
デザイン会社の集客をネットで調べてみると、ポートフォリオの作り方、SEO、SNS運用、広告が並びます。どれも手段としては間違っていません。
ただ、実際に仕事が来ている経路を聞くと、上の並びとは違います。多くの場合、人のつながりから来ています。
デザイン会社の仕事は法人からの発注です。相手は会社の担当者で、発注の前に稟議を通し、過去の制作物を見て、担当者と会って決めます。この流れの中で、知っている人からの紹介が一番早い経路になります。
そしてもう1つ、業種として向かない手段があります。MEOです。この記事では、向いている順番と、向かないものを分けて書きます。
個人で動いているデザイナーの営業の進め方は大阪のWebデザイナーが成功する営業方法7選に、選ばれ続けるための差別化は大阪のデザイナーが選ばれ続ける集客戦略に書いています。この記事は会社としての集客方法をご紹介します。
仕事は人のつながりから来ます
デザイン会社の集客で、最初にやることは人に会うことです。
交流会に出て、知り合いを増やす。これが一番効果的です。法人を相手にする商売では、担当者が「誰に頼むか」を決めるときに、顔を知っている人が先に浮かびます。
やることは3つに分かれます。なお紹介が生まれる前の段階でも書いているとおり、紹介は自分に合う相手を集めるところから始まります。
1、受けたい仕事を持つ業種が所属してるコミュニティを選びます
異業種の集まり、商工会、業界団体。種類はいくつもありますが、行く前に「ここに発注する人がいるか?」を確かめます。
デザイン会社の発注元は、商品を売っている会社です。製造業、小売、飲食、士業。自社が受けたい仕事を依頼しそうな業種が集まるコミュニティを選びましょう。
2、その場で仕事の話をしません
名刺を渡して売り込むと、次に会ったときに警戒されます。
やるのは逆です。相手の仕事を聞いて、何に困っているか?を聞きます。相手の話が終わったら、ようやく自社の話をする順番になります。相手が自社のことを聞いてきたら、先に自社の紹介をしましょう。
3、1回で終わらせません
交流会は、1回出ただけでは仕事になりません。同じコミュニティに続けて出ると、顔を覚えられます。
覚えられている状態を作るのが目的なので、同じコミュニティに続けて出ます。。 毎回違う場所に1回ずつ出るより、同じ場所に続けて出るほうが顔を覚えられます。
同業とのつながりが多いほど、仕事が来ます
ここが一番お伝えしたい内容です。
同業とのつながりが多い会社に、仕事が集まります。 同業は競合のはずなのに、発注元になります。
理由は3つあります。
1、受けきれない案件が出ます
デザイン会社には繁忙期があります。手が足りないときに断ると、クライアントとの関係が切れます。だから知っている会社に発注します。
発注する相手がいない会社は、断るしかありません。発注される側になっていれば、営業せずに仕事が来ます。
2、得意分野が違います
同じデザイン会社でも、得意なものが違います。ロゴが得意な会社、パッケージが得意な会社、Webが得意な会社。
クライアントから「これもできますか」と聞かれて、自社でやらないほうがいい領域があります。このときその領域が得意な会社を知っていれば、自社を介して依頼できますし、そのまま紹介もできます。
3、納期が合わないことがあります
案件が重なると、受けたいのに日程が合いません。そういう時に自社を介して依頼できます。
同業を避けている会社は、この3つの経路を全部閉じていることになります。 競合だと思って距離を取ると、仕事が入ってこなくなります。
同業の集まりに顔を出す、同じ規模の会社と情報交換する、下請けとしてではなくパートナーとして付き合う。ここに時間を使う価値があります。
MEOは、デザイン会社では効果がありません
店舗の集客では、Googleマップに出てくるかどうかが大きく影響します。店舗ならMEOが土台になる話にも書いているとおりです。
ただしデザイン会社では、MEOの話は聞きません。
理由は探し方です。会社の担当者がデザイン会社を探すとき、地図を開きません。「近くのデザイン会社」では探しません。探すのは、作ってほしいものの名前です。「ロゴ 制作 大阪」「会社案内 パンフレット 制作」のような形になります。
店舗は「近いこと」が選ばれる理由になりますが、デザインの発注では近さが決め手になりません。 打ち合わせがオンラインで済む案件も多く、商圏が広がっています。
だからGoogleビジネスプロフィールの整備に時間をかけるより、制作実績を見せる場所を作るほうが先になります。
インスタグラムは制作実績を中心に出します
デザイン会社でインスタグラムが向いているのは、見せるものがあるからです。
載せるのは制作実績です。作ったロゴ、名刺、チラシ、パッケージ、Webサイト。どんなものを作る会社なのかが、写真で伝わります。
ここで気をつけることが2つあります。
1つは、公開してよいかの確認です。 クライアントの制作物なので、出す前に許可を取ることになります。社名を出さずに制作物だけ載せる形もあります。
もう1つは、作る過程を入れることです。 完成したものだけを並べると、どこの会社の投稿か分からなくなります。ラフの段階、修正の過程、何を考えてその形にしたか。ここが入ると、作っている人が見えます。
インスタグラムで投稿するものが続かない場合の考え方は投稿するものが続かないときで扱っています。
