
「ビフォーアフター投稿をしても、いいね!が全然つかない…」
「エンゲージメントが低くて、アルゴリズムに嫌われてる気がする…」
「薬機法が心配で、どこまで表現していいか分からない…」
美容サロンや治療院の経営者なら、こんな悩みを抱えているのではないでしょうか?
実は、ビフォーアフター投稿には大きな矛盾があります。
「バズりにくいけど、集客には最も効果的」という特性があるのです。
私つちやは、これまでのWebマーケティング経験で、この矛盾をカバーする戦略的な導線設計を考えてきました。
実際にクライアントさんでは、ビフォーアフター投稿を活用することで、エンゲージメントが低くくても、月間予約件数が増加という結果が出ています。
ビフォーアフター投稿の仕組み
ここでは、ビフォーアフター投稿の仕組みをご紹介します。
1. エンゲージメントが低くなる理由
なぜビフォーアフター投稿は、いいね!が少ないのか?
特定の人だけが関心を持つ「見る人を選ぶコンテンツ」ってありますよね。
その悩みを持たない人にとっては関係のない話なので、
あえてスルーされることも多いです。
また、内容によっては「気軽にいいね!しにくい」ものもあります。
知り合いにバレたくない心理が働くからです。
そういうテーマは、真剣に検討中の人ほど冷やかしではなく、
じっくり情報を集めたいと考えています。
さらに、美容や健康などのプライベートな内容は、
人に打ち明けにくい傾向があります。
だからこそ、発信する側は安心感や信頼感が大切になります。
つまり、「バズる=幅広い人に響く」の正反対なのがビフォーアフター投稿なんです。
2. でも、最も集客効果が高い理由
一方で、「ビフォーアフター」の投稿は集客にとても効果的です。
まず、具体的な変化が一目で分かるので、言葉以上の説得力があります。
さらに、見る人は「私もこうなれるかも」と、自分の未来を想像しやすいんです。
それだけではありません。
施術やサービスの前後を見せることで、技術力の証明にもなります。
加えて、写真や映像という形で残るので、嘘がつけないリアルな証拠として信頼を得られます。
このタイプの投稿は、見る人は多くないかもしれません。
でも、見た人の行動に移す確率は圧倒的に高いという特徴があります。
薬機法・医療広告ガイドライン完全対応【2025年版】
エステサロンのビフォーアフター表現ルール
使える表現
以下は薬機法・医療広告ガイドラインの範囲内で、安全に使える例です。
- 「お客様からのご感想です」
- 「個人の体験談です」
- 「効果には個人差があります」
- 「○回の施術を受けられました」
- 「施術期間:○ヶ月」
絶対NGな表現
以下は薬機法や医療広告ガイドラインで禁止されている表現です。使うと行政指導や罰則の対象になる可能性があります。
- 「必ずこの効果が得られます」
- 「シミが消えます」「痩せます」
- 「医学的に効果が証明されています」
- 「他店では不可能な結果」
- 「誰でも同じ結果になります」
ビフォーアフターの発信は非常に効果的ですが、
「事実の提示」と「個人の感想」に留めることが重要です。
効果を断定した瞬間にアウトになるため、あくまで“お客様の声”や“施術の過程”として見せるのが安全です。
また薬機法については、分からないまま自分で判断しようとせず、原文にあたり不明な点は、法律の専門家に相談することがベターです。
治療院のビフォーアフターの注意点
柔整広告ガイドライン対応
- ビフォーアフターは原則として治療院のウェブサイトでは掲載できる
- 個別の症例であることを明記
- 不明な点は専門家にご相談ください。
- 詳しくは下の柔整広告ガイドラインをご確認ください。
安全な投稿のためのチェックリスト
投稿前の確認事項
- お客様の書面による掲載許可取得
- 加工・修正を行っていない旨を明記
- 「個人差があります」の記載
- 施術回数・期間の明記
