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大阪で値上げを伝える方法|共感から入る6つの順番と、文章の前に決めること

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。

値上げを決めたあと、多くの人が最初に悩むのは「どう書けばいいか」です。言葉選びで何日も止まってしまう。

でもお客さんが離れるかどうかを決めているのは、言葉のうまさではありません。伝える順番です。同じ内容でも、どこから話し始めるかで受け取り方がまったく変わります。

金額から入ると一方的な通知になり、相手の状況への理解から入ると対話になります。

今回は、値上げを伝えるときの6つの順番と、文章を書く前に決めておくことを、大阪という土地の特性を踏まえて整理します。

目次

値上げは伝える順番で結果が変わる

値上げを伝えるというのは、単に「価格が変わります」とお知らせすることではありません。

お客さんの気持ちを理解したうえで、納得してもらい、価値を感じてもらい、受け入れてもらう。この3つが成立するように組み立てる作業です。

ここで差がつくのが順番です。たとえば同じ案内文でも、冒頭が金額の通知で始まるものと、相手の負担への理解から始まるものでは、読み終えたときの印象が別物になります。

前者は押しつけられた感覚が残り、後者は相談を受けた感覚になります。書いてある情報は同じなのに、です。

もうひとつ大事なのが、文章を書く前の設計です。誰に、いつ、どの順番で伝えるか。これが決まっていないと、どんなに丁寧な文章でも反発が出ます。

たとえば長年通ってくれている常連さんが、新規向けのSNS投稿で値上げを知ってしまったとします。文面が丁寧でも「自分は後回しにされた」という印象が残ります。これは言葉の問題ではなく段取りの問題です。

逆に設計と順番が整っていれば、文章は凝らなくて構いません。素朴な一枚の案内でも受け入れられます。

大阪は価格にシビアな街。だからこそ順番がいる

大阪は昔から商人の街と言われてきました。値段の話を正面からする文化があり、「それ、なんでその値段なん」と聞かれることを嫌がらない空気があります。値引き交渉も日常の会話の一部です。

値上げをする側から見ると、やりにくい土地だと感じるかもしれません。

実際、価格への感度は高いです。ただ別の見方をすると、大阪のお客さんは価格の話から逃げません。きちんと順番を踏んで話せば、聞いてくれる相手でもあります。

一番きらわれるのは、ごまかしです。値上げしたのに黙っている。理由を聞いても「いろいろありまして」で済ませる。メニューの金額だけこっそり書き換える。

こういう対応をすると、価格が上がったこと以上に「隠された」という部分で信頼を失います。大阪で値上げがうまくいかないケースは、金額の大きさよりこのパターンが多いです。

ビジネス街のお客さんは理由の筋を見る

淀屋橋や北浜のようなビジネス街では、証券会社・商社・金融機関に勤める方や、取引先を回っているビジネスパーソンが中心です。この層は値上げそのものを異常事態とは思っていません。自社でも価格改定をしているからです。

ただし理由の筋は見ます。原価が上がったのか、人件費なのか、サービス内容が変わったのか。説明に一貫性がないと「適当に上げたな」と判断されます。数字を添えて短く説明するほうが通りやすい相手です。

繁華街のお客さんは体感で判断する

難波、心斎橋、天王寺、京橋、鶴橋といったエリアは、そのエリア自体が目的地になっている客層が多いです。会社帰りに一杯、観光のついでに一軒、食べ歩きで何軒か。こういう方は理由の説明を細かく読みません。

この層が見ているのは体感です。前より量が減ったと感じるか、サービスが落ちたと感じるか。値段が上がっても満足度が変わらなければ、理由を知らないまま普通に来てくれます。

ベッドタウンのお客さんは生活費として比べる

豊中市・吹田市・茨木市などの北摂地域や堺市は、大阪市内へ通勤する方が暮らすエリアです。ここでの値上げは、生活費の中での比較になります。毎月の支出として他の選択肢と並べられます。

この層には猶予期間が重要です。急に上がると家計の組み替えが間に合わず、やめる判断に傾きます。早めに知らせておけば「じゃあここは続けよう」という調整をしてもらえます。

前提として、十分な事前告知をする

6つの順番に入る前に、ひとつ土台があります。十分な事前告知です。

これは最後の手順ではありません。メッセージ全体にかかる前提条件として扱ってください。急な通知は、押しつけられたと感じる心理的な抵抗を強めます。どんなに順番を工夫しても、知らされたのが当日なら抵抗は消えません。

