
集客してるのに売上が上がらない。この課題でよくご相談に来られます。
ネットで調べると、答えは下のようなものです。
- ターゲットが曖昧
- 導線の設計ができていない
- 発信の方法が間違っている
- 何の会社か分からない
- 実績やお客さんの声が載っていない
どれも起こり得ることです。ただ、すべてがホームページと発信の話になっています。その前に原因がある場合が考えられていません。
私がまずお聞きするのは「何をやっていますか」ではなく「今のお客さんは、どんな点で決めてくれましたか?」です。ここをお聞きすると、集客ではないところに原因がある場合があります。
原因は4つの点に分かれます
集客がうまくいかないとき、原因はこの4つのどこかにあります。
1、ビジネスモデル
誰に何をいくらで売って、どこで利益が出るのか。この組み立てそのものに無理がある状態です。
一度買えば済む商品を単発で売っている、仕入れの条件が悪くて値段で勝てない、商圏にお客さんの数がそもそも足りない。この場合、集客を強めても人を集めるだけで終わります。
2、商品力
売っているものの質が、同業と比べて足りていない状態です。
この層に原因がある場合は、集客より商品の改善が先になります。 Webで人を集めても、来た人が買わないか、買っても二度目が来ないためです。
見分け方があります。問い合わせは来ているのに成約しない、一度買った人が戻ってこない。 このどちらかが起きているなら、集客の問題ではありません。
3、営業力
問い合わせや紹介があっても、受注まで運べていない状態です。
人が足りていない場合もここに含まれます。営業できる人が辞めた、社長が現場に出ていて商談の時間が取れない。人材の枯渇が原因で営業力が落ちている会社は多くあります。
4、集客力
そもそも問い合わせの数が足りていない状態です。知られていないか、知られていても探されていません。
変えられない点を先に外します
4つの点が分かったら、次に改善点を探します。実際には上の2つを変えられない会社が多くあります。
ビジネスモデルを組み替えるには、商品を変えるか売り先を変えるか、どちらかの決断が必要になります。設備も人も契約も動きます。今期の売上を立てながら進めることが難しい層です。
商品力も同じです。原料や仕入れ、職人の技術、設備。上げるには時間とお金がかかります。
だから変更できない場合は、集客力と営業力を上げるしかありません。 現実的に動かせるのはこの2つです。
ただし商品力に明らかな問題があるなら、商品力の改善が先です。
上に書いたとおり、成約しない状態やリピートが起きない状態でアクセスを増やすと、満足しなかった人が増えることになります。この場合は集客を止めて商品力の改善に戻ります。
集客力を上げる順番
集客力から見ていきます。今やっていることによって、入る場所が変わります。
1、法人向けならSEOを長期で取り組む
法人を相手にする仕事で、SEOに手を付けていないなら、そこが一番大きいチャンスです。
法人の発注は検索から探されることがあります。担当者が社内で稟議を通し、与信を確認し、他社と比べるなど。このためにホームページとSEOが必要です。
ただし、これは長期の取り組みになります。
効き始めるまで半年から1年かかります。だから今日から始めたとしても、今月の売上を作る手段ではありません。 どんなことを書くか?はSEOのセミナーでも扱っています。
効き始めるまでの期間は、別の方法で集客することになります。
2、SNSは社長が率先してやる
SNSに手を付けていない会社も多くあります。担当できる人がいない、という理由がほとんどです。
人材が枯渇していて営業力が落ちているなら、社長がやるしかありません。
社長がやる理由は大いにあります。求人にも効くからです。
社長がSNSをやると、求人と集客が同時に動きます
ここが一番お伝えしたい内容です。
社長が発信すると、集客だけでなく求人にも効きます。 両輪になります。
小さい会社の求人で、応募する側が一番知りたいのは給与の次に「どんな人のところで働くのか」です。給与で大手に勝てない会社が選ばれるのは、立地や時間の融通、そして人間関係です。
社長の投稿は、その人間関係を先に見せる材料になります。
これは求人票では伝わりません。どんなことを考えていて、どんな話し方をして、現場で何が起きているのか。これが見えている会社と、何も見えない会社では、応募する側の判断が変わります。
そして人が入れば営業力が戻ります。
営業力が戻れば、集客で取った問い合わせを受注に運べるようになります。集客力と営業力の両方が、同じ1つの動きで動きます。
投稿する内容は、商品の宣伝ではありません。現場の様子、作っているもの、働いている人、困って解決した話。宣伝ばかりの投稿が売上を下げる理由にも書いていますが、売り込む投稿が並ぶと逆に離れていきます。
実際に社長が自分で投稿して結果が出た例もあります。Facebookで売上が上がった衣料店の事例です。担当者を雇わず、オーナー自身が続けた形でした。社長が自分で動かす前提であればFacebookのセミナーで手順をお伝えしています。
求人ページの作り方は採用のセミナーでも扱っています。
予算がない場合は、お金をかけない戦い方になります
集客にかける予算が足りない、という相談も多くあります。
この場合はアイデアと社長が動くことで予算を節約する形になります。広告を出せないなら、出さずに届く方法を選びます。
1、お金をかけない弱者の戦い方を選ぶ
資金がある会社と同じやり方はできません。全体を相手にすると、広告でも人員でも負けます。
狭い範囲を選んで、そこで一番になる形を取ります。地域を狭める、客層を狭める、扱うものを狭める。小さくするやり方についてはニッチ市場の見つけ方に書いています。
2、いきなり販売を目指さない
予算がない状態で一番やりがちなのが、すぐ売ろうとすることです。
知られていない会社が売り込むと、断られる回数が増えます。