- 費用の明記(可能であれば)
- リスクや副作用の説明(可能なかぎり)
- 医療行為ではないことの明記(エステの場合)
ビフォーアフター投稿の戦略的活用法
1. プラットフォーム別戦略
Instagram(発見・興味喚起)
- ストーリーズで気軽に投稿
- ハイライトで常設展示
- リール動画で変化の過程を見せる
- フィード投稿は厳選して投稿
ブログ・HP(詳細説明・信頼構築)
- 詳細なプロセス説明
- お客様インタビューと合わせて掲載
- 施術方法の詳しい解説
- 料金・期間の明確な表示
LINE公式(個別対応・クロージング)
- 問い合わせがあった人にだけ送信
- より詳細な事例を個別に提供
- 類似事例を複数紹介
- カウンセリング予約への誘導
2. 投稿の順番で劇的に効果が変わる
従来の失敗パターン
Before(左)→ After(右)
変化は分かるが、インパクトに欠ける
効果的な投稿パターン
1枚目:After(きれいな結果を先に見せる)
2枚目:Before(「実はこんな状態でした」)
3枚目:施術中の様子
4枚目:お客様の感想
集客に直結する導線設計【実践編】
STEP1:興味喚起(Instagram・TikTok)
軽い投稿で間口を広げる
・施術の雰囲気動画
・サロンの日常風景
・美容tips・健康情報
・スタッフの人柄紹介
STEP2:関心深化(ブログ・公式サイト)
詳細な事例紹介ページ
1. お客様の悩み・来院のきっかけ
2. カウンセリング内容
3. 施術プランの提案理由
4. 施術過程の詳細
5. ビフォー・アフター写真
6. お客様の感想インタビュー
7. 類似事例の紹介
8. 料金・期間の詳細
SEOも同時に
- 「[地域名] [症状] 改善事例」での上位表示
- 同じ悩みを持つ人の検索に対応
- ロングテールキーワードでの集客
STEP3:信頼構築(LINE公式・メルマガ)
段階的な情報提供
1日目:サロンの想い・コンセプト
3日目:施術方法の詳しい説明
5日目:よくある質問への回答
7日目:実際のビフォーアフター事例
10日目:料金システムの説明
14日目:初回カウンセリングのご案内
個別対応で安心感を提供
- 類似事例の個別紹介
- 不安や疑問への丁寧な回答
- カウンセリング前の事前相談
STEP4:行動促進(電話・来院予約)
最後の一押し
・初回限定特典の案内
・無料カウンセリングの提案
・「まずは話だけでも」のハードル下げ
・予約の簡単さをアピール
・キャンセル規定の明示で安心感
プラットフォーム別ビフォーアフター活用術
Instagram活用法
フィード投稿戦略
- 月2〜3回の厳選投稿
- 1投稿で複数角度からの変化
- 詳細な説明文で信頼感構築
- 必ず法的表記を忘れずに
ブログ・ホームページ活用法
事例紹介ページの構成
1. タイトル:「○○の悩みが○ヶ月で改善した事例」
2. 導入:お客様の基本情報(年代・職業等)
3. 悩み:詳しい症状・困っていたこと
4. 施術内容:具体的なアプローチ方法
5. 経過:週ごと・月ごとの変化
6. 結果:ビフォー・アフター写真
7. 感想:お客様インタビュー
8. 補足:料金・期間・注意点
9. CTA:「同じ悩みの方はこちら」
SEOのキーワード戦略
- 「[地域名] [施術名] ビフォーアフター」
- 「[症状名] 改善事例 [地域名]」
- 「[年代] [性別] [悩み] 解決」
LINE公式アカウント活用法
友だち追加直後の自動配信
【1通目】
ご登録ありがとうございます!
○○サロンの△△です。
あなたと同じお悩みを解決された
お客様の事例をご紹介しますね↓
(ビフォーアフター画像添付)
詳細な説明文も明記
【2通目(3日後)】
他にもこんな変化を実感された方が↓
(別の事例を紹介)
詳しくお話しを聞かせていただければ
より具体的なご提案ができます。
無料相談はお気軽にどうぞ!