必要なのは、相手が検討したり質問したりできる時間を確保することです。続けるか考える時間、予算を組み替える時間、まとめ買いしておく時間。この時間を渡しているかどうかが、丁寧さとして伝わります。

告知期間は、契約の形、購入の頻度、業種、金額によって調整します。

毎週来るような店なら1ヶ月前で足ります。月に1回程度なら2ヶ月前、年単位の契約なら更新の3ヶ月以上前が目安です。判断の基準は、お客さんが考えて決める時間が取れるかどうかです。次回の利用までに接点が1回しかないなら、その接点では遅すぎます。

値上げを伝える6つの順番

事前告知ができている前提で、メッセージの中身をこの順番で組みます。どれも特別な言葉は要りません。置く場所を間違えないことだけが大事です。

共感を先に伝える

いきなり金額を通知しないでください。まず相手の状況や負担への理解を言葉にします。

ご負担をおかけすることは理解しています。

これだけでいいです。相手への配慮を最初に置くことで、一方的な通知ではなく対話として受け取られやすくなります。考え方としては、相手の感情をまず受け止めてから要件に入る、という進め方です。

ここを飛ばして金額から入ると、あとに何を書いても言い訳として読まれます。順番の中でここが一番効きます。

理由を透明にする

値上げの理由を隠さず説明します。原材料費、時間のコスト、品質の維持、提供する内容の変化。正直なものでいいです。

理由を言わない値上げは、お客さんの頭の中で勝手に理由が作られます。そしてその想像はたいてい実際より悪い方向に振れます。儲けたいだけなんやろ、客が増えて調子に乗ってる、といった受け取り方です。

ここでひとつ気をつけたいのは、理由だけで終わらせないことです。何を守るための改定で、何を良くするための改定なのかまで伝えます。苦しいから上げます、では応じる理由がありません。

あと、過剰に正当化しないでください。理由を長く並べるほど苦しく見えます。落ち着いて必要な分だけ説明するほうが信用されます。

これまでの価値を確認する

値上げを明示する前に、これまで提供してきた成果や、お客さんが得てきた良い変化を思い出してもらいます。

これまで、○○や△△の点をご評価いただいてきました。

過去に相手自身が価値を認めた経験、お客様の声、継続して使ってくれている実績。こういうものを確認してもらうと、新しい価格だけを単独で比べられにくくなります。人は自分が過去に認めたことと矛盾しない判断をしようとするためです。

ここを飛ばすと、新価格が他社の価格とだけ並べられます。そうなると勝ち目は値段の安さだけになります。

値上げを明示する

理由と価値を伝えたあとで、値上げする事実をはっきり書きます。曖昧にしません。

いつから、現在いくらで、改定後はいくらになるのか。この3つを誤解のない形で伝えます。本題を隠したり、最後まで引き延ばしたりしないでください。

ここで濁すと、せっかく積み上げた共感と理由が台無しになります。言いにくいことをはっきり言える人のほうが信用されます。

選択肢を用意する

既存客への据え置き期間、段階的な移行、軽いプランと標準と上位のプラン。選べる余地を用意します。

人は何かを失うことに強く反応します。だから「受け入れるか、やめるか」の二択にしないでください。選択肢があるだけで、押しつけられた感覚が減ります。

据え置き期間を設けるなら、理由と終わりを明示します。長く使っていただいている方は半年間は現行価格、という形です。理由も期限もないまま人によって価格が違う状態が続くと、そちらが問題になります。

価値追加と前向きな締めを伝える

値上げだけを伝えて終わらないでください。新しいサービス、機能、特典、品質の維持、サポートの充実。こうしたものと一緒に伝えます。

単なる価格変更ではなく、商品やサービスの改善として理解してもらうためです。大がかりなリニューアルは必要ありません。予約が取りやすくなった、待ち時間が減った、保証期間が延びた、相談の回数が増えた。お客さんが日常的に不便を感じている部分を一つ直すだけで、価格以上の体感差が出ます。

