- シークレットモードで検索
- 友達のスマホで検索
全部微妙に順位が違う場合があります。
理由2:ひとつのキーワードだけでは経営は成り立たない
仮に「大阪 税理士」で1位を取ったとして・・・
- 月間検索数:数百回から数千回
- クリック率:30%(1位の場合)
- 流入数:300人
- 成約率:1%(かなり高い設定)
- 成約数:1件
これだけで会社が回りますか。
一方、複数キーワードの合計だと、
- 「大阪 相続税 税理士」:月1件
- 「大阪 確定申告 税理士」:月1件
- 「大阪 法人税 相談」:月1件
- 「大阪 税理士 顧問料 安い」:月1件
- …他50キーワード:月各1〜10件
合計:月1〜5件
複数ワードのほうが安定しますし、そうやってる会社のホームページほど、集客が上手くいっています。
理由3:精神的に持たない
順位に一喜一憂すると
- 朝から晩まで検索順位のことを考える
- 本業に集中できない
- 睡眠の質が下がる
- イライラして周りに当たる
- 家族との時間も楽しめない
SEOのために健康を害したら、本末転倒です。
正しいSEOとの向き合い方
1. 複数キーワードで評価する
見るべき指標
❌ 「大阪 税理士」の順位だけ
⭕ 対策している全キーワードの平均順位。
全体が上がっていればOK。
2. 順位より大切な指標を見る
本当に見るべき数字
- 月間オーガニック流入数
- 順位が下がっても流入が増えることもある
- これが一番大切
- 問い合わせ数・成約数
- 順位10位でも成約が多ければ成功
- 順位3位でも成約がなければ失敗
- 滞在時間・直帰率
- 訪問者が満足しているかの指標
- コンバージョン率
- どれだけ成果につながっているか
極端な例: 順位8位で月20件問い合わせ > 順位3位で月5件問い合わせ
3. チェック頻度を減らす
おすすめのチェック頻度
- 経営者自身:月1回で十分
- 担当者:週1回
- 詳細分析:月1回
毎日チェックするのは
- 時間の無駄
- 精神的に悪い
- 短期変動に振り回される
代わりにすべきこと
- コンテンツの改善
- お客様との対話
- サービスの向上
- スタッフの育成
4. 長期的な視点を持つ
SEOは長期戦
- 効果が出るまで:4ヶ月〜1年
- 安定するまで:1〜2年
- 本格的に強くなるまで:2〜3年
1日単位の変動で一喜一憂するのは: マラソンを100m走のペースで考えるようなもの。
SEOは長期戦、全体戦
- 全体を俯瞰して見る
- 長期的な視点を持つ
- 数字に振り回されない
- 本業に集中する
SEOの順位は、あくまで「手段」であって「目的」じゃありません。本当の目的は「お客様に見つけてもらうこと」「問い合わせを増やすこと」「売上を上げること」です。
ひとつのキーワードで一喜一憂している時間があるなら、お客様と話す時間に使ってください。そっちの方が絶対に成果につながります。
SEOは大切です。でも、SEOのために人生を犠牲にする必要はありません。もっと気楽に、長期的な視点で取り組みましょう。
順位は上がったり下がったりするもの。それが普通です。全体が少しずつ良くなっていれば、それで十分。
深呼吸して、本業に集中してください。