
営業時間を変えたい、お知らせを1本載せたい。それだけなのに自分では触れない。この状態でご相談に来られる方が多くいらっしゃいます。
ネットで調べると、答えは下のようなものです。
- CMSが入っていないから更新できない
- WordPressにすれば自分で更新できる
- HTMLの知識が必要
- キャッシュが残っているから反映されない
どれも起こり得ることです。ただ、原因が違うのに同じ答えが並んでいます。 しかも「WordPressにすれば更新できる」という答えは、実際には正しくない場合があります。
私がご相談でまずお聞きするのは「どこが触れませんか」ではなく「サイトは誰が作りましたか?」です。制作会社に頼んで作ったのかどうかで、原因の見当がつきます。
自分で更新できない原因は3つに分かれます
更新できない状態は、この3つのどれかです。
1、操作方法の問題
管理画面には入れるのに、どこを触れば直るのか分からない状態です。教わっていないだけの場合がここに入ります。
2、作り方の問題
制作会社に頼んで作った場合、自分で更新するには難しい知識が必要な作り方になっていることがあります。 この場合は覚えても触れません。
3、ツールの問題
何で作られているかで、更新の難しさが変わります。ワードプレスなのか、ノーコードのサービスなのか。ここで必要な知識の量が変わります。
この3つで必要なことがまったく違います。 1つめは教わるだけ、2つめは作り直しか改修、3つめは乗り換えの判断になります。
先に確認すること管理画面に入れるかどうか
原因を調べる前に、1つ確認してください。管理画面に入れますか。
入れない場合、仕組みがないのではなく情報が手元にないだけのことがあります。必要なのは4つです。
- 管理画面のURL
- ログインに使うIDとパスワード
- ドメインの管理情報
- サーバーの契約情報
制作を依頼したときに受け取っていないケースが多くあります。 制作会社が自社の名義で契約していて、そのまま運用を続けている形です。悪意があるわけではなく、依頼する側が「必要になったら聞けばいい」と考えていたことが多いです。
この場合は連絡すれば済みます。 作り直す必要もありません。あわせてドメインとサーバーが誰の名義で契約されているかも確認してください。制作会社の名義のままだと、将来別の会社に頼むときに移せません。
入れることが確認できたら、上の3つのどれなのかを見ていきます。
1つめ操作方法の問題
管理画面に入れるのに触れない。この場合は教わる話です。
全部を覚える必要はありません。実際に使うのは、文章を直す、画像を差し替える、お知らせを1本足す。この3つで足ります。
よくあるのは、管理画面を開いてみたものの項目が多すぎて、どこが自分のサイトのどこに対応しているのか分からない状態です。これは触って覚えるしかない部分なので、一度教わると進みます。
制作会社に頼んで作った場合は、まず制作会社に教えてもらうのが順番です。 自分のサイトの作りを知っているのは作った会社だからです。ここを飛ばして調べ始めると、一般的な手順と自分のサイトが合わなくて混乱します。操作の部分はワードプレスのセミナーでもお伝えしています。
2つめ作り方の問題
3つの中で一番大きい原因です。そして一番見落とされています。
制作会社に頼んで作った場合、自分で更新するには難しい知識が必要な作り方になっていることがあります。 操作を覚えても触れません。覚え方の問題ではなく、作りの問題です。
1、メニューとブログ本文で難度が違います
同じサイトの中でも、触る場所によって難しさが変わります。
ブログ記事の本文を直すのは簡単です。 管理画面から記事を開いて、文字を打ち替えて保存するだけです。
メニューやグローバルナビの更新は、まったく別の難しさになります。 上部に並んでいるリンクの名前を変える、1つ足す、順番を入れ替える。この作業は、制作会社に教えてもらっていないと、調べても分からない場合があります。
「ホームページを自分で更新できない」と言われる場合、だいたいこちら側です。 本文は触れているのに、メニューや固定ページが触れない。
2、HTMLを直さないと変えられない作りがあります
メニューが触れない理由の1つがこれです。
HTMLを修正しないと変えられないように作っている場合があります。 管理画面のメニュー設定からは変えられず、ファイルを直接書き換える必要がある形です。
この作りだと、どれだけ管理画面を探しても変更する場所が見つかりません。探し方が悪いのではなく、そこに機能がありません。