ただし、自分の負担が増え続ける追加サービスは避けてください。続けられない約束をすると、次の改定でまた苦しくなります。継続して提供できる価値に絞ります。

そのまま使える値上げ案内の型

6つの順番を文章にすると、こういう形になります。

いつもご利用いただき、ありがとうございます。

今回の価格改定により、ご負担をおかけすることは十分理解しています。

原材料費や運営コストが上昇するなか、現在の品質とサポートを維持し、今後も安心してご利用いただけるサービスを続けるため、価格を見直すことになりました。

これまで、お客様には○○や△△の点をご評価いただいてきました。今後もこれらの品質を守り、さらに□□を強化してまいります。

そのため、○年○月○日より、現在の○○円から○○円へ価格を改定いたします。

既存のお客様には○月まで現在の価格を適用します。また、ご利用状況に応じて○○プランもお選びいただけます。

価格改定後も、○○の追加やサポートの充実を通じて、これまで以上にお役に立てるサービスを目指します。ご不明な点やプランについてのご相談がございましたら、個別にご説明いたします。

媒体によって長さは変わります。店頭の案内なら短く、メールや書面なら上の形のままで構いません。順番だけ崩さないでください。

やりがちな順番の間違い

実際に多い失敗は、だいたい4つに分かれます。

よくある形何が起きるか直し方
金額の通知から始める一方的な通達として読まれる共感を先に置く
謝罪と事情説明が長い自信がないように見える理由は必要な分だけにする
最後まで金額を書かない隠していると思われる理由と価値のあとで明示する
受け入れるかやめるかの二択比較検討が始まる据え置きやプランを用意する

特に多いのが2つ目です。

原材料費の高騰および諸経費の上昇により、誠に心苦しくはございますが

こういう書き出しで、自社の苦しさだけで終わる案内をよく見ます。読む側にとっては関係のない話です。何が変わるかを先に書く形に変えると、同じ内容でも印象が変わります。

この順番は値上げ以外にも使える

このフレームは値上げ専用のものではありません。相手にとって好ましくないことを伝える場面すべてに使えます。

納期が遅れるとき。条件を変更してもらうとき。依頼を断るとき。商談の途中で不利な情報を出さないといけないとき。どれも構造は同じです。

相手の負担を理解していると先に示し、理由を透明にし、これまでの関係を確認し、本題を明示し、選べる余地を用意し、前向きに締める。

たとえば納期の遅延なら、まず相手の予定に影響が出ることへの理解を示します。次に遅れる理由を正直に説明する。これまで守ってきた納期の実績に触れる。そして新しい納期をはっきり伝える。一部だけ先に納品する、代替案を出す、といった選択肢を添える。最後に、その後の進め方を前向きに書く。

断るときも同じです。順番を守るだけで、断ったのに関係が続くことがあります。逆に順番を外すと、受けたのに関係が悪くなることもあります。

値上げの案内を作る機会に、この順番を覚えてしまうのが得だと思います。使える場面が多いからです。

一律で上げるか、段階的に上げるか

ここから先は、文章を書く前に決めておくことです。まず値上げのやり方を決めます。全商品・全顧客を一斉に上げる一律値上げと、対象や時期を分けて進める段階的値上げがあります。

一律値上げ

全部を同じタイミングで同じように上げる方法です。利点はシンプルさです。説明が一本で済み、お客さんにとっても分かりやすい。価格表の管理も楽で、スタッフへの説明も混乱しません。

一方で反発は大きくなりがちです。全員が同時に影響を受けるため、不満も同時に出ます。離れる人がいた場合、それも同時に起きるので売上の落ち込みが一度に来ます。

段階的値上げ

対象や時期を分けて進める方法です。新規のお客さんから先に新価格にして既存は半年後にする。一部の商品だけ先に上げて様子を見る。一度に大きく上げず小刻みに上げていく。

利点はリスクの分散です。反発が強ければ残りの計画を調整できます。お客さんが離れるとしても一度にではないので、売上への影響をならせます。欠点は複雑になることです。同じサービスなのに人によって価格が違う期間ができるため、説明と管理の手間が増えます。

一律値上げ段階的値上げ
分かりやすさ高い低い
反発の大きさ大きい小さい
売上への影響一度に来る分散する
管理の手間少ない多い
途中での調整できないできる
向いている状況原価上昇が全商品に及ぶ、商品数が少ない顧客との関係が長い、商品数が多い

どちらか一方に決める必要はありません。主力商品は一律で上げ、オプションは段階的に調整する。新規は即日、既存は3ヶ月後、長期の契約先は次回更新時、という3段構えにする。組み合わせたほうが成功率は上がります。