まずは、販売をせずに関係を作って、相手が必要になったときに思い出される状態にしておく形です。時間はかかりますが、お金はかかりません。
3、地縁と人脈を強化する、コミュニティを作る
つながりを作る場所として、地域と業種の集まりがあります。
町内会、商工会、青年会議所、ロータリークラブ。こうした場に入ると、地域の人たちとの関係ができます。そしてその関係が仕事につながります。
のぼりやテントを提供する、イベントの設営を手伝う。これだけでも地域への貢献として認識されます。地域に根を置く業種での進め方は外壁塗装業者の集客方法にも書いています。
自分でコミュニティを立ち上げると、集まる人を自分で決められます。自分の仕事に合う人が集まる場を作るほうが、既にある集まりに入るより近道になる場合があります。
どこから手をつけるかの判断
4つの点のどこに原因があるかを、数字で確かめます。
- 問い合わせの数が足りない → 集客力
- 問い合わせは来るのに成約しない → 営業力か商品力
- 一度買った人が戻ってこない → 商品力
- 成約もリピートもしているが利益が残らない → ビジネスモデル
上から順に見ていくと、直す場所が1つに決まります。数えていない場合は、ここから始まります。 問い合わせの件数、商談の件数、成約した件数、二度目に来た件数。この4つを数えるだけで、どの層の話かが分かります。
うまくいかない進め方
同じ目的で動いていても、結果につながりにくい進め方があります。
1、手段を追加し続ける
うまくいかないときに、新しい手段を増やす形です。インスタを始め、広告を出し、ブログをはじめる。
原因がビジネスモデルや商品力にある場合、手段を増やしても結果は変わりません。
使える時間と予算が分散して、どれも中途半端になります。どの手段が自社に効くかの判断はWeb集客がうまくいかない原因に書いています。
2、担当者を雇ってSNSを任せる
人がいないからSNSをやれない、という状態で、人を雇って解決しようとする形です。
雇った人が発信できるのは、会社の情報と商品の情報までです。社長の考えや人柄は代わりに出せません。 そして求人に効く部分も出てきません。両輪にならないので、集客の片方だけが動きます。
3、結果が出る前に止める
SEOは半年から1年、SNSも数か月かかります。この期間を見込まずに始めると、効き始める手前で止めることになります。
何を何か月やって、どの数字が動かなければ止めるのか。これを決めずに始めると、気分で止めることになります。
よくある質問
中小企業の集客のご相談でよくお聞きすることをまとめます。
Q: 社長がSNSをやる時間がありません。
A: 毎日でなくて構いません。週に2回でも、続けば蓄積します。現場の写真を1枚と、2行の説明から始められます。完成度を上げようとすると止まるので、低い形で続ける前提にしてください。
Q: 社長が顔を出すのは抵抗があります。
A: 顔写真を出さなくても、考えと現場は出せます。ただし求人に効かせたい場合は、人が見えるほうが強く働きます。どこまで出すかは、集客だけを狙うのか、求人も狙うのかで決めることになります。
Q: SEOを外注すれば早いですか?
A: 書く作業は外注できます。ただし何を書くかを決める部分は社内に残ります。そこを任せると、外注先が書きやすいテーマが並ぶことになります。効き始めるまでの期間も、外注しても短くなりません。
Q: 商品力が足りているかどうかの判断がつきません。
A: 数字で見ます。問い合わせから成約する割合と、一度買った人が二度目に来る割合です。同業の相場と比べる必要はありません。自社の数字が去年より落ちているかどうかで判断できます。
Q: ビジネスモデルに問題があると分かりました。何から変えますか?
A: 全部を一度に変えると本業が止まります。売り先を変えるか、売るものを変えるか、どちらか1つから入ってください。変えている期間の売上は、今のやり方で立てることになります。
Q: コミュニティに入っても仕事につながりません。
A: つながるまでに時間がかかります。入ってすぐ仕事の話をすると、警戒されて関係が止まります。先に貢献する側で動いて、相手が必要になったときに思い出される状態を作る形です。
Q: 自分でコミュニティを作るのは大変ではないですか?
A: 人数は少なくて構いません。5人でも成立します。大きくすることが目的ではなく、自分の仕事に合う人が集まる場を作ることが目的になります。
Q: 予算をかけずにできることから教えてください。
A: 今のお客さんに「どうやって当社を知りましたか」と聞くことです。5人に聞けば傾向が出ます。お金はかかりません。そして次に力を入れる場所が決まります。
Q: 集客と求人のどちらを先にやるべきですか?
A: 分けて考えないほうが早く進みます。社長の発信は両方に効きます。別々の取り組みとして時間を割くと、どちらも進まなくなります。
Q: 何か月で変わりますか?
A: 層によって違います。営業力は数か月で動きます。集客力のうちSNSは数か月、SEOは半年から1年。商品力とビジネスモデルは年単位です。浅い層から動くので、深い層に原因がある場合は時間がかかると見込んでおいてください。
まとめ
どこが原因なのか?まずは4つの点を確認しましょう。
問い合わせの件数、商談の件数、成約した件数、二度目に来た件数。この4つです。
これが分かると、原因が4つの点のどこにあるかが分かります。
問い合わせが足りないなら集客力、成約しないなら営業力か商品力、二度目が来ないなら商品力、全部できているのに利益が残らないならビジネスモデルです。
そして集客力と営業力に原因があるなら、打つ手は決まっています。
法人向けならSEOを長期で始めて、その期間を社長のSNS発信で埋める。予算がないなら、狭い範囲を選んで、売る前につながりを作る。
ビジネスモデルと商品力は、変えられないことが多いところです。 そこに原因がなければ、残りの2つに集中できます。