セグメント配信で効果最大化
- 年代別の事例紹介
- 悩み別の成功事例
- 来院歴に応じたフォローアップ
よくある質問と解決策
Q1: ビフォーアフター写真の撮影が上手くいきません
A: 撮影技術よりも「条件の統一」が重要です。
比較写真は「同じ条件で撮ったかどうか」で説得力が大きく変わります。
撮影条件の統一
- 同じ角度・距離・高さで撮影する
- 同じ照明条件(自然光推奨。室内ならライト位置を固定)
- 同じ服装・髪型(印象の変化による誤解を防ぐ)
撮影のコツ
- 三脚を使用して毎回同じ位置から撮影
- カメラやスマホの格子線を活用し、構図を統一
- 1回につき複数枚撮影し、ベストショットを選択
- 加工は明度・彩度の微調整程度にとどめ、輪郭や肌質の修正はしない
ポイント
ビフォーアフターは「変化を正しく見せること」が目的です。
条件が変わると、たとえ効果が出ていても信頼性が下がります。
撮影前に条件をメモし、必ず同じ状態で撮影しましょう。
Q2: お客様から掲載許可を取りにくいです
A: 許可取得には「信頼関係の構築」と「適切なアプローチ」が重要です。許可をもらいやすいタイミング
- 施術結果に満足していただいた時
- お客様から感謝の言葉をいただいた時
- リピート来院が決まった時
→ ポジティブな感情が高まっている瞬間がベストです。
お願いの仕方(例文)
「○○様のような方の参考になるかもしれません。
もしよろしければ、同じお悩みを持つ方のために体験談をシェアしていただけませんか?
もちろん、お顔は分からないようにいたします」
- 「顔は出さない」「匿名OK」など、安心感を与える言葉を必ず添える
- 断られても引きずらず、あくまでお願いベースで
メリットの提示
- 掲載謝礼(次回割引や特典など)
- 「美のお手本」としての価値を感じてもらう
- 同じ悩みを持つ人への貢献という社会的意義を伝える
ポイント
許可を取るのは「お願い」ではなく「協力をお願いする」イメージ。
相手が「役立てるなら」と思える流れを作ることで、承諾率は大きく上がります。
Q3: ビフォーアフターを安全に掲載するには?
A: 基本ルールを押さえれば大丈夫です。
安全な表現の基本
✅ 事実のみを記載
✅ 個人の感想であることを明記
✅ 効果の個人差を記載
✅ 施術内容・回数・期間を明記
✅ お客様の許可取得済みを記載
専門家への相談も重要
- 薬機法に詳しい弁護士
→ 最終的な法的チェックはプロに依頼 - 業界団体のガイドライン確認
→ 最新版を定期的に確認する - 同業者の事例研究
→ 他社の安全な運用例から学ぶ - 定期的な法令変更のチェック
→ 年1回以上の見直しで違反リスクを回避
Q4: エンゲージメントが低くて心配です
A: まずは目的を「集客」に明確化しましょう。
SNSはバズらせるためではなく、見込み客に届くためのツールです。
エンゲージメントより重要な指標
- プロフィールアクセス数
→ 興味を持ってプロフィールまで来てくれた数 - 問い合わせ件数
→ 実際に行動につながった数 - 実際の来店・来院数
→ 集客の最終ゴール - 売上への貢献度
→ 施術予約や商品購入につながったかどうか
「質の高いフォロワー」を重視
- 商圏内の見込み客
- 実際に来店・来院できる人
- 同じ悩みを持つ人
- 経済的にサービスや施術を受けられる人
フォロワーが多くても、この条件を満たさないと来店・来院にはつながりません。
投稿の目的を明確化
- バズらせることが目的ではない
- いいね!を集めることが目的ではない
- 「見込み客に刺さる」ことが重要
- 1人でも深く響けば、それは成功
ポイント
SNSの数字は「量」より「質」。
エンゲージメントが低くても、来院や売上に繋がるなら十分成功です。
ビフォーアフター投稿成功の6つのポイント
- 目的の明確化:バズではなく集客が目的
- 法令遵守:業界によっては、薬機法・医療広告ガイドラインの徹底
- 導線設計:SNS→ブログ→LINE→予約の流れ
- 段階的情報提供:興味→関心→信頼→行動の設計
- プラットフォーム使い分け:各媒体の特性を活用
- 信頼関係重視:お客様との関係性を最優先
ビフォーアフター投稿は、確かに難しいコンテンツです。エンゲージメントを低くするのに、法的規制も業界によっては厳しい。でも、だからこそ正しく活用できれば、競合との大きな差別化要因になります。
大切なのは「バズを狙わない勇気」と業界によっては「法律をしっかり守ること」です。また、見込み客にだけ刺さればいい。そう割り切って、戦略的な導線設計に集中することで、きっと素晴らしい結果が待っています。
今日から、問い合わせ数にフォーカスした運用を始めてみませんか。