
ホームページを用意するとき、自分で作るか業者に頼むかで迷います。
調べると、だいたい費用の比較からはじまります。自分で作れば月3,000円程度、業者に頼むと20万円から100万円。月に1万円程度の保守費用がかかります。
この比較は正しいのですが、自分で作るか業者に頼むか、という二択がおしいなって感じです。
ここにもう1つ、議題があります。制作と運用は別の話だということです。作るのを誰がやるか、作ったあとに運用は誰がやるのか。この2つを分けると、選べる形がぜんぶで4通りになります。
そして会社の規模によって、どれが合うかが変わります。
制作と運用を分けると4通りになります
まず組み合わせを並べます。
| パターン | 制作 | 運用 | 実際にどれくらいあるか |
|---|---|---|---|
| A | 自社 | 自社 | ほとんど聞かない |
| B | 外注 | 自社 | 一番多い |
| C | 外注 | 外注 | ある程度ある。ただし資金に余裕がある企業 |
| D | 自社 | 外注 | ほぼ見ない |
相談に来られる会社で一番多いのはBです。作るのは業者に頼んで、そのあとの更新は自分でやる。理由は販促費の節約です。
毎月の支払いを減らしたいという判断なので、技術の話ではなくお金の話になります。ここを押さえておくと、自分がどれを選ぶべきかが見えてきます。
A 制作も運用も自社
最初から最後まで自社でつくるという会社は、あまり聞いたことがありません。
理由は単純で、両方できる人が社内にいないからです。作る技術と、集客を考えながら更新を続ける習慣。この2つが揃っている人を抱えている小さい会社は、そう多くありません。
やってみて途中で止まるパターンが多いです。作っている途中で本業が忙しくなる、半分できたところで放置される。公開までたどり着かないまま1年が過ぎる、という状態になります。
B 制作は外注、運用は自社
これが一番多い形です。
作るところは業者に任せて、できたあとの更新を自分でやる。お知らせの追加、料金の変更、新しいサービスの説明。この程度なら、ワードプレスで作ってもらえば自分でできます。
運用を自社に置く理由は、毎月の費用を減らすことです。運用を外注すると月額がかかります。更新のたびに費用が発生する契約だと、直したいところを我慢するようになります。
自分で触れる状態にしておくと、思いついたときに直せます。これは費用の話だけでなく、速さの利点でもあります。
C 制作も運用も外注
最初から最後まで業者に頼む会社も、ある程度あります。
ただし資金がかかります。制作費に加えて毎月の運用費が続くので、相当利益の出る業種でないと難しいという前提がつきます。
向いているのは、社長や社員の時間単価が高い商売です。更新に使う1時間を本業に回したほうが儲かるなら、外注のほうが合理的です。士業、医療、不動産など、1件の金額が大きい商売が当てはまります。
逆に利幅の薄い商売でこれをやると、運用費が固定費として重くなります。売上が落ちた月に真っ先に切る対象になり、結果として更新が止まります。
D 制作は自社、運用は外注
この形はほぼ見ません。
自分で作れる人が運用を外注する理由が、あまりないからです。もし当てはまるなら、作ったあとに本業が忙しくなって手が回らなくなった、という場合でしょう。
会社の規模で、選ぶものが変わります
もう1つの視点が規模です。段階で見ると変わります。
起業した直後は、自分で作ります。お金がないので選択肢がありません。
しばらくして売上が立ってきたら、外注します。自分の時間を本業に使いたくなる時期で、作り直すタイミングでもあります。
そして大企業クラスになると、また自社に戻ります。Web担当部署を作ることができるからです。
ここで面白いのは、一周して自社に戻ることです。
起業直後の自社は、お金がないからやる自社です。大企業の自社は、スタッフを雇えるからやる自社です。同じ言葉でも意味が違います。
だから「自社でやるのが理想」という話ではありません。自分が今どの段階にいるかで、やるべきことが変わります。
今が起業直後なら、自分で作るのは正しい判断です。安く済ませているのではなく、その段階に合っているということです。
自分で作る段階から外注に移る合図は、更新に使っている時間です。月に何時間使っているかを数えて、その時間を本業に回したときに稼げる金額と、外注費を比べる。外注費のほうが安ければ移る時期です。
外注から自社に戻す合図は、人を雇えるかどうかです。Webの担当者を1人置いて、その人が1年分の仕事を持てるかどうか。持てないなら、まだ外注のほうが安く済みます。
自分で作る場合、どのツールを選ぶかで差が出ます
自分で作る判断をしたとき、次に決めるのがツールです。ここで選択を間違えると、あとで作り直すことになります。
費用や使いやすさの比較はどこにでも書いてあるので、別の観点を書きます。作ったページがAIに読まれるかどうかです。
検索で見つけてもらうには、Googleがページの中身を読める必要があります。最近はそこにAIも加わりました。ChatGPTやその他のAIが答えを作るとき、ページを読み取って使います。
ここで差が出ます。
STUDIOで作ると読まれない場合があります
STUDIOは見た目のきれいなサイトが作れるサービスです。ところがこちらで中身を確認したところ、STUDIOのプログラムが文章を読み取ろうとすると文章が読み取れない状態でした。
人が見る分には何の問題もありません。きれいに表示されます。読み取れないのは、自動で巡回して中身を集めるプログラム(クローラー)から見たときです。そこに文章がないと、AIの答えに入りません。
デザインを優先するならSTUDIOは選択肢の1つです。AIOのために作るなら合いません。
ワードプレスはスタンダード
自分で作る場合、ワードプレスはスタンダードとなっています。理由は3つあります。