3、ページを作っても表示されない作りがあります
もう1つあります。固定ページやブログの機能で新しくページを作っても、サイト上に表示されないように構築している場合があります。
作ったのにどこにも出てこない。メニューにも載らない。この状態だと、ページを増やすこと自体ができません。
この作り方をされているなら、ノーコードで作っているほうがマシです。 ノーコードなら、少なくともページを足して表示させることはできます。
3つめツールの問題
何で作られているかで、必要な知識の量が変わります。
1、ノーコードは自分で更新しやすい
STUDIO、Jimdo、Wix、ペライチ。こうしたノーコードのサービスで作られている場合、ある程度は自分で更新できます。
画面を見ながら触る形になっているので、文章の差し替えもページの追加も管理画面の中で完結します。メニューの設定も画面上から変えられます。
2、ワードプレスは知識が多く必要です
ノーコードのサービスより、ワードプレスのほうが必要な知識は多くなります。
テーマ、プラグイン、固定ページと投稿の違い、メニューの設定。覚えることが増えます。そして上に書いたとおり、制作会社が簡単に更新できるよう作っていなければ、ワードプレスはものすごく更新が難しくなることもあります。
「WordPressにすれば自分で更新できる」という説明は、この部分が抜けています。ワードプレスだから更新できるわけではなく、更新できるように作られているかどうかで決まります。
ワードプレスで自分で運用する前提は2つです
この章が一番お伝えしたい内容です。
自分で更新していく前提でワードプレスを選ぶなら、制作を頼む時点で2つが必要になります。
1つはワードプレスの操作方法を教えてもらうこと。もう1つはページ作成も簡単にできるよう作ってもらうことです。
この2つがないまま納品されると、ワードプレスで運用できないことのほうが多くなります。 管理画面はあるのに触れる場所が限られていて、増やしたいページは出てこない。この状態で「自分で更新してください」と言われても進みません。
前提が満たされないなら、ノーコードで構築するほうが運用は簡単です。 機能は少なくても、自分で動かせる範囲が広いためです。
制作を依頼する段階でここを決めておいてください。 納品されたあとに気づくと、作り直しの話になります。制作と運用をどう分けるかについてはホームページは自分で作るか業者に頼むかにも書いています。
更新する場所ごとに、難度が違います
作り方の問題かどうかを見分けるために、場所ごとの難度を分けておきます。「更新できない」と言っても、どこが触れないのかで話が変わります。
作りに関係なく、だいたい触れる場所
- ブログ記事の本文
- 記事の中の画像
- お知らせの追加
ここは管理画面から開いて打ち替えるだけなので、教われば触れます。この3つが触れないなら、操作方法の問題です。
作り方次第で、触れるかどうかが変わる場所
- メニューとグローバルナビ
- 固定ページの追加
- トップページの各ブロック
- お問い合わせフォームの項目
ここは管理画面から変えられる作りと、変えられない作りがあります。 同じワードプレスでも分かれます。
本文は触れるのに、こちらが触れない。この状態なら作り方の問題です。 操作を覚えても変わらないので、確認する相手は制作会社になります。
制作会社に確認する3つの質問
作り方の問題かどうかは、聞けば分かります。
- メニューは管理画面から変えられますか
- 固定ページを新しく作ったら、サイトに表示されますか
- トップページの文章は管理画面から変えられますか
この3つに「はい」が返ってくるなら、残りは操作方法の問題です。 教われば進みます。
「HTMLを直す必要があります」という答えが1つでも返ってきたら、作り方の問題です。 その部分は自分では触れません。改修するか、依頼し続けるか、乗り換えるかの判断になります。
※自分で更新するか依頼するかの判断そのものはホームページは自分で作るか業者に頼むかに書いています。制作と運用の分け方、更新の範囲の区切り方、料金の形はそちらで扱っています。
反映されない場合は、別の話です
更新したのに表示が変わらない、という状態は上の3つとは別です。
操作はできていて、保存もできている。それなのにサイトを見ると前のままという場合は、ブラウザや配信の仕組みに前の状態が残っているだけのことが多くあります。時間を置くか、別の端末で見ると確認できます。
これは更新できない問題ではなく、確認の仕方の問題です。
うまくいかない進め方