ブログは、何の制作実績を書くか
ブログでも集客できます。ただし何を書くかは、会社の強みで変わります。
書くのは、具体的な制作物の実績です。
名刺を作っているなら名刺、チラシならチラシ、ロゴならロゴ、プロダクトならプロダクト。「デザインで解決します」のような抽象的な記事ではなく、何を作った話なのかが分かる形にします。
探している側の検索も具体的です。「ロゴ 制作 費用」「会社案内 作り方」「商品パッケージ デザイン 依頼」。作りたいものの名前で探しています。 だから制作物ごとに記事を分けることになります。
法人を相手にしたSEOの進め方は大阪でBtoB集客を成功させる方法に書いています。成果が出始めるまで半年から1年かかる前提で始める形です。
制作物を使う側の視点も知っておくと、記事が深くなります。 名刺の使い方は名刺を渡す側の使い方、パンフレットの予算の考え方は大阪でパンフレット集客を成功させる方法、チラシの配り方は配布方法と紙の選び方で扱っています。依頼する側が何に困っているかが分かると、実績の書き方が変わります。
YouTubeとセミナーは、人がいるかで決まります
この2つは、やったほうがいいとは言えません。人材次第です。
YouTubeは、話せる人が社内にいるかどうかで決まります。 デザインの解説は動画と相性がよく、作る過程も見せられます。ただし撮って編集して出し続ける作業が必要で、担当できる人がいないと止まります。
セミナーも同じです。 人前で話せる人がいて、その人の時間が確保できるなら成立します。いなければ、企画だけ作っても回りません。
社内を見て、できる人がいれば手を付ける。いなければ、交流会と制作実績の発信に時間を使うほうが進みます。手段を増やすより、続けられるものを選ぶ形になります。 SNSだけで法人営業をやろうとする問題は法人営業をSNSだけでやろうとする記事にも書いています。
よくある質問
デザイン会社の集客でいただく質問です。
Q: 交流会に行っても仕事につながりません。
A: その場で仕事の話をしていないか確認してください。先に相手の仕事を知る側で動くと、必要になったときに思い出されます。それと、受けたい仕事を出している業種の人がいる場かどうかも見てください。場が合っていないと、何回行っても変わりません。
Q: 同業と付き合うと、仕事を取られませんか?
A: 取られる場面もありますが、回ってくる場面のほうが多くなります。デザイン会社には繁忙期と得意分野の差があるので、断る案件が必ず出ます。そのとき回す先として覚えられているかどうかで差がつきます。
Q: 制作実績を公開する許可が取れません。
A: 社名と具体的な内容を出さずに、制作物だけ載せる形があります。契約の段階で「実績として公開してよいか」を確認しておくと、後から聞くより通りやすくなります。
Q: インスタグラムに何を載せればいいですか?
A: 制作実績と、作る過程です。完成したものだけを並べると、どの会社の投稿か分からなくなります。ラフや修正の過程を入れると、考え方が伝わります。
Q: ブログは何本書けばいいですか?
A: 本数より、制作物の種類ごとに分けることが先です。名刺、ロゴ、チラシ、パッケージ。それぞれで探している人が違うので、1本にまとめると当たりません。
Q: Googleビジネスプロフィールは登録しなくていいですか?
A: 登録しておくこと自体は構いませんが、ここに時間をかける必要はありません。デザインの発注では、近さが決め手になりません。制作実績を見せる場所を作るほうが先になります。
Q: YouTubeを始めたほうがいいですか?
A: 社内に話せる人がいて、その人の時間が取れるなら向きます。いなければ始めないほうがよいです。撮って編集して出し続ける作業が止まると、残るものがありません。
Q: 大阪以外の仕事も取れますか?
A: 打ち合わせがオンラインで済む案件なら取れます。だからブログとインスタグラムは、地域を絞らない形で書く選択もあります。ただし交流会からの紹介は、近い範囲のほうが動きます。
Q: 単価が上がりません。
A: 何でも作る会社として知られていると、価格で比べられます。得意な制作物を決めて、その実績を集めて見せる形にすると、指名で来る割合が増えます。
Q: 問い合わせが来ても受注に至りません。
A: 制作実績が合っていない可能性があります。問い合わせの内容と、見せている実績がずれていると、話が進みません。来た問い合わせの中身を5件分並べて、見せている実績と比べてみてください。
まとめ
デザイン会社の集客は、手段を並べる前に経路を確かめるところから始まります。
今ある仕事がどこから来たかを、過去1年分たどってください。紹介が多いなら、人のつながりに時間を使う判断になります。検索から来ているなら、制作実績の記事を増やす判断になります。
そして同業との付き合いを、競合として避けていないか見てください。 受けきれない案件、得意ではない領域、納期が合わない案件。この3つはどのデザイン会社にも出ます。回す先として覚えられている会社に、仕事が集まります。
MEOに時間をかける必要はありません。地図で探される業種ではないためです。その分を、作ったものを見せる場所に回してください。
インスタグラムは制作実績と作る過程を。ブログは制作物の種類ごとに分けて。YouTubeとセミナーは、社内に話せる人がいるかどうかで決めてください。