既存のお客さんと新しいお客さんは分けて考える

見落とされやすいのが、この2つを一緒に扱ってしまうことです。価格の受け取り方がまったく違います。

既存のお客さんは前の価格を知っています。だから値上げを変化として受け取ります。比較対象は過去の自分の支払額です。新しいお客さんは前の価格を知りません。新価格が最初に見る価格なので、値上げという出来事自体が存在しません。比較対象は他社の価格です。

既存のお客さんには個別に伝える

既存のお客さんに必要なのは関係の確認です。金額の説明以上に、これからも来てほしいと思っているというメッセージが要ります。

一斉配信だけで済ませず、よく来てくれる方には口頭で先に話す、メールやLINEで名前を入れて送る。こういう手間が効きます。人数が多くて全員は無理なら、売上の上位から順にやります。

新しいお客さんは価格設定そのものを考える

新しいお客さんに対しては、伝え方よりも価格設定自体が論点です。新価格が市場の中でどう見えるか、同業と並べたときに説明がつくか。

ここで既存のお客さんに遠慮して新価格を低く抑えないでください。新しいお客さんから見れば単に安い価格です。そこから後で上げるとなると、また同じ問題が起きます。

BtoBの取引先は告知ではなく交渉になる

BtoCのお客さんへの値上げは告知で成立します。伝えて、受け入れるかを相手が決める。しかしBtoBの取引先への値上げは交渉です。相手にも社内の都合があり、受け入れるには手続きが必要です。

先に数字の根拠を揃えておく

取引先が最初に求めるのは根拠です。原材料が上がったので10%、では弱く、この部材が前年比で何%上がり原価構成のうち何割を占めるため、という形まで分解しておきます。

この資料は相手を説得するためだけのものではありません。相手の担当者が社内で使うためのものです。

担当者が社内で通せる材料を渡す

ここが一番の分かれ目です。取引先の担当者は、個人的に反対しているわけではないことが多いです。問題は、それを上司や経理に説明して承認をもらう作業が発生することです。

だから渡すべきなのは、お願いではなく社内で回せる材料です。改定前後の比較、理由、適用開始時期、他社との水準比較。担当者の仕事が減る提案は通りやすくなります。

落としどころを先に決めておく

値上げ幅を縮める、適用開始を遅らせる、数量をまとめてもらう、支払い条件を変える。どこまでなら譲れて、どこからは譲れないかを事前に決めておきます。

決めずに交渉に入ると、その場の勢いで譲りすぎます。逆に一切譲らない姿勢だと、相手の担当者が社内を通せません。落としどころを用意しておくことは、相手を助けることでもあります。

業種で変わる伝え方

同じ大阪の中でも、業種によって通し方は変わります。お客さんとの接触頻度、価格の見え方、代わりが見つかりやすいかどうかが違うからです。

業種主な伝え方気をつける点
飲食店店頭とメニュー改定を同時に量や質を落として帳尻を合わせない
サロン来店時に個別で先に伝える一斉告知だけで済ませない
製造業根拠資料を用意して交渉契約更新のタイミングを外さない
サービス業変わる内容を先に説明価値向上とセットにする
士業事前に時間を取って説明継続案件は特に早めに

サービス業は提供内容が目に見えにくいため、6つの順番のうち3番目と6番目が特に重要になります。価値が見えていないと、値上げがただの負担増として受け取られるからです。

売り込まずに価値が伝わる状態を作る

6つの順番の3番目で、これまでの価値を確認してもらうと書きました。ここで困るのが、確認してもらう材料が何もない場合です。

材料とは、実績、紹介、継続して使ってくれているお客さん、第三者からの評価です。こういうものがあると、自分で「うちはすごいです」と言わなくても価値が伝わります。お客様の声、事例、写真、推薦、数字で判断してもらう形です。

逆に、こうした材料を何も出していない事業者が値上げを伝えると、受け取る側は価値を判断する手がかりがありません。その状態では、どんなに順番を工夫しても金額の話だけになります。

ここで気をつけたいことがあります。本当に能力が高い人は売り込まない、という考え方を一律に当てはめないでください。それが成り立つのは、相手が品質を推測できる情報がすでにある場合だけです。無名の状態で何のシグナルも出していないと、謙虚なのではなく判断材料がないだけになります。

だから売り込まない姿勢と、価値を見える形にしておくことは両立させます。無理に売り切ろうとせず、質問には誠実に答え、合わない人には勧めない。そのうえで、実績や評価は見えるところに置いておく。この状態を作っておくと、値上げを伝えるときに3番目の順番が機能します。