同じ目的で動いていても、結果につながりにくい進め方があります。
1、操作を覚えようとして止まる
管理画面の使い方を調べ続ける形です。
作り方の問題だった場合、覚えても触れません。 メニューがHTMLを直さないと変えられない作りなら、操作を覚える意味がありません。先に作りを確認してください。
2、ワードプレスにすれば解決すると考える
更新しにくいから入れ替えよう、と決める形です。
作り方次第では、ワードプレスのほうが難しくなります。 入れ替える場合は「自分で更新できるように作ること」を条件として先に伝えてください。条件を伝えないまま頼むと、同じ状態になります。
3、触らないまま放置する
分からないので手を付けない、という状態です。
古い情報が出ている状態は、何も載っていないより悪く働きます。 営業時間が違う、終わったキャンペーンが残っている、担当者がもういない。見た人は営業しているかどうかを疑います。
自分でやろうとして止まったまま時間が過ぎる例もあります。自作を断念してプロに依頼した解体工事業者の事例も記事にしていますが、止まっている期間は何も変わらないので、早めにどちらかに決めたほうが進みます。
よくある質問
ホームページの更新のご相談でよくお聞きすることをまとめます。
Q: ブログは書けるのにメニューが変えられません。
A: 作り方の問題です。メニューの更新は本文の更新と難度が違います。管理画面から変えられない作りになっている場合があるので、制作会社に「メニューは管理画面から変えられますか」と確認してください。
Q: 新しいページを作ったのに、サイトに出てきません。
A: 作っても表示されないように構築されている場合があります。これは探し方の問題ではないので、制作会社に確認することになります。この作りが続くなら、ページを増やす運用そのものができません。
Q: WordPressにすれば誰でも更新できますか?
A: できるとは言えません。更新できるように作られているかどうかで決まります。 入れ替えるなら「自分で更新できるように作ること」を条件として先に伝えてください。
Q: ノーコードのほうがいいのでしょうか?
A: 自分で運用する前提で、ワードプレスを簡単に更新できるよう作ってもらえないなら、ノーコードのほうが運用は簡単です。ただし検索で見つかりやすいかどうかは別の話になるので、両方を見て決めることになります。
Q: 制作会社に操作を教えてもらえますか?
A: 依頼の内容に含めておく形になります。納品後に聞くと、別料金になる場合があります。制作を頼む段階で「操作を教えてもらえますか」と確認しておいてください。
Q: 制作会社にログイン情報を聞いても渡してもらえません。
A: 契約の内容を確認してください。保守の契約に「更新は当社で行う」という条件が入っている場合があります。契約期間が残っているなら、満了のタイミングで移す相談になります。
Q: 操作を覚えても忘れそうです。
A: 更新の回数が少ないなら忘れます。その場合は手順を1枚に書いておくか、依頼する形に決めたほうが早いです。
Q: 更新したのに表示が変わりません。
A: 時間を置いてから、別の端末で見てください。前の状態が残っているだけのことが多くあります。それでも変わらない場合は、保存ができていないか、別のページを見ている可能性があります。
Q: 古い情報が残っていますが、優先度は高いですか?
A: 高いです。営業時間や料金のような、来店や問い合わせの判断に使われる情報から直してください。デザインの手直しより先に来ます。
Q: どこから確認すればいいですか?
A: 管理画面に入れるかどうかです。入れないなら情報の問題。入れるなら、ブログ本文が触れるかどうかを見てください。本文は触れるのにメニューが触れないなら、作り方の問題です。
まとめ
最初にやることは、誰に何を聞くかを決めることです。
制作会社に聞くことが3つあります。
1つは管理画面のログイン情報。2つめはメニューや固定ページを管理画面から変えられる作りになっているか。3つめは、ドメインとサーバーが誰の名義で契約されているか。
2つめが一番大事です。 答えが「HTMLを直さないと変えられません」だった場合は、操作を覚えても自分では触れません。覚える前に分かります。
自分で確認することが1つあります。 本文は触れるのに、メニューや固定ページが触れないのかどうかです。そこが分かれ目になります。
更新できないことが問題なのではなく、更新したい場所が触れない作りになっていることが問題です。 作りを確かめずに操作を覚え始めると、覚えても触れないまま終わります。
