
「LP作ったのに、全然コンバージョンしない」
相談に来られる企業さんのLPを見てみると、すぐ分かるミスをしていることがあります。
それは何か?
申し込みフォームがLPと別のページになってることです。
たった1クリックで、お客さんは逃げていく
LPを最後まで読んで、「よし、申し込もう!」と思った瞬間。
「お申し込みはこちら」ボタンをクリック→別ページに遷移→フォームが表示される。
このページ遷移」で、お客さん離脱していく場合があります。
データで見ると一目瞭然。LP内にフォームがある場合と別ページの場合で、CV率が30%違うケースがあります。
つまり、100人が「申し込もう」と思っても、別ページに飛ばした瞬間に30人が離脱してるってことですね。もったいないです。
なぜページ遷移でお客さんは逃げるのか?
人間の心理って繊細です。
LPを読んでる間は、どんどん購買意欲が高まってます。
「これいいな」
「欲しいな」
「申し込もうかな」
でもクリックしないといけないと感じたら、それだけでその熱が冷めます。
心理学では「認知的不協和」と言います。
つまり、
- クリックしないといけないと分かったら「え?」って違和感が生まれる
- クールダウンするから「本当に申し込んでいいのか?」と迷いが生じる
- ローディング時間で冷静になってしまう
せっかく温めたお客さんの気持ちを、クールダウンに向かわせてしまいます。
申し込みフォームを別にして失敗するパターン
数多くのLPを見てきましたが、驚くことにこのことを理解してる会社さんが少なく、なかにはマーケティング会社さんですら、知識として知ってはいても気づけていないケースもあります。
ここでは、特に多いパターンをご紹介します。
パターン1: 制作会社の「普通の作り方」
制作会社に任せると、普通にフォームが別ページになってることがあります。予算の都合もありますし、システムの仕様上の問題もありますので、一概には言えません。
しかし、これは、マーケティング的にはあまりやらないほうがいいです。なぜならコンバージョン率が下がるからですね。
たまに、制作会社さんにとっては、当たり前になってることがあります。予算的に安くなり、見積りが通りやすくなるし、管理もしやすい。だから、フォームページとLPを分けることが「その制作会社の標準的な提案」となるわけです。
一般的な制作会社はCV率まで責任持たないですよね。「納品したら終わり」だから、実際のコンバージョン率まで把握して改善案をご提案される会社は、ほんとにごくわずか。
そこまで提案される会社だと、費用も多くかかります。
パターン2: ショッピングカートシステムを利用する
ECサイトやショッピングカート使ってて、CV率を落とすというパターンもあります。
- LPで商品説明を読む
- 「購入する」ボタンをクリック
- カートページに遷移
- ログイン画面が表示される
- 新規ならアカウント作成が必要
- やっと購入画面へ
何度もクリックや入力してもらうために、お客さんの購買意欲がどんどん落ちていってしまいます。
パターン3: 申し込みの前に会員登録が必要
「会員登録してもらわないといけないので、別ページになります」
わかります。お申し込みしてもらう前に、会員登録が必要な場合、あります。
システム的な制約があるのも理解できます。
でも、それでCV率が落ちてる事実は変わりません。
もちろん、アカウント作成自体がコンバージョンの目的なら話は別です。でも、その場合でもCV率が落ちてしまうという事実は理解しておいたほうがいいですね。
ログイン・アカウント作成がある場合の現実
もしログインやアカウント作成が必須なら、こう考えてください。
離脱率を見込んで、流入数を数倍にする必要がある
例えば、
- 月10件の申し込みが目標
- ログイン必須
- 本来必要な流入数の数倍のアクセスが必要
つまり、広告費も数倍かかるということです。
ログイン画面1つ追加するだけで、コストが倍増する。これは理解しておいたほうがいいです。
「弱者の戦略」で考える
大手企業なら、多少CV率が低くても広告費でカバーできます。
でも、中小企業はそうはいかない。
ランチェスター戦略で言う「弱者の戦略」では、無駄を徹底的に削るのが鉄則。
ページ遷移という無駄、削りましょう。
フォーム別ページという無駄、削りましょう。
ログイン画面という無駄、できる限り削りましょう。
正解:LPとフォームは同一ページに
じゃあ、どうすればいいのか?
答えはシンプル。LPの中にフォームを埋め込む。
具体的には、
- LPをスクロールしていく
- 最後に「お申し込みはこちら」
- そのまま下にフォームがある
- ページ遷移なしで入力できる
これだけで、CV率は改善します。
フォームをLP内に埋め込んだだけでCV率が1.5倍になったケースもあります。他は何も変えてません。フォームの位置を変えただけです。
うちはシステム的に無理で・・・という方へ
既存のシステムやカートがあって、簡単には変えられない。わかります。
その場合の対策があります。
1. インラインフレームで埋め込む
技術的には可能なケースが多いです。エンジニアに「LPにフォームをiframeで埋め込めないか?」と相談してみてください。
2. 入力項目を極限まで減らす
別ページになるなら、せめて入力項目は最小限に。名前と住所と電話番号とメールアドレスだけとか。詳細情報は後で聞けばいいという考え方です。
3. 入力はたった30秒とアピール
心理的ハードルを下げます。「簡単3ステップ」「入力項目は3つだけ」と明示します。
4. フォームページのデザインをLPと統一
別ページでも、デザインが同じなら違和感が減ります。色・フォント・雰囲気を完全に揃えます。
でもやっぱり同一ページが最強です。
1クリック減らすだけで売上が変わる
Web施策って、こういう小さな積み重ねです。
- フォームを同一ページにする
- 入力項目を10つから5つに減らす
- ログイン不要にする
これ全部やったら、CV率かなり改善されます。
あなたの会社のLP、申し込みフォームはいかがですか。
別々のページになっているなら、今すぐご検討ください。
それだけで、来月の売上が変わるかもしれません。