大阪・梅田では、こうした値上げの進め方を扱うセミナーも開いています。自社の状況に合わせて順番や進め方を決めたい方は大阪の値上げセミナーもご覧ください。

値上げタイミング診断ツール

値上げタイミング診断

6つの質問に答えると、今が値上げのタイミングなのか、それとも先に整えることがあるのかが分かります。

質問 1 / 6

値上げを考えている一番の理由は何ですか

伝えたあとに見ておくこと

値上げは伝えて終わりではありません。むしろそのあとの数週間に結果が出ます。

見るのは売上ではなく件数です。売上は単価が上がるので、お客さんが減っても一時的に維持されることがあります。これで問題なかったと判断すると、数ヶ月後に落ちてきます。来店数、契約数、問い合わせ数を値上げ前と比べて追います。

次に、離れた相手の属性を見ます。価格だけで選んでいた層が抜けたのなら想定どおりです。長く付き合ってきた相手が抜けているなら、順番か段取りに問題があった可能性があります。この場合は個別に連絡を取る価値があります。

そしてスタッフの様子も見ます。お客さんから値上げについて聞かれたとき、スタッフが答えに困っていないかどうか。現場が理由を説明できない状態だと、せっかく組んだ順番が届きません。告知前にスタッフへの説明を済ませておくのが本来の段取りです。

よくある質問

値上げの相談でよく聞かれることをまとめました。

Q: 共感を先に書くと、謝っているように見えませんか?

A: 謝罪と共感は別のものです。申し訳ありませんと謝るのではなく、ご負担をおかけすることは理解しています、と相手の状況を認める形にします。謝ると自信がないように見えますが、理解を示すだけなら対等なままです。ここを混ぜないでください。

Q: 値上げの幅はどれくらいまでなら受け入れられますか?

A: 幅よりも、順番と価値向上がそろっているかどうかで決まります。説明なしの5%より、順番を踏んで改善を伴う15%のほうが通ることはよくあります。ただし一度に3割を超えるような改定は、どんな説明でも別のサービスになったと受け取られやすいので、段階的に分けることを検討してください。

Q: 値上げの理由が「自社の利益を上げたい」です。正直に言うべきですか?

A: そのままは伝えません。ただし嘘をつく必要もありません。利益を上げたい背景には、人を増やしたい、設備を直したい、サービスを続けたい、といった目的があるはずです。その目的を伝えてください。お客さんにとって意味があるのは、お金の使い先の話です。

Q: 選択肢を用意できる余裕がありません。それでも必要ですか?

A: プランを増やす必要はありません。据え置き期間を設けるだけでも選択肢になります。何月までは現行価格、という一文があるだけで、受け入れるかやめるかの二択から外れます。費用がかからない選択肢から考えてください。

Q: 取引先に値上げを断られました。どうすればいいですか?

A: 断られた理由を分けて考えてください。金額そのものが無理なのか、時期が合わないのか、社内を通す材料がないのか。多いのは3つめです。この場合は根拠資料を整えて出し直すと通ります。金額が本当に無理な場合は、数量や納期、支払い条件など別の軸で調整できないかを探します。

Q: 告知したあと、思ったより反発が少なくて驚きました。もっと上げてよかったのでしょうか?

A: 次の改定の判断材料になります。ただし立て続けに上げると、積み上げた信頼が崩れます。前回の改定から一定の期間を置き、その間に価値向上を実行してから次を検討してください。反発が少なかったのは、順番がうまくいった結果でもあります。

まとめ

値上げを伝える仕事は、うまい文章を書く仕事ではありません。順番を間違えない仕事です。

共感を先に伝える。理由を透明にする。これまでの価値を確認する。値上げを明示する。選択肢を用意する。価値追加と前向きな締めを伝える。この6つを、十分な事前告知を前提にして並べます。

そして文章を書く前に、一律か段階的かを決め、既存のお客さんと新しいお客さんを分け、BtoBの取引先は交渉として扱う。ここが決まっていれば、文章は難しくありません。

大阪は価格にシビアな土地です。ただしそれは、価格の話から逃げない相手だという意味でもあります。黙って上げることが一番きらわれ、順番を踏んで正面から話す姿勢は評価されます。ごまかさないことが、この土地では戦略になります。

この6つの順番は、納期の遅延や条件の変更、断りを伝えるときにも同じように使えます。値上げの案内を作る機会に、覚えてしまってください。

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
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