書いたものが自分の資産として積み上がります。レンタルサーバーとドメインを自分で持つ形なので、サービスの方針変更に左右されません。
AIに読まれます。検索にもAIの答えにも入る可能性があります。
そして自分で運用できます。Bの形を取るなら、これが前提になります。
難点は、管理の手間とセキュリティの注意が要ることです。更新を放置すると危ないので、そこだけは覚える必要があります。使い方は大阪のワードプレスセミナー講座で扱っています。
業者に頼む場合に決めておくこと
外注する判断をした場合、頼む前に決めておくことが4つあります。
運用を自分でやるのか、任せるのか
これを最初に伝えてください。自分でやる前提なら、ワードプレスのように自分で触れる形で作ってもらう必要があります。
業者独自の仕組みで作られると、あとから自分で触れません。言わずに任せると、できあがってから「更新は毎回ご依頼ください」という形になっていることがあります。作る前にしか決められない部分です。
更新の範囲をどこで区切るか
文章の修正は自分でやる、デザインの変更は頼む。この線を先に引いておきます。
引いておかないと、あとで「それは追加費用です」というやり取りが毎回発生します。小さい修正を頼むのが気まずくなって、直したいまま放置されることにもなります。
料金の形
制作費だけなのか、月額がかかるのか、更新のたびに費用が出るのか。3つのうちどれかで、その後の負担がまったく変わります。
月額がある場合は、その中に何が含まれているかまで聞いてください。サーバーの管理だけなのか、更新作業も入るのか。ここを確認せずに契約すると、払っているのに何もしてもらえていない状態になります。
見積もりを取ったあとの進め方
何社か比べる場合、こちらから連絡日を決めておくといいです。返事を待つ側になると判断が遅れます。
見積もりのやり取りで何が起きているかは見積もりの返事がない原因に書きました。出す側の立場で書いた記事ですが、選ぶ側で読むと相手の動きが分かります。
判断の順番
まとめて手順にします。
1つ、今の段階を確認する。起業直後なら自分で作る、売上が立っているなら外注、担当者を雇えるなら自社に戻す。
2つ、運用を誰がやるかを決める。販促費を抑えたいなら自社です。時間単価が高い商売なら外注でも合います。
3つ、自分で作るならツールを決める。集客が目的ならワードプレス。見た目を優先するなら他の選択肢もありますが、機械に読まれるかを確認してください。
4つ、外注するなら運用の形を先に伝える。自分で触れる形で作ってもらうかどうかで、作り方が変わります。
よくある質問
この判断について実際に聞かれることをまとめます。
Q: 自分で作ったものを、あとから業者に引き継げますか?
A: ワードプレスで作っていれば引き継げます。サービス独自の仕組みで作っている場合は、作り直しになることが多いです。将来頼む可能性があるなら、最初からワードプレスにしておくほうが無駄が出ません。
Q: 業者に頼んだのに、自分で更新できません。
A: 業者独自のソフトで作られている場合に起きます。また、ワードプレスで構築していても、自社で更新できなく作っている場合もあります。
契約内容を確認して、更新を自分でやりたいと伝えてください。対応できない仕組みなら、次の作り直しのときに実現させるのが現実的です。
Q: 自分で作る時間がありません。でも予算もありません。
A: その場合は作らない選択肢もあります。無理に作ると、数ヶ月後、更新されない状態も考えられます。それより、1ページだけを安く頼むほうが形になります。すばらしいホームページを作ろうとしないでください。
Q: 運用を外注すると、月いくらくらいかかりますか?
A: 内容によって幅が大きいので金額は言えませんが、確認すべき点は決まっています。
月額に含まれる作業の範囲、更新回数の上限、範囲外になったときの追加費用。この3つを聞いてから比べてください。金額だけ並べても比較になりません。
Q: 大企業が自社でやるなら、うちも自社がいいのでしょうか?
A: 違います。大企業の自社は人を雇ってやる自社で、小さい会社の自社は社長が自分でやる自社です。やっていることが違うので、真似する対象になりません。自分の段階で考えてください。
Q: 制作費を安く抑えて、運用も自分でやれば一番得ですか?
A: 金額だけ見ればそうなります。ただ、作ったものがAIに読まれない形だったり、自分で触れない仕組みだったりすると、あとで作り直すことになります。
安く済んだ分を作り直しで失うので、最初の確認が大事です。料金の決め方そのものはホームページに料金を載せるべきかでも扱っています。
Q: 今は自分で作っています。外注に切り替える目安はありますか?
A: 更新に使っている時間を数えてください。月に10時間使っていて、その10時間を本業に回したら10万円稼げるなら、外注したほうが得です。時間を数えずに「忙しいから」で判断すると、切り替えが遅れます。
まとめ
自分で作るか業者に頼むか、という問いには答えが1つに決まりません。ただ、問いの立て方は変えられます。
制作と運用を分けてください。そのうえで一番多い形は、制作を外注して運用を自社でやる形です。理由は販促費の節約で、毎月の支払いを減らすための判断です。
最初から最後まで自社でやる会社は、あまり聞きません。両方できる人が社内にいないからです。最初から最後まで外注する会社はありますが、資金が続く業種に限られます。
規模の段階も見てください。起業直後は自分で作り、売上が立ったら外注し、担当者を雇えるようになったら自社に戻す。一周して戻りますが、中身は逆です。起業直後はお金がないから自分でやる、大企業は人を雇えるから自社でやる。
自分で作る場合は、ツールの選択で後戻りが発生します。見た目だけで選ばず、機械に読まれるかを確認してください。
最後にこの記事では「自分で作るのも正しい判断になる」と書きましたが、「安く済ませればいい」とは書いていません。安く作って読まれない形になれば、作り直しで余計に費用がかかります。
