
「シフト表をAIで作れますか」と聞かれることがあります。
やり方が3つあって、メリット・デメリットがそれぞれ違います。
やり方の違いは、条件の数です。
スタッフが5人で希望休もほとんど出ないお店と、スタッフが30人いて資格の組み合わせまで考えないといけない会社では、同じやり方では済みません。
そして、シフト表づくりには、AIが得意な場合と苦手な場合で、分かれます。ここを分けないままやると、出てきた表をそのまま使っても間違いが怒ります。
この記事では、3つのやり方の向き不向きと、どこを人が見たほうがいいのか?を書いていきます。
シフト表づくりには、AIが苦手な部分があります
まず、AIが苦手な部分をご紹介します
1、複雑なシフト調整
生成AIは文章を作るのが得意です。求人の原稿、お礼のメール、投稿文。こうしたものは速く出てきます。
シフト表づくりには、文章作成とは異なる作業が混ざっています。
「この日は3人必要」
「この人は火曜が休み希望」
「連続5日までにする」
という条件を全部同時に満たす組み合わせを探す作業です。ここは文章を作るのとは別の種類の処理になります。
2、シフト表の条件は同時にたくさん満たす必要があります
シフト表の条件は、だいたい複雑です
必要人数、各自の希望の休み、連勤の上限、早番と遅番の偏り、新人をひとりにしない、資格を持った人を各日に入れる。1つずつなら簡単でも、全部を同時に満たす組み合わせは一気に難しくなります。
生成AIに頼むと、形の整った表は出てきます。けれども、条件のうち1つか2つが抜けていることがあります。最終的に人間の確認が必要です。
3、だからシフト表は確認が必要です
AIが作ったシフト表を人間が必ず確認します。出てきたシフト表を見て、必要人数が足りているか、希望の休みが満たされているか確認する必要があります。
確認せずに使うとどうなるか?はAIに丸投げして人が最終確認しないに書いています。シフト表の場合、失敗は当日になって気づくことになります。
まず、自分の職場のシフト条件を書き出しましょう
まずシフト条件を書き出します。あとから追加もできますが、いったん分かる範囲で書き出しましょう。紙でもスプレッドシートでもかまいません。
1、人数と必要人数を書きます
スタッフが何人いるか。そして曜日ごと、時間帯ごとに何人必要か。ここが土台になります。
平日と土日で必要人数が変わる職場なら、それも分けて書きます。繁忙期と閑散期で変わるなら、そこも分けます。
2、守らなければいけない決まりを書きます
連勤は何日までにするか。1人あたり月何日休ませるか。早番の翌日に遅番を入れないようにするか。有資格者を各日に何人置くか。新人を単独にしないか。
ここが多ければ多いほど、複雑な処理が必要となります。
3、毎月変わるものと変わらないものを分けます
必要人数と決まりは、たいてい毎月同じです。変わるのは希望の休みだけ、という職場も多くあります。
逆に、毎月のように必要人数が変わる、スタッフの入れ替わりが多いという職場では、毎月変わる条件が少しずつ異なるので、毎月条件をいろいろ入力していく必要があります。
やり方は3つに分かれます
ここでは3つのやり方をご紹介します。
1、チャット系やエージェント系の生成AIに毎回頼む
ChatGPTやClaude、Geminiに色々頼んで、作ってもらう方法です。すぐ始められます。費用も、すでに使っているなら増えません。
希望の休みや条件をスマホで撮影して、AIにその画像を読み込ませることで、手入力で条件を入力することをカットできます。これは便利です。
2、生成AIのスキルにして、毎月同じ処理を回す
条件が毎月ほとんど変わらないなら、処理そのものを作ってしまう方法です。1回作れば、あとは名前と希望の休いを入れ替えるだけになります。これはAIのスキルなどに登録しておきます。
3、シフト管理の専用サービスを使う
シフトを作るためのサービスで、自動作成の機能を持つものがあります。条件を設定しておくとシフト表が自動作成できます。
これは生成AIとは別のツールです。
3つを並べると、こうなります
始めやすい順に言えば、生成AI、スクリプト(スキル)、専用サービスです。費用がかからない順でも同じになります。
スクリプトやスキルは、一度作れば入力だけで済みます。専用サービスは設定が済めば自動で出ますが費用が追加でかかります。
生成AIでできるのはどんな時か
生成AIでつくるときのポイントをご紹介します。
1、人数が少ない場合
スタッフが5人から10人くらいまでなら、生成AIで出した表を確認するほうが早く済むことがあります。確認する範囲も狭いので、見落としが起きにくくなります。
2、希望の休みが少ない場合
希望の休みがほとんど出ない、曜日が固定されているという場合は、条件が少ないので間違いが出にくくなります。
逆に、全員が毎月バラバラに希望を出す職場だと、条件が増えて間違いが起きやすくなります。生成AIのモデルが賢いモデルなら問題ないことも多いです。
3、条件は箇条書きで渡します
入力する方法で精度が変わります。文章で説明するより、箇条書きで並べたほうが間違いが起きにくくなります。
