
1,000社以上のWebマーケティングを見てきて、これだけは声を大にして言いたい。「見た目がキレイなLP」と「反応が取れるLP」は全くの別物です。
この記事では、LP制作・運用にまつわる失敗例の一つとして、マーケティングや集客の知識やノウハウを全く持っていないデザイナーにLPのレイアウトや構成、文章などを考えさせてしまうことをご紹介します。
デザイナーに丸投げする経営者の勘違い
「うちのデザイナー、センスいいから任せとけば大丈夫やろ」
この考え方、めちゃくちゃ危険です。何十回とこのパターンを見てきましたが、ほぼ確実に失敗します。
なぜか?
デザイナーはビジュアルのプロであって、マーケティングのプロではないからです。
LPで本当に大事なのは、
- ターゲット顧客の心理理解
- 購買プロセスに沿った構成設計
- 競合との差別化ポイントの明確化
- 行動を促すコピーライティング
- CVRを高める導線設計
これらは全てマーケティング領域のスキル。デザインスキルとは全く別の専門性です。
デザイナーに無理させると起こるトラブル
何も知らないデザイナーにLPの構成から考えさせてしまうと、こうなります。
起こりがちな失敗パターン
- 自社の言いたいことばかり並べたLP
- きれいだけど何を売ってるか分からないLP
- トップ画像にこだわりすぎて肝心のオファーが弱いLP
- 最後までスクロールしないと価値が伝わらない構成
- デザイン優先で読みづらい文字サイズや配色
結果、制作に時間とお金をかけたのに全く反応が取れない。
デザイナー本人の責任ではない場合も多いです。ただ、マーケティングの知識がないだけで、それなのにいきなり「LP作って」と丸投げされたら、結果が出にくいです。これって、デザイナーにとっても酷な話です。
本来はディレクターの仕事
LPで成果を出すなら、理想はこの体制
正しい制作体制
- マーケティングディレクターorコンサルタントが構成を設計
- できれば、LP専門のライターがコピーを執筆
- デザイナーがその設計を視覚的に最適化
ディレクターが「誰に、何を、どの順番で伝えるか」を決めて、ライターが「反応が上がるライティング」を担当して、デザイナーが「それをどう見せるか」に専念する。この分業が理想形です。
私は予算が準備されていて、クライアントが望んでいる場合、まずターゲット分析から競合リサーチ、オファー設計、構成案まで全部作ってからデザイナーに渡します。そうすると、デザイナーは本来の力を発揮できます。
「LPのノウハウを持つデザイナー」は希少価値がある
もちろん、マーケティングもデザインも両方できる人はいます。
でも正直言って、社内にそんな人材がいる会社は、ほぼありません。
仮にいたとしても、
- フリーランスで独立してる
- 大手制作会社で高給取り
- 自分でビジネスやってる(会社やってる)
つまり、外注するしかないわけです。そして当然、料金は高い。LP1本で50万〜100万円は普通です。
それだけのスキルと経験がある人材なので、この価格は妥当。むしろ、反応が取れるなら安い投資とも言えます。
要注意!「うちのデザイナーはLP得意です」という営業トーク
ここからが本当に怖い話。
営業マンや制作会社の社長が「うちはLP制作得意ですよ!」って言ってくる。実績も見せてくる。デザインもそこそこキレイ。
でも蓋を開けてみたら全く反応取れないLPだった。
このパターン、めちゃくちゃ多いです。
なぜこんなことが起こるのか?
「良いLP」の定義が違うからです:
- 制作会社:デザインがキレイなLP = 良いLP
- あなた:反応が取れるLP = 良いLP
完全にすれ違っています。
しかも厄介なのが、実際に反応が取れたかどうかの経験値やデータを持ってる制作会社は少ないこと。「納品したら終わり」なので、そのLPが実際にどれだけコンバージョンしたか知らないですね。
じゃあ、どうすればいいのか?
正直、信頼できる人に紹介してもらうのが一番確実です。
LP制作で失敗しない方法は以下の3つしかないと思います。
1. 成功体験を持ってる人に頼む
実務経験が豊富で、単なる制作実績じゃなく、「このLPでCVRが○%向上した」という成功体験を持ってる人。
2. 信頼できる人からの紹介
「この人に頼んだら、実際にウチの売上が3倍になった」みたいな生の声がある人。
3. 段階的にテストする
いきなり高額な発注はせず、小規模案件から始めて実力を見極める。
ポートフォリオだけじゃ判断できません。デザインが綺麗なのと反応が取れるのは別物だから。
まとめ
デザイナーには得意なことをやってもらいましょう。
LPの構成・戦略設計は、マーケティングのプロに。コピーはライターさんに。 その設計を美しく機能的にビジュアル化するのは、デザイナーさんに。
それぞれのプロに、それぞれの仕事を任せる。これが成功の鉄則ですね。
「うちにはそんな予算ない…」って思うかもしれません。でも考えてみてください。
反応が取れないLPに30万円払うのと、反応が取れるLPに80万円払うの、どっちが投資として正しいですか?
LPはちゃんと作れば、3倍くらいの成果向上を実現できます。それは、マーケティングのノウハウはそれくらいの価値があります。
見た目じゃなく、成果にお金を払う。この発想を持ってWeb施策をおこなえると勝ちが見えてきます。
あなたの会社のLPは、誰が設計してますか?