必要人数を曜日ごとに書く。各自の希望の休みを日付で書く。守ってほしい決まりを1行ずつ書く。この形にして入力します。
毎月同じ条件を打ち込むのが手間なら、貼り付ける形にしておけば足ります。やり方は前提条件をコピペで入力するにまとめています。
毎月同じなら、生成AIのスキル化が便利です
生成AIを毎月同じ作業に使うなら、スキル化が便利です。そのときのポイントをご紹介します。
1、AIに毎回考えさせる必要はありません
手順が決まっている作業は、AIに毎回考えさせるより、スキル化してそのスキルを呼び出せるようにしましょう。そうすると考える時間が少なくて済むので、トークンの節約や時間の短縮につながります。シフト表づくりは、条件が固まっていればこの種類の作業になります。
毎回頼むと、毎回少し違うものが出てきます。スキル化してしまえば、同じ条件なら同じ結果が出ます。
2、条件を入力して、処理おこないます
必要人数、守る決まり、各自の勤務可能な曜日。これを入力します。毎月変わるのは希望の休みだけ、という形にします。
スプレッドシートで組む方法もあります。Googleスプレッドシート活用セミナーで、関数や自動化の扱い方を扱っています。
3、作るところはAIに手伝ってもらえます
スキルを自分で書けなくても大丈夫です。条件を伝えれば、生成AIが中身を書いてくれます。
ChatGPTのCodex、ClaudeのClaude Codeのような機能を使うと、希望を言ってやり取りしてあとは記録しておいてといえばスキル化と同じ感じで作業を覚えておいてくれます。使い方はClaudeCodeの基本セミナーで扱っています。
従業員の名前は、そのまま入力するかどうか
ここは先に決めておいてください。
1、シフト表は個人情報を含みます
シフト表には氏名が入ります。希望の休みから、その人の生活の事情が分かることもあります。会社として預かっている情報です。
2、AさんBさんに置き換えて渡します
生成AIに渡すときは、名前を記号に置き換えます。Aさん、Bさん、Cさんという形です。出てきた表に、あとから本名を戻します。
ひと手間増えます。ただ、外部のサービスに従業員の氏名を渡さずに済みます。理由はAIに個人情報を入力してはいけない理由にまとめています。
3、無料のプランはとくに注意します
無料で使えるプランでは、入力した内容が学習に使われる設定になっていることがあります。設定で切り替えられる場合もあります。どちらにしても確認が必要です。
このあたりは無料版で業務の機密情報を入力するに書いています。会社で使うなら、設定を確かめてから始めてください。
よくある質問
シフト表とAIについていただく質問です。
Q: 生成AIに頼めば、そのまま使える表が出てきますか?
A: 形の整った表は出てきます。ただ、条件のうち1つか2つが抜けていることがあるので、必要人数と希望の休みは人が確かめることになります。スタッフが少ない職場なら、確認の手間も小さく済みます。
Q: どのAIが一番向いていますか?
A: 無料の軽いモデルより、有料の上位モデルのほうが長い条件を扱えます。サービスを比べるより、1つ選んで条件の渡し方を整えるほうが結果につながります。
Q: スプレッドシートの関数だけでもできますか?
A: 簡単な条件なら関数でも組めます。人数の合計を数える、希望の休みの日に印をつける、といった形です。組み合わせを探すところまでやるなら、処理を書くほうが向いています。
Q: 従業員の名前を置き換えるのが手間です。
A: 必ずしも厳密に対応しなくても良い場合もあります。そのまま従業員の名前をAIに入力する会社もあります。社内規定の問題もあります。
Q: シフトの融通がきくことを、求人に書いたほうがいいですか?
A: 書いたほうが伝わります。条件表の欄には載らないので、文章で書かないと分かりません。小規模事業者の求人に応募が来ないに、給与で勝てない場合にどこで選ばれるかを書いています。
Q: ほかの事務作業もAIに任せられますか?
A: 議事録の整理、お礼のメール、求人の原稿などは向いています。最低限の生成AI活用のシリーズに作業ごとに分けて書いています。
Q: 社内で使えるようにしたいのですが、何から始めますか?
A: 全員に広げる前に、1人か2人で試す形から始めると進みやすくなります。作業の種類ごとに、どこが短くなったかを見ていきます。法人向けChatGPT社内研修もあります。
まとめ
シフト表をAIでつくるとき、難しいのはAIツールを現場の人が使いこなせるかどうか?です。できるだけシンプルな操作方法で扱える方法が良いです。
入力する条件が少ないなら、生成AIに毎回頼んでも簡単です。
入力条件が多いなら、AIエージェント系のたくさんの情報を覚えておけるAIツールが良いでしょう。スキルもその一つです。
そしてどの方法を選んでも、出てきた表を確かめるところと、希望が重なったときにどこを修正するかの判断は人におこなってください。ここはAIが代わってくれる部分ではありません。
名前の実名で入力するか仮名で入力するか?は、始める前に決めておいてください。